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田んぼで拾った女騎士、田舎で俺の嫁だと思われている コミカライズ版 3巻まで

漫画: 音羽さおり, 原作: 錬金王, キャラクター原案: 柴乃櫂人 (講談社 少年マガジンコミックス)

まあまあ(10点)
2026年8月29日
ひっちぃ

小さな田舎町で専業農家をやっている若い独身男性が、あるとき自分の田んぼの中で若い金髪女性が鎧姿で倒れているのを発見する。違う世界からやってきた彼女に寄る辺がないことから、自分のところで農家の手伝いをさせることにする。少年マンガ。

前に読んだ裂田・秋乃かかし「俺んちに来た女騎士と田舎暮らしすることになった件」と似たような題の作品があるなあとは前々から思っていて、表紙の女騎士がちょっと違うタイプのヒロインのようだったので気になって読んでみた。まあ確かにちょっと違ってはいたけど大体似たようなものだったw

前に読んだ方は、現代日本に本当に異世界人がやってきたら日本政府はどういった対応を取るのか?といったことまで綿密にシミュレートしていて、入念に検疫するとか魔法の研究に協力させるだとかがリアルだった。一方で、女騎士がまるで女児のようなキャラになったりと、世界観自体がどこか甘えた感じがしていてそこまで好きになれなかった。

それと比べるとこっちはよりカジュアルで、いくら若い女だろうと田んぼで倒れている不審人物にここまで無警戒に接するものだろうかと少し気になってしまったけど、一通り彼女の側の不安な気持ちを描いたあとはすぐに日常展開になったので読みやすかった。やっぱり女騎士がちょっと精神的に幼い感じがしたのは同じだったけど。

でその女騎士セラフィムを引きとった独身男性の三田仁はこのことを周りの人に言わなかったので、近所の人たちからは題のとおり急に金髪女性が嫁に来たと思われているという笑いどころになる。この題はなにげにセンスがいいと思う。

あとは農業の話だったり、食文化の話だったり、近所に住む駄菓子屋を経営している兄妹から日本の駄菓子のことを教わったり、近所のショッピングモールやスーパーで買い物したりと、話が広がっていく。初めて触れるものに無邪気に感動する彼女の姿が描かれていく。

自分がいいなと思ったのは、なまった体を鍛えなおすためというかダイエットのために、村人の目につかないよう山奥で剣の素振りをした彼女が、汗をかいたら服が透けて下着が見えてしまったというシーンで、ラッキースケベをなじるのではなく見苦しいものを見せてしまったと謝罪するところ。これがたぶん普通の感覚だと思う。日本のティーン向け作品が異常なだけで。そういうのって若い男の視点で描かれているからなんだろうなあ。

で3巻まで読んでみてほぼまったくおもしろくないことに気づいた。女騎士がまっすぐでかわいい女の子なのは楽しめたけど、ほぼそれだけだった。

まず男のほうにまったく下心がない。それが悪いってわけじゃないんだけど、じゃあどうしたいんだって話になる。いつのまにか彼女のいない生活が考えられないぐらいになじんできたことをしみじみと感じる描写がやっとあったんだけど、なんか不自然だったし恋というわけでもなさそうだった。愛でもなさそうだし。こいつまだ若いのに。

女のほうも彼が育てる野菜やおいしい料理に感動する日々なのだけど、元の世界のことはすっかり忘れてしまうし、この世界で生きていく道を探しているようにも見えなかった。こういうのって、なにかしたい気持ちがあってそこへ向かって進んでいくからおもしろいんだと思うんだけどなあ。彼女のほうはほのかに恋心を抱いているみたいなんだけど、ちょっと感じているだけでまだ行動に移す段階でもないみたいだった。

すれ違いみたいなものもなかった。ただ子供のように扱われるだけ。事件もなかった。まあそれはこの作品がドラマやサスペンスではなくてスローライフを扱っているからなんだろうし、その点で言えば心地よい作品と言える。

どうやら彼女はこの世界でも魔法を使えるみたいなんだけど、体を強化する魔法ぐらいしか使っていなかった。

近所のメスガキ三人組が絡んでくるんだけど、こいつらなにしに来てんだってぐらい何もしないキャラだった。それなのに簡単なキャラ紹介までしていて意味不明だった。

絵はもう大手コミック雑誌の品質って感じで文句なし。すっきりくっきりした線で見やすいし、キャラクターデザインも現代的で(やや古いか?)そのままアニメにできそう。女騎士セラムの普段のジャージ姿から服を買ってシンプルにジーパンとTシャツ姿の普段着が映えているところまでかわいかった。

現代に迷い込んできた若くてかわいい女の子の日常を追って楽しめそうなら読んでみるといいと思う。

[参考]
https://www.kodansha.co.jp/titles/1000044439

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