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ピクミン

任天堂

最高(50点)
2008年2月10日
ひっちぃ

宇宙で事故に遭って謎の惑星に不時着したキャプテン・オリマーは、そこで不思議な生物ピクミンと出会う。彼らの助けを借りて敵性生物と戦い障害物を潜り抜け、バラバラになった宇宙船のパーツを回収し、故郷へ帰るのが目的のゲーム。

もうすっかりWiiに追いやられたゲームキューブのソフト。がんばってついていって食べられるというシュールな歌詞とほのぼのしたメロディの歌が流れるコマーシャルが有名だった。

ゲームのジャンルは多分リアルタイムストラテジーに属するだろう。最大百匹ものピクミンを同時に操ることが出来るからだ。このジャンルは一部のゲーム好きに人気があり、ライトゲーマーには向いていないはずなのだが、そこはさすがの任天堂、うまいことコンパクトにまとめてあって間口が広い。

まずユニット(ピクミン)が三種類に絞り込まれている。熱に耐性があり戦闘に強い赤ピクミン、爆弾を扱えて軽くて高く飛ばせる黄ピクミン、そして水の中でも行動できる青ピクミンがいる。これだけ。使い分けには工夫がいるが、あんまり煩雑にならないようになっている。

ピクミンを増やす方法も簡単。敵を倒すとペレットという錠剤型の物体を落とすので、それをえっちらおっちらピクミンに運ばせる。ペレットだけじゃなく敵の死体もピクミンの元になる。ちょっと怖い。でもこの自給自足感が面白い。ピクミンもバタバタ死ぬので補充していかないといけない。アリンコのように死にまくる。かわいそうだけど。

ピクミンに行動を指示するのは簡単だ。移動は主人公キャプテン・オリマーのあとをついてくることしかできない。細かい指示は右スティックで出来る。右スティックを倒した方向にピクミンたちが寄り固まる。寄った先にペレットがいるとペレットを運ぼうとするし、敵がいれば攻撃を仕掛ける。こういう風に説明するとすごく当たり前のような感じがするのだが、リアルタイムストラテジーというジャンルからすると画期的なことだと思う。このジャンルって一つ一つのユニットにいちいち命令を出すのが面倒なので楽チンだ。

草や岩場を削らせて栄養素のジェル(?)を取り出して吸収するとピクミンが成長する。壁を壊し、ダンボール箱を移動させ、仕掛けを作動させたりと、やることはいっぱいある。

敵が個性的でかわいい。ちゃんと行動パターンが決まっていてよく出来ている。アクションゲームとしても一級品だ。3Dグラフィックスもコミカルで和む。とか言うがこっちのかわいいピクミンをついばんだりパックンと飲み込んだりと冷静に観察するとえげつなかったりもする。モデリングはシンプルだけどアニメーションがよくできているなぁ。

主人公キャプテン・オリマーの日誌が妙に哲学的かつ家庭的で笑える。彼はデカ鼻の二頭身の宇宙服着た小人なのだが、故郷の星にはちゃんと家族や子供がいるし、この不思議な星の不思議な生き物ピクミンについて思索したりもする。

ちょっと気になるところもいくつかある。

まず時間制限があるところ。それもダラダラしないようにではなく、テキパキと行動していかないといけないぐらいに厳しめの制限だ。慣れると楽勝で制限時間の半分ぐらいでもクリアできるみたいだが、最初のプレイだと厳しいと思う。私は何回もやりなおしてやっと一周目でクリアした。いま思うとそんなにがんばらなくても良かったと思う。一周目で失敗しても、やりなおしたら次からはどんどんうまくなっていくだろうし、それがゲームの楽しみの一つでもあるだろう。

ちょっと間違うとピクミンを大量死させてしまうことがある。せつない。いや逆にすっごく楽しくもある。真面目に攻略している最中だとリセットものだけど。30秒くらい巻き戻しさせてほしい。無理か。

謎が一部難しい。まずつまずきそうなのが青ピクミンのオニヨン(巣)。マップ上の水場になにげなく転がっている。赤や黄のピクミンを連れて移動していると、どうしても水場を避けて行動するので、青ピクミンのオニヨンに気づくのが遅れて、青ピクミンが使えるようになるまで時間が掛かってしまった。あと、どうしても倒し方が分からずに攻略サイトの世話になった敵もいた。最後のボスは攻略法が分かってもキツかった。

とにかく完成度の高いゲームで、とくに最近当たり前のようになった3Dのゲームとしての出来の良さにうなる。それに、アクションゲームのように手軽でありながらシミュレーションゲームのように頭を使う楽しみがある。何度でもやり込めるかというとさすがに謎解き型のゲームなので難しいと思うが、一応ハイスコアモードみたいなものもあってやりこんでいる人もいるみたいである。ちまちました感じがイヤな人とか、爽快感を味わいたい人には勧められないが、それに当てはまらなければ是非プレイを勧めたい。

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