コンピュータソフト
ロールプレイングゲーム
クロノ・クロス
SQUARE
駄作(-30点)
2008年1月3日
ファンタジー風味の世界の漁村に生きる少年セルジュが、幼馴染の少女と遊んでいた砂浜で一人だけ突如もう一つの世界に飛ばされる。一見同じに見えて微妙に異なる世界で戸惑い、謎に巻き込まれていくうちに世界を救おうとする。200万本売り上げたコンピュータRPGの続編。
漫画家・鳥山明とコンピュータRPGドラゴンクエストのシナリオライター・堀井雄二とファイナルファンタジーの坂口博信が組んで作った前作クロノ・トリガーの続編だが、本作では彼らは関わっておらず前作の実質的なメインスタッフが中心となって作られたようである。
微妙に異なる二つの平行世界という設定がいい。ある村人は片方の世界では漁師をしているが、もう片方の世界では漁師をやめて別のことをしている。もしあのときこうしていたら、という分岐点が色んな人々や出来事に存在しており、プレイヤーに訴えかけるものがある。こういうのを本当の意味での感傷的と言うのかもしれない。
蛇骨大佐とその騎士団と四天王、謎の盗賊少女キッド、ヤマネコやツクヨミなど、非常に個性的な登場人物が出てくる。凍てついた炎とは何か。蛇骨大佐やヤマネコの目的は何なのか。なぜキッドはヤマネコを仇にしているのか。広がっていく話にワクワクした。
しかし期待は残念ながらここまでだった。広いと思っていた世界が思ったより狭い。ストーリーもそこから全然広がっていかず、収拾が図られていく。一言で言えば荒唐無稽。主人公やヒロインのキッドの出生や生い立ちの秘密が馬鹿げている。星を喰う生命体ラヴォスをめぐる時代を超えた闘争という設定は、SFとして見ればなかなか面白いと思うのだが、これをベースに語られるストーリーがつまらない。後半は安易に六匹の龍から何かを集めるとかで収斂していく。
謎解きが地味に難しい。考えても考えても分からない箇所がいくつかあったので、途中から攻略サイトの世話になった。ちょっとした発想の転換で先に進める程度の仕掛けなのだが、それでもストーリー進行上絶対解かなければならないものにしては難解すぎると思う。
というか重要なイベント二つがスキップされてあっさりしたエンディングを迎えてしまうこともあるらしいのはどうだろうか。そのうちの一つ、ルッカとキッドの孤児院がらみの話は多分終盤一番盛り上げたいところだと思うのだが、こんな大きなイベントがスルーできるというのは誰が決めたのだろうか。しかもこのイベント自体が妙な感傷で空回りしているし。
平行世界が混乱する。ほとんど変わらない二つの世界なので、あの出来事はどっちで起きたのかとか、あの登場人物がこうなのはどっちだったっけ、とかよく忘れる。
登場人物が多い。自分の好きなキャラを選んでパーティが組めるし、そのときそのときの台詞が自然なので違和感がない。キャラの性能に個性があってそれぞれのキャラに存在意義がある。だが実際使うのはほんの一部なのでほとんどのキャラは放置される。もったいなくはあるが、こういうものだと割り切ったほうがいいのだろう。
戦闘システムは基本的にターン制だが、スタミナを消費して攻撃するとパワーレベルがたまり、それを使って技か魔法が使える。技・魔法はレベルごとにパレットのように設定できるようになっており、一回ごとの戦闘で一回ずつしか使えないため配置を練ることになる。MPのような消費型と違って減る心配をせず戦術を考えてストレスなく楽しめるのがいい。
ただ、攻撃に弱・中・強があって命中率が設定されており、攻撃がよくスカるところにストレスがたまりまくる。87%ぐらいの命中率が体感的に結構スカるとイラつく。多分統計をとってみるとこの命中率に近い結果になると思うのだが、マーフィーの法則が働いて思わず「ありえねー」と思ってしまう。システム的にリアリティがあるし命中率を上げる装備や魔法なんていう要素が出てきて奥行きが広がるとは思うのだが、その結果としてプレイヤーのストレスをためることになるのは損だったのではないか。せめて命中率なんていう数値を表示しなかったほうが良かったのではないか。
