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平和条約交渉は茶番劇だったのか

袴田茂樹 (産経新聞 正論)

まあまあ(10点)
2002年4月6日
ひっちぃ

要するに、北方領土の二島(先行)返還論である。鈴木宗男が言い出して叩かれたとされる「妥協」と同じことを、袴田茂樹という青山学院大学の国際政治経済学部長が、産経新聞の正論という比較的国粋的な場所で主張している。

そもそもなぜ鈴木宗男が二島返還論で叩かれたのかというと、ロシアから二島だけ返してもらって平和条約を結んでしまうと、残りの二島が帰ってこないままになってしまう可能性が高いからである。私のあいまいな記憶によると、日本とロシア(ソビエト?)はいまだに第二次世界大戦のまま交戦状態にあったような気がする。ロシアは経済的に苦境に陥っているので、日本との何らかの経済協力を円滑に進めるためには平和条約を早く結んだ方がよいのだろう。日本も極東でロシア領内の資源共同開発をしてエネルギー確保を確実なものにしたい。

1956年にソビエトは日本に、二島つまり国後と択捉は平和条約締結後に必ず返還すると約束している。しかしロシア国内では、911 事件以来アメリカに妥協しつづけたことから、これ以上の外交的妥協は難しいのだというのだ。つまり、二島どころか返還自体が不可能なのではないかとみられている。

それで日本はどうすればいいのか。日本からすれば、返還を求めずに平和条約を締結するという選択肢はどうやら考えられないらしい。返還なしだと明らかに日本が不利になるからだろう。だから、四島か二島かということになる。

袴田茂樹は、ロシアのイワノフ外相が、日本に対してではなくロシア国内に向けて、二島返還は昔約束が取り交わされたものだということを説得している、だから日本も二島返還で妥協すべきだ、と要はこう言いたいのであろう。

二島返還が、日露両国の妥協の中間点になるのか、日本の敗北になるのか勝利になるのか、私にはよく分からない。それを判断するには、様々な要素を考慮しなければならず、外交の専門家でも難しい問題だと思う。ただ、イワノフ外相がロシア国内に向けて説得しているという理由で、日本は妥協すべきだとする論調には首を傾げざるを得ない。

それこそ、いままでの平和条約交渉を茶番劇にしてしまうのではないだろうか。1956年の両国間の取り決めこそが日本の勝ち得た外交得点であり、そして現在のロシアの経済的苦境こそが日本の優位点なのだから、資本という名の武力をもってしてでも四島返還を狙うべきではないだろうか。

まあでも日本の現在の外交力からすれば、イワノフ外相に同調して手堅くまとめるのが一番なのかもしれないが。

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