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モビルスーツ母艦

富野由悠季、サンライズなど

傑作(30点)
2005年9月25日
ひっちぃ

アニメ中心で展開される大人気宇宙戦争ロボットものガンダムシリーズに出てくる戦闘艦の一種で、モビルスーツと呼ばれるロボットを搭載するキャリア(空母)のこと。

機動戦士ガンダムSEEDの項で書いたが、本シリーズには様々に魅力的な要素が詰め込まれているが、そのうちの一つがこのモビルスーツ母艦だと思う。初代ガンダムではホワイトベースという船が出てきて、主人公の乗るロボット・ガンダムその他のロボットを搭載していて、敵が来るとロボットを発進させて応戦していた。

この兵器のモデルは言うまでもなく空母だ。あの戦闘機を数十機搭載して太洋を進む巨大な船。全世界の海軍が保有を夢見るものの、入手と運用に膨大な金が掛かり、一部の国しか持てていないアレだ。アメリカ軍のエンタープライズとかニミッツ、キティホークなどが有名だ。今の日本は空母を持っていないが、かつては沢山持っていた。真珠湾攻撃という、太洋を挟んだ敵の基地に対して決定的な一撃を加えた(可能性を持っていた)軍事史に新たな1ページを刻んだ戦闘も、空母あってこそのものだった。

ガンダムシリーズでは、主人公たちの乗ったモビルスーツ母艦が、世界各地を転戦する。戦闘でちょっと壊れても、大破さえしなければ時間を掛けてなおせる。時に新しいロボットや戦闘機などを手に入れると、それは母艦に搭載され、主人公の新たな乗機となる。新兵器はかっこいい。

母艦を運用するには膨大な人員が必要となる。現実世界の空母は乗員が数千人おり、さながら地上の基地あるいは都市と変わらぬ多様な設備を持つそうだ。アニメでは多分数百人ぐらいしか乗っていないが、砲撃手、整備士、オペレータ、艦長、操舵士、レーダー係、通信士、船医、調理師などなど沢山おり、人間模様の構築が楽になっている。軍隊だから階級がある。沢山の人が集まって一つの目的を達成しようと努力するのだから、色々あるに違いない。

ローテーションとか半舷休息とか、アラートレベルによる戦闘準備がある。ブリッジ(艦橋)、居住区、火気管制室、砲座、機関室、格納庫などなど、特徴的な場所がいくらでもある。戦闘艦だから強力な大砲も持っている。大砲はかっこいい。

「アムロ、いきます」の台詞で有名なとおり、主人公は自機に乗って自分の名前とか乗機の名前を言って発進する。戦場に出ると敵と遭遇する。敵とはなぜか会話が出来る。通信チャネルをあわせるからだろうか。敵と会話できるからこそ、敵とのドラマが生まれる。敵とはビームライフルやミサイルなどで撃ち合うが、一説によるとスターウォーズのライトセイバーをパクったと言われるビームサーベルと呼ばれる剣をまじえて戦ったりする。

ガンダムシリーズがもうそれだけで素晴らしいのは、このような仕組みが完成されているからだ。

モビルスーツじゃないけどエリア88にもこの仕組みはあった。政治性があるところも似ている。エリア88が先じゃないかと友人に言ったら、ガンダムのほうが二年早いらしい。スターウォーズはガンダムより早かったが、政治性が希薄なところ、善悪がはっきりしていて、バカチン撃ったり斬ったりするだけなので比較にならない。スタートレックなんて水戸黄門みたいなもんだし。おっと、母艦の話から逸れてしまった。

史上初の空母同士の会戦は、太平洋戦争中に起きた珊瑚海会戦で、日米が衝突した。ガンダムシリーズはアメリカにもファンを多数持つ。彼らは六十年以上も前のことをどれだけ知っているのだろうか。

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