戦闘は結構バランスが取れており、雑魚戦ではパワーレベルを残して戦闘後にHPを回復できるよう気を配りつつ攻撃したり、ボス戦では相手の使ってくる技・魔法に対応してパレットを設定したり、強化魔法や弱体魔法をうまく組み合わせたりと頭を使う。反面、フィールドをマナの色で染めるとかいうのはあまり狙って出来るとは思えなかったのでやらなかった。マナの色とか先天属性(得意な系統)なんてものよりも個々の魔法の性能のほうが重要だし。ボス戦は運に左右されるところがあるのが気になったが、危なくなったらいったん逃げればすぐに再戦できるようになっていて考えられているのは良かった。といってもすぐに再戦が始まってしまい戻ることが出来ないことが多いのだが。
正直言うと私はエレメントをパレットに配置するのが面倒でしょうがなかったので全部コンピュータに任せて少しだけ自分で調整していた。年だなあと自分で思う。
ダンジョンはほどよい広さと仕掛けでよく出来ていたと思う。色んなフィールドがあって楽しめた。それでもあとで攻略サイトを見たら少なくないアイテムを取り逃していることに気づいたが。
グラフィックスはいまの基準からすれば初代プレイステーションなので解像度が荒くて低ポリゴンでいまいちなのだが、当時としてはかなりがんばっていたと思う。ムービーを使っていたファイナルファンタジーシリーズなどの召喚魔法なんかの魔法エフェクトと違い、しっかりポリゴンとテクスチャを使って作っているところは素直に驚かされる。
私はこのゲームがなんだかんだで一応大作としてそれなりに最低限の出来だなと思って最後までプレイしてきたのだが、最後の最後で唖然とした。このエンディングはないよなあ。なんだこの少女サラって。意味不明で開いた口がふさがらなかった。SFはやっぱり鬼門なんだなと思った。
前作クロノ・トリガーの背景設定は継承しているが、前作のファンでも本作はプレイしなくていいと思う。私はこの作品の前評判が良くないことを知っててプレイしたのだが、それでもああやっぱりそういうことかとよく分かった。もし安売りしていたら前半までやってみるのもいいかもしれないが、戦闘システムが思ったより複雑で慣れるまでが億劫だし、私は最初の方はプレイがなかなか進まなかった。色んな面でいまプレイするほどの価値のない作品だろう。
漫画家・鳥山明とコンピュータRPGドラゴンクエストのシナリオライター・堀井雄二とファイナルファンタジーの坂口博信が組んで作った前作クロノ・トリガーの続編だが、本作では彼らは関わっておらず前作の実質的なメインスタッフが中心となって作られたようである。
微妙に異なる二つの平行世界という設定がいい。ある村人は片方の世界では漁師をしているが、もう片方の世界では漁師をやめて別のことをしている。もしあのときこうしていたら、という分岐点が色んな人々や出来事に存在しており、プレイヤーに訴えかけるものがある。こういうのを本当の意味での感傷的と言うのかもしれない。
蛇骨大佐とその騎士団と四天王、謎の盗賊少女キッド、ヤマネコやツクヨミなど、非常に個性的な登場人物が出てくる。凍てついた炎とは何か。蛇骨大佐やヤマネコの目的は何なのか。なぜキッドはヤマネコを仇にしているのか。広がっていく話にワクワクした。
しかし期待は残念ながらここまでだった。広いと思っていた世界が思ったより狭い。ストーリーもそこから全然広がっていかず、収拾が図られていく。一言で言えば荒唐無稽。主人公やヒロインのキッドの出生や生い立ちの秘密が馬鹿げている。星を喰う生命体ラヴォスをめぐる時代を超えた闘争という設定は、SFとして見ればなかなか面白いと思うのだが、これをベースに語られるストーリーがつまらない。後半は安易に六匹の龍から何かを集めるとかで収斂していく。
謎解きが地味に難しい。考えても考えても分からない箇所がいくつかあったので、途中から攻略サイトの世話になった。ちょっとした発想の転換で先に進める程度の仕掛けなのだが、それでもストーリー進行上絶対解かなければならないものにしては難解すぎると思う。
