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詐騎士 9巻まで
領主の命を受けて余命2年の子息ルーフェスになりすまして王都で騎士になるべく訓練を受けることになった孤児の少女ルゼは、自身も幼い頃に事故により足が不自由になっていたが、高い魔力と傀儡術により自在に自分の体や物を操り活躍する。ファンタジー小説が原作のマンガ。

作品投稿サイトを運営するアルファポリスの作品はこれまでいくつか読んできて大体面白かったので、巻数もありちょっと面白そうなタイトルに惹かれて読んでみた。まあまあ面白かった。

タイトルの「詐騎士」は「詐欺師」と「騎士」を組み合わせた造語で、ヒロインのルゼが巧みに人をだますので同僚の騎士からこう呼ばれることとなる。男のフリをしている彼女が「女装」しておとり捜査をしたり、傀儡術が使えない場ではロクに戦えないと見せかけてだまし討ちをしたり、体が弱いフリをして血糊を使って相手を動揺させたりする。

ルゼは自分が女であることを悟られぬよう努めて男らしく振る舞っているせいか、貴族や王族の子弟もいる騎士団のなかでなにかと衝突するのだけど、不思議な縁により王子や王女なんかとつながりができ、彼らの助けを借りたり逆に彼らの狙いや騒動に巻き込まれたりする。

自分は男っぽい女の子が元気に活躍したり女バレして周囲の態度が変わったり自分の気持ちが揺らいだりするような話が大好きなので期待して読んだのだけど、思っていたよりハマらなかった。

まずヒロインのルゼが強すぎる。なにせ傀儡術は魔力の糸のようなものをたくさん出して体を操ったり敵を捕らえたりするだけでなく、広範囲に飛ばして敵を察知したり、思念の糸を出して遠隔でコミュニケーションをとったりと万能すぎて隙がない。彼女が誘拐される話もあるのだけど、そのときはたまたま(?)体調が悪かったという言い訳がましいシチュエーションになっている。

精神的にもタフで、13歳の女の子(!)という設定なのに孤軍奮闘しているどころか、幼馴染の天然美少年ゼクセンをフォローもしている。なりすましている領主の子息本人とは時々感覚を共有したり意志を疎通したりして交流しているんだけど(どんだけ距離あるんだ)、精神的には病弱な彼のことを支えて応援している。

ただ、自分が嘘にまみれた存在であることを自覚しており、せっかく仲良くなった王女その他の人々に嘘をついていることを非常に後ろめたく思っている。このままだと二年後ぐらいに領主の子息が病死してしまうのでそうなったら自分はこの場からいなくならなければならないことも覚悟している。こういう健気なところは好き。

彼女の大きな目的は、数年前に魔族にさらわれた天族の少女ノイリの行方を捜すこと。天族とは天使のような羽根が生えた外見をしている種族で、不思議な癒しの力を持っている。ルゼにとって彼女はかけがえのない友達であり、また領主の余命2年の子息を回復させることができるかもしれない存在でもあった。魔族を手引きした人間がいるのではないかとの疑いがあり、物語は国を揺るがす事態に発展していく。

主要登場人物として、育ちゆえか俺様気質が抜けないけど憎めない王子、結婚したくないため顔の傷をわざと治療しない陰キャの王女とそのちょっとかわいそうな婚約者、かわいいのになにかとほっとかれがちな天然美少年、魔族の血がまじっている女医や不敵な商人、などなど色々出てくるのだけど、自分はあんまり惹かれなかった。物語の進行が優先なのかキャラを掘り下げるようなエピソードが希薄だったように思う。原作には書いてあるんだろうか。

とにかく気の強いヒロインが大活躍する話が楽しめそうなら読んでみるといいと思う。
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