Inscryption |
謎の男レシーは犠牲者を次々と山小屋に閉じ込めては負けイコール死のカードゲームをプレイさせていた。プレイするたびに毎回状況が変わるローグライクなカードゲームに脱出ゲームの要素をホラーテイストでミステリー風に混ぜ合わせたコンピュータゲーム。
なにかでおすすめされていたのでどんなものかホロライブの沙花叉クロヱの配信をアーカイブで見てみたらおもしろそうだったので、サマーセール前から始まった割引でだいぶ安くなっていたことから買って遊んでみた。おもしろかった。
このゲームで最初にひかれた点は三つあって、まずはしゃべるカードがぼやきながらアドバイスをくれるところだった。オコジョのカードが出てくるのだけど、こいつはカードのくせに置かれた場所を嫌がって不平不満を言ったり、逆に上から目線で褒めてきたりするのがかわいかった。他にもいくつかしゃべるカードが出てくる。
次にゲームシステムがコンパクトでありながら奥が深そうだったこと。フィールドマップがある点でSlay the Spireにも似ているのだけど、あっちがカードでコマンドを選ぶだけのRPGなのに対して、こっちは場に出したカードで攻撃したり防御したりする本格的なカードゲームだった。
手持ちのカードは最初たった四種類だけ。この四種類のカードだけで基本的なルールを学ぶことができる。このゲームには無条件に強いカードというのはなくて、強いカードほど場に出すためのコストが掛かるようになっている。逆に弱いカードはコストが低いので次々と場に出せる。ランダムで手に入るカードをうまいこと組み合わせて戦っていくのが楽しい。ゲームを進めるにしたがって徐々にカードが増えていくのもやりやすかった。
最後はなんといっても演出。謎の男レシーは一人でゲームを仕切っているので、プレイヤーに対してとつとつと状況説明する一方で、仮面をかぶってボスを演じたりもする。かと思ったらフィールド上のプレイヤーを表す駒を持って来いと言ってきて、ゲームの盤上から離れて山小屋の中を歩き回ることにもなる。
山小屋の中にも謎があって、ゲームの中のヒントと組み合わせて解いていかなければならない。ゲームが有利になるカードを手に入れることもできる。レシーはプレイヤーがゲームに勝っても負けを認めないので、山小屋の中の謎解きをしてレシーを打ち破らなければならない。
というのが第一章で、それが第二章、第三章へと続いていき、この謎のゲームInscryptionについて解き明かすのが目的となる。第二章では新たにカードパックが出てきて、ランダムにカードを入手していくローグライクから打って変わってトレーディングカードゲームのように手持ちのカードから一定枚数を選んでデッキを組んで戦っていくことになる。第三章からまた違ったシステムとなる。この手のカードゲームにまったくなじみのない人でも無理なく慣れ親しんでいくことのできる素晴らしいシステムだと思う。
さらにすごいのは、ARG要素なるものまであったこと。ARGとはAlternate Reality Gameの略で代替現実ゲームという意味らしい。ゲーム内の隠し要素に暗号が埋め込まれていて、その暗号をゲーム内で解いたり、ゲーム外でインターネットやさらには現実の場所まで含めて謎解きをさせる趣向になっている。といってもこれはリリース直後にイベント的に行われたものであり、インターネットユーザーが知恵を出し合ってみんなで解く感じのものらしい。たぶん難しすぎて一人では解けないと思う。詳しくは以下のページを見るといい。
『Inscryption』をクリアした人のための攻略情報
https://note.com/dbs_curry/n/n8eba7204c8a8
批評もすると、第三章以降の展開がよくわからなかった。ネタバレを避けたいので詳しくは言わないけれど、なんでこいつがラスボスになったのかよくわからなかった。それに、本当の真実にたどり着くにはARG要素まで含めて謎を解かなければならない。まあ本編をクリアすれば一つの物語がきちんと終わるのでそれなりに満足はできるのだけど、伏線が回収されないのでスッキリはしない。
なんだかんだで最初の第一章が一番おもしろい。Kaycee’s Modというエクストラモードが用意されているのだけど、第一章をいろいろな制限付きでクリアしていく感じになっていることからもうかがえる。
メタ要素の演出が行き過ぎて(?)PCのローカルドライブの中身が画面に出てくるのはちょっとやりすぎだと思う。ゲーム内での操作次第ではファイルを削除すると出てきて少しあせった。沙花叉が続きを配信できなかったのもSteamのフレンドが表示されることがわかったからみたいだった。
幕間に謎解きのヒントとなる動画を見ることができて、カードゲーム好きな配信者がこのInscryptionの謎解きをしようとする場面が映像で断片的に分かるようになっているのだけど、吹き替えではないので音声は英語になっていて字幕が表示される。演出がリアルすぎて操作方法がよくわからなかったため、とりあえず全部のボタンを順に押していった結果、字幕を消してしまいそのことに気づかないまま第一章後の動画を見終えてしまった。あとで気づいて第二章後の動画では再び字幕を表示させて見直したのだけど、第一章後の動画はもう見ることができなかったので沙花叉の配信を見てようやく何を言っているのか知ることができた。
いわゆるキーボードのWASDキーで移動するのだけど、ずっとこのポジションに手を置いていたら手が疲れてしまった。このゲーム、クリアした今ではアクション性がまったくないことは分かるのだけど、クリアするまではどんな趣向があってもおかしくないと思っていたのでずっとこのポジションに手を置いていた。
レトロなグラフィックスで描かれているけれど地味に3Dを使っているのでインテル内蔵グラフィックスではカクカクになった。AMDの最近の内蔵グラフィックスならなんとかいけるかも?公式での最低動作環境はGeForce GTX 550Ti以上かRadeon HD 6850以上とあるので、軽い3Dのネットゲームをやれる程度のスペックは要求されると思っておいた方がいい。
広く勧めることができるゲームではないけれど、頭を使うゲームが好きな人ならプレイして損はないと思う。盤外の謎解きは適度な難易度で満足感も高いと思う。また、トレーディングカードゲームの入門にも最適なんじゃないだろうか。
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