サタノファニ 3巻まで |
甘城千歌は学校一の美少女で快活な女子高生だったが、ふとしたことがきっかけで「メデューサ症候群」なる病気を発症して大事件を起こし、官民共同運営の孤島の女子刑務所へと収監される。そこには同じような病気を持った一癖も二癖もある美女たちが集められ、夜中に定期的に生死を掛けて戦い合わされていた。エログロ満載のバイオレンスアクションマンガ。
以前同じ作者の「エデンの檻」を読んでとてもおもしろかったので読んでみたのだけど、ちょっとした謎解き要素がある以外は頭カラッポにしてエログロバイオレンスを楽しむような作品だったので3巻までで読むのをやめた。
「エデンの檻」は謎の孤島に不時着した学生たちがサバイバル生活を送る中で人間の醜さと自然の過酷さにより次々と命を落としていく社会派の作品だったけど、この作品にはそういう要素はあまりなさそうだった。ミラーニューロンという脳科学上の大発見について最初に語られるのだけど、単なる背景としてしか使われていなかった。
明るい女子高生がそのまま戦うのではなく、題にある「サタノファニ(悪魔憑き)」として別人格になって戦うので、戦い自体にこれといったドラマがなかった。戦闘が終わるとそのときの記憶は忘れさせられる。で次の日はお互いに傷だらけになった体で普通に日常パートが始まる。あるいは誰かが死んでいなくなっている。
刑務所が官民共同運営というところもポイントで、民間企業が研究に使っているわけなのだけど、読者としてその謎が気になるかというと自分はそこまで興味を持てなかった。なんか展開が行き当たりばったりっぽくてあまり期待できない感じがした。
なにげにギャグも放り込んでくる。主人公の女の子が大食いという設定だったり、刑務所に入るときは全裸で身体検査を受けるという知識があったので脱いだら半官半民かつハイテク刑務所なのでその必要はなかったとか、女の子たちがみんなどこか間が抜けていたりとか。
別にこの作品を批判するつもりはなくて純粋にエンタメに徹しているんだなあと思っただけなんだけど、それを確認するために3巻も読むのは正直時間の無駄なのでなんとかならないのかなあと思った。
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