大ヒットした少女漫画・矢沢あい「NANA」に出てくるアメリカ風の食堂のモデルになった店が実際に調布市役所の通り向かいの地下にある。

市役所に用事があった帰りに見つけたので入ってみた。以前この店を探したときは見つけられなかったのだが、ちょっと見回しただけでは見つからない地下にあることが今回分かった。

昼の時間をわざとずらして一時前に店に入った。平日だからそんなに人はいないだろうと思って店内を覗き込むと、人がぎっしりいてびっくりした。あまりに首を伸ばして覗き込んでいたため、近くにいた店員さんが「席ありますよ」と声を掛けてきたのでそのまま入った。

少女漫画の聖地の一つ（おおげさな）だからどんな腐女子どもがいるのかと思ったら、どちらかというとギャル系が多かった。店内はほとんど若い女と、連れの男が少し、それに市役所職員っぽい若いスーツの男が一人。

入り口のカウンターで先に注文を済ませて清算までしてから着席するという変わった形式になっている。さて何を頼もうか。もちろんここでNANAファンなら「ジャクソンバーガー」を頼むところだろう。しかしジャクソンバーガーのセットは400円と分量が少なそうだったので、普通に日替わりランチを頼んでしまった。アホだ。

この日の日替わりランチは、ホイコーローっぽいやつだった。ライスと目玉焼きとクリーム系スープと海藻系サラダがついている。これらが木をくりぬいたような奇妙な皿に盛り付けられて出てくる。底が浅いのでライスがこぼれそうになる。っていうか机におもいっきりこぼした。味はまあまあ。

量は普通の定食屋よりちょっと少ないがレディースセットみたいなものよりは多い。あとそこそこ待たされた。体感で15分ぐらい。店員はいまふうの若い男ども。客もいまふうの若い女どもだから、正直居づらい空気だった。飲み物とセットで750円だから平均的な値段か。デザートもあったらしいことがホームページに書かれているが、私は食べ終わったらすぐ退散したのでよく分からない。

カウンター席がほとんどなのだが、一つの席に二人並んで腰掛けるようになっているので、混んでいるときに一人で行くと居心地が悪いかもしれない。横に荷物でも置けばいいんだろうけど。

多分一時期NANAのファンが全国から押しかけたんだろうな。いまは落ち着いていると言っていいだろう。土日は分からないけど。普通にいい雰囲気の店だから、地方から東京に出てきた人で時間が余ってるなら行ってみてガッカリはしないと思う。

また行くときがあったら今度こそジャクソンバーガーを頼むことにしよう。そう決意した私は、オタクの聖地・秋葉原へと足を運ぶのだった。