ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました コミカライズ版 13巻まで
漫画: リスノ, 原作: 富士とまと(ツギクル), キャラクター原案: 村上ゆいち (双葉社 モンスターコミックス)
まあまあ(10点)
2026年6月13日
学生結婚してから主婦として家庭のために尽くしてきた女性が十年目に離婚を切り出され、衝動的に家を飛び出したらいつのまにかファンタジー風の異世界に迷い込んでいた。その世界で再び家庭に入るのが嫌だった彼女は、冒険者として自立できるようダンジョンで子供たちとともに見習い冒険者として働く。ファンタジー小説が原作のコミカライズ版。
前に題が気になり少し読んでおもしろかった覚えがあったんだけど、気が付いたら十巻以上出ていたのでこれはきっと人気があって続いてきたに違いないと思い、また最初から読んでみた。まあまあおもしろかったけど微妙ではあった。
彼女の境遇が悲惨すぎる。おまえはなにもできないと夫にバカにされながら十年も主婦をやってきただけでなく、夫の不倫相手の子供たちまで育てさせられ、あげく離婚を切り出されたという設定だった。これはありえないと思う。男女が逆だったらちょっと前に流行った「托卵」なんだけど、夫の不倫相手の女が自分の産んだ子供たちを手元におかずに他人の女に預けて育てさせるなんて意味不明すぎる。子供が要らないんだったらそもそも産まないだろうし。あ、なんか産んじゃう女もいるか…。
ヒロインのユーリは夫のせいでひどく自己肯定感の低い女なので、異世界に迷い込んでから夫に大して評価されてこなかった主婦としてのスキル、特に料理の能力をみんなからとても高く買われてうれしくなり、自尊心を回復させながらみんなのためにおいしいものを作りまくる。設定は不自然だけどヒロインの喜びが伝わってくるようで楽しかった。
異世界に迷い込んだユーリを導いたのはS級冒険者の若者ローファスだった。こいつは自分が稼いだ金で孤児を集めて冒険者として自立できるよう訓練させていた。そんな子供たちの中に放り込まれる三十過ぎの女ユーリなんだけど、この世界のことをよく知らないので素直に子供たちに教えを乞うことにする。
彼らがやっていたのは洞窟に生息しているスライムを倒してドロップアイテムのポーションを集めることだった。この世界のスライムはいわゆるドラゴンクエスト型のゲル状のかわいいやつなんだけど、動きは素早いらしくてゴキブリ並みに逃げ回るらしい。履き物を手にもってバシバシ叩くのがウケた。
このスライムが落とすポーションには当たりとハズレがあって、当たりはポーションと呼ばれるとおり体力回復などの薬としていい効果があるんだけど、ハズレにはそういうのが無いのでそれまではみんな捨てていた。ところが、ニオイをかいだユーリはそれが何かに似ていることに気づく。題のとおりそれは醤油だった。
ハズレポーションには他にもいろいろあって、醤油だけでなくいろんな調味料が手に入っていく。ユーリの作る料理のあまりのおいしさに感動する子供たち。たまにやってくる青年ローファスもすっかり魅了される。しかもハズレポーション自体には何の効果もないのに、料理にはいろいろプラスの効果があることに気づく。
ユーリは日本人つまり東洋人全般に当てはまるように若く見えるので、青年ローファスや年上の子供からも恋愛対象に思われる。でもさすがに本人の意識がまだ固いためか、すぐには恋愛に発展しなさそうだった。
物語はさまざまな展開を見せる。近隣でモンスターたちのスタンピードつまり集団暴走の収拾に協力したり、調理道具が欲しくなり街で鍛冶屋を訪ねたり、ヤバい合成獣だと思ったらニワトリそっくりなのでなんとか食材として利用できないか考えたりと、料理に絡めて話がどんどん繰り広げられていく。
8巻あたりでたまたま一緒に行動していた貴族令嬢に巻き込まれて子供たちともども隣国に誘拐されてしまうんだけど、ここからの話がどうもいまいちで素直に楽しめなかった。その貴族令嬢がおいしいものを食べると気絶してしまうという安易な設定だったり、雑な牢屋に入れられて監視されながら自給自足する状況だったり、犯人が王様なのにやることがやたらしょうもなかったり、そのくせ国を挙げて大きな問題に真剣に取り組んでいたりと、描かれている内容がちぐはぐすぎた。
11巻あたりから急に別の少年の物語が始まる。最終的にこいつはユーリたちと合流するんだけど、それまでは全然別の話を見させられて意味不明だった。こいつのことはしっかり描写されていたにも関わらずそこまで愛着が持てなかった。
やっぱりそもそもスライムが醤油入り瓶を落とすということからもわかるとおりいろいろと設定が雑なので、あまり腰をすえて読むような作品じゃないと思う。青年ローファスを始めとして大人たちがみんな単純な食いしん坊キャラってのも浅かった。気楽に読む分にはいいんだけど。
絵は読みやすかったけど、キャラはともかく背景がヒドかった。全然奥行きがなくて構図がいつも近かったせいで、この世界がどうなっているのかあまりよく把握できなかった。たまに出てくる遠景も雑だった。ヒロインのユーリは黒髪ロングのかわいい女で、表情豊かでよかったとは思うけど、特に絵にひかれることはなかった。
