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スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス
大人気の宇宙戦争映画(?)スターウォーズ・シリーズの確か四作目にあたる作品。最初に作られた三作品はなぜかエピソード 4〜6 にあたるので、このエピソード1 はすべての物語の始まりにあたる作品になる…らしい。

スターウォーズ エピソード2 クローンの逆襲 の宣伝のために、日本公開前日にテレビ放映された。千と千尋の神隠しはいつテレビ初公開してくれるのか楽しみだ。おそらくジブリの新作が出るときだと思う。やっとこういうテレビと映画の関係がわかってきた。

もうこのエピソード1 は過去の作品なので、盛り上がった当初のことは私は何も覚えていない。たしか、それほどでもない作品だという雰囲気があったように思う。それもある種自然で、最初の三部作がまさに火がついたように大ヒットしたのに対し、このエピソード1 は待ちに待たされた観客の期待に完全に答えたとは言いがたいようだったからだ。それでも私は普通に楽しめた。たぶんこの普通に楽しむくらいのレベルではファンが納得しなかったのだろう。

前に友人と話していて、ジェダイはもろ武士でしょ、っていう話を聞いていたのでじっくり見てみたが、本当に武士みたいだった。いや、武士と忍者があわさったみたいな感じだ。アミダラ女王のあの口紅の塗り方も、口を小さく見せるための昔の日本の化粧法だ。その他、随所に東洋テイスト、いや日本テイストが見られる。クワイ・ガン・ジンなんていう名前は中国っぽいが、東洋テイストのほとんどは日本テイストだったように思う。このテイストを西洋人はどのように見ているのだろうか。

ジェダイの騎士の使うライト・サーベルは、使い方がむしろ日本の刀だ。ちゃんばらみたいな戦い方をする。フェンシングではいかにサーベルでもあそこまで刀を振り回したりはしないだろう。もっとも剣道もあんな無駄な動きはしないとは思うが。謎の怪人ダースモールが、ローブをとると隈取模様のような怪しい化粧に、両刃なぎなた風のライト・サーベルで戦うところは、弁慶を思い起こさせる。

もちろん西洋風テイストもたっぷり入っている。総督の服は大司教という感じがするし、ローブはまるでファンタジー映画を見ているかのようだ。一番圧倒されるのは、宮殿などの西洋風建築物である。さすがに五重塔とかを入れることはやっていない。

アナキンが無法都市で開かれるレースを戦うところが中盤のクライマックスになっている。車の形こそユニークだが、私はニンテンドーのゲーム F-ZERO を思い出さずにはいられなかった。

スターウォーズと称するだけあって、戦争の描写がやはりいい。終盤では、宮殿に突入して総督を捕らえようとする部隊や、街の外で繰り広げられるロボット対トカゲ人間のマスコンバット、宇宙での敵戦艦との戦い、どれもとてもよくできている。敵役のショッカーならぬロボット兵士は、どれもうまいこと壊れる。CG の完成度はすばらしい。マスコンバットでは数千ものロボット兵が隊列を組みながらも、画一的ではなく微妙にずれて独立した動きをさせていて、こういう地味なところに感動してしまった。レーザーが飛び交うかと思えば、なぜか電子系爆弾を投げる投石器や、象みたいな獣の上にバリア発生装置を載せていたりと、中世ヨーロッパ・南アジア風の設定がとても魅力的だった。

音楽はほとんど耳に入らなかった。流れてはいたのだろうが、ほとんど印象に残らなかった。向こうの映画はたいていそうだ。BGM の理想ともいえるが、やはり物足りない。

物語は、はっきりいってこのような冒険話では、こういうことがあってこうすることになってああやってこうして…ととにかくいろんなイベントを重ねていくことが何より重要だと思うので、その点で言えばとてもよくできていると思う。ただどうしても、随所随所で安っぽさを感じる部分も出てくるし、スターウォーズ・シリーズ全体を説明するための語りが自分の中で消化しきれなかった。

共和国議会・元老院の腐敗ぶりはよかった。民主主義・議会政治への批評臭さを感じさせないサラリとした描き方がとてもスマートで良い上に、古代ローマを取り入れた上品さを感じる。

宇宙映画というと、なんでも未来的にすればいいのではないかと思いがちだ。西洋も東洋もないまったく新しい文化の中で人々が生活している様子を思い浮かべるのが普通だろう。そこを逆手にとったのか知らないが、中世の西洋や特に東洋風の要素をちりばめて描かれた世界観は圧倒的に素晴らしい。おそらく現実の未来はブレードランナー風の退廃色濃い世界になると私は思うのだが、もし現実的にありうる形として最高の未来が訪れるとしたら、スターウォーズ風の世界になってほしいと思った。奴隷もいるけど。
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