というか重要なイベント二つがスキップされてあっさりしたエンディングを迎えてしまうこともあるらしいのはどうだろうか。そのうちの一つ、ルッカとキッドの孤児院がらみの話は多分終盤一番盛り上げたいところだと思うのだが、こんな大きなイベントがスルーできるというのは誰が決めたのだろうか。しかもこのイベント自体が妙な感傷で空回りしているし。
平行世界が混乱する。ほとんど変わらない二つの世界なので、あの出来事はどっちで起きたのかとか、あの登場人物がこうなのはどっちだったっけ、とかよく忘れる。
登場人物が多い。自分の好きなキャラを選んでパーティが組めるし、そのときそのときの台詞が自然なので違和感がない。キャラの性能に個性があってそれぞれのキャラに存在意義がある。だが実際使うのはほんの一部なのでほとんどのキャラは放置される。もったいなくはあるが、こういうものだと割り切ったほうがいいのだろう。
戦闘システムは基本的にターン制だが、スタミナを消費して攻撃するとパワーレベルがたまり、それを使って技か魔法が使える。技・魔法はレベルごとにパレットのように設定できるようになっており、一回ごとの戦闘で一回ずつしか使えないため配置を練ることになる。MPのような消費型と違って減る心配をせず戦術を考えてストレスなく楽しめるのがいい。
ただ、攻撃に弱・中・強があって命中率が設定されており、攻撃がよくスカるところにストレスがたまりまくる。87%ぐらいの命中率が体感的に結構スカるとイラつく。多分統計をとってみるとこの命中率に近い結果になると思うのだが、マーフィーの法則が働いて思わず「ありえねー」と思ってしまう。システム的にリアリティがあるし命中率を上げる装備や魔法なんていう要素が出てきて奥行きが広がるとは思うのだが、その結果としてプレイヤーのストレスをためることになるのは損だったのではないか。せめて命中率なんていう数値を表示しなかったほうが良かったのではないか。
戦闘は結構バランスが取れており、雑魚戦ではパワーレベルを残して戦闘後にHPを回復できるよう気を配りつつ攻撃したり、ボス戦では相手の使ってくる技・魔法に対応してパレットを設定したり、強化魔法や弱体魔法をうまく組み合わせたりと頭を使う。反面、フィールドをマナの色で染めるとかいうのはあまり狙って出来るとは思えなかったのでやらなかった。マナの色とか先天属性(得意な系統)なんてものよりも個々の魔法の性能のほうが重要だし。ボス戦は運に左右されるところがあるのが気になったが、危なくなったらいったん逃げればすぐに再戦できるようになっていて考えられているのは良かった。といってもすぐに再戦が始まってしまい戻ることが出来ないことが多いのだが。
正直言うと私はエレメントをパレットに配置するのが面倒でしょうがなかったので全部コンピュータに任せて少しだけ自分で調整していた。年だなあと自分で思う。
ダンジョンはほどよい広さと仕掛けでよく出来ていたと思う。色んなフィールドがあって楽しめた。それでもあとで攻略サイトを見たら少なくないアイテムを取り逃していることに気づいたが。
グラフィックスはいまの基準からすれば初代プレイステーションなので解像度が荒くて低ポリゴンでいまいちなのだが、当時としてはかなりがんばっていたと思う。ムービーを使っていたファイナルファンタジーシリーズなどの召喚魔法なんかの魔法エフェクトと違い、しっかりポリゴンとテクスチャを使って作っているところは素直に驚かされる。
私はこのゲームがなんだかんだで一応大作としてそれなりに最低限の出来だなと思って最後までプレイしてきたのだが、最後の最後で唖然とした。このエンディングはないよなあ。なんだこの少女サラって。意味不明で開いた口がふさがらなかった。SFはやっぱり鬼門なんだなと思った。
前作クロノ・トリガーの背景設定は継承しているが、前作のファンでも本作はプレイしなくていいと思う。私はこの作品の前評判が良くないことを知っててプレイしたのだが、それでもああやっぱりそういうことかとよく分かった。もし安売りしていたら前半までやってみるのもいいかもしれないが、戦闘システムが思ったより複雑で慣れるまでが億劫だし、私は最初の方はプレイがなかなか進まなかった。色んな面でいまプレイするほどの価値のない作品だろう。