といろいろ文句も言ってきたけど、コンパクトで読みやすくて手軽に異世界ファンタジーの一風変わった料理ものを楽しめるという点では悪くなかったので、興味を引かれたら読んでみるといいと思う。
前に題が気になり少し読んでおもしろかった覚えがあったんだけど、気が付いたら十巻以上出ていたのでこれはきっと人気があって続いてきたに違いないと思い、また最初から読んでみた。まあまあおもしろかったけど微妙ではあった。
彼女の境遇が悲惨すぎる。おまえはなにもできないと夫にバカにされながら十年も主婦をやってきただけでなく、夫の不倫相手の子供たちまで育てさせられ、あげく離婚を切り出されたという設定だった。これはありえないと思う。男女が逆だったらちょっと前に流行った「托卵」なんだけど、夫の不倫相手の女が自分の産んだ子供たちを手元におかずに他人の女に預けて育てさせるなんて意味不明すぎる。子供が要らないんだったらそもそも産まないだろうし。あ、なんか産んじゃう女もいるか…。
ヒロインのユーリは夫のせいでひどく自己肯定感の低い女なので、異世界に迷い込んでから夫に大して評価されてこなかった主婦としてのスキル、特に料理の能力をみんなからとても高く買われてうれしくなり、自尊心を回復させながらみんなのためにおいしいものを作りまくる。設定は不自然だけどヒロインの喜びが伝わってくるようで楽しかった。
異世界に迷い込んだユーリを導いたのはS級冒険者の若者ローファスだった。こいつは自分が稼いだ金で孤児を集めて冒険者として自立できるよう訓練させていた。そんな子供たちの中に放り込まれる三十過ぎの女ユーリなんだけど、この世界のことをよく知らないので素直に子供たちに教えを乞うことにする。
彼らがやっていたのは洞窟に生息しているスライムを倒してドロップアイテムのポーションを集めることだった。この世界のスライムはいわゆるドラゴンクエスト型のゲル状のかわいいやつなんだけど、動きは素早いらしくてゴキブリ並みに逃げ回るらしい。履き物を手にもってバシバシ叩くのがウケた。
このスライムが落とすポーションには当たりとハズレがあって、当たりはポーションと呼ばれるとおり体力回復などの薬としていい効果があるんだけど、ハズレにはそういうのが無いのでそれまではみんな捨てていた。ところが、ニオイをかいだユーリはそれが何かに似ていることに気づく。題のとおりそれは醤油だった。
ハズレポーションには他にもいろいろあって、醤油だけでなくいろんな調味料が手に入っていく。ユーリの作る料理のあまりのおいしさに感動する子供たち。たまにやってくる青年ローファスもすっかり魅了される。しかもハズレポーション自体には何の効果もないのに、料理にはいろいろプラスの効果があることに気づく。
ユーリは日本人つまり東洋人全般に当てはまるように若く見えるので、青年ローファスや年上の子供からも恋愛対象に思われる。でもさすがに本人の意識がまだ固いためか、すぐには恋愛に発展しなさそうだった。
物語はさまざまな展開を見せる。近隣でモンスターたちのスタンピードつまり集団暴走の収拾に協力したり、調理道具が欲しくなり街で鍛冶屋を訪ねたり、ヤバい合成獣だと思ったらニワトリそっくりなのでなんとか食材として利用できないか考えたりと、料理に絡めて話がどんどん繰り広げられていく。
8巻あたりでたまたま一緒に行動していた貴族令嬢に巻き込まれて子供たちともども隣国に誘拐されてしまうんだけど、ここからの話がどうもいまいちで素直に楽しめなかった。その貴族令嬢がおいしいものを食べると気絶してしまうという安易な設定だったり、雑な牢屋に入れられて監視されながら自給自足する状況だったり、犯人が王様なのにやることがやたらしょうもなかったり、そのくせ国を挙げて大きな問題に真剣に取り組んでいたりと、描かれている内容がちぐはぐすぎた。
11巻あたりから急に別の少年の物語が始まる。最終的にこいつはユーリたちと合流するんだけど、それまでは全然別の話を見させられて意味不明だった。こいつのことはしっかり描写されていたにも関わらずそこまで愛着が持てなかった。
やっぱりそもそもスライムが醤油入り瓶を落とすということからもわかるとおりいろいろと設定が雑なので、あまり腰をすえて読むような作品じゃないと思う。青年ローファスを始めとして大人たちがみんな単純な食いしん坊キャラってのも浅かった。気楽に読む分にはいいんだけど。
絵は読みやすかったけど、キャラはともかく背景がヒドかった。全然奥行きがなくて構図がいつも近かったせいで、この世界がどうなっているのかあまりよく把握できなかった。たまに出てくる遠景も雑だった。ヒロインのユーリは黒髪ロングのかわいい女で、表情豊かでよかったとは思うけど、特に絵にひかれることはなかった。
といろいろ文句も言ってきたけど、コンパクトで読みやすくて手軽に異世界ファンタジーの一風変わった料理ものを楽しめるという点では悪くなかったので、興味を引かれたら読んでみるといいと思う。
[参考]
https://gaugau.futabanet.jp/list/work/5dce92a87765614c0a010000