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P180 (v.1.1)

ANTEC

傑作(30点)
2008年4月10日
ひっちぃ

PC用の電源とケースで最近有名なANTECの、ケースでの評価を確立したモデルがこれ。主な特徴は、トリプルチャンバー構造という、マザーと電源とHDDをそれぞれ別々の仕切りの空間に入れて、十分なエアフローで効率的に冷やす造りか。

HDDを支持する部分にシリコンをはさんで振動を防いだり、樹脂を外面パネルのフチに使って密閉したり、ファンコントローラが付属していて三段階にケースファンの速度を切り替えられたりと、静音に気を使った造りが素晴らしい。

さて実際に使ってみての感想を書く。

まずあせったのが、マザーボードに挿す4ピンの電源ケーブルの長さがギリギリだった。というか普通の取り回しをするとケーブル長が足りなくて少し途方に暮れた。まあ延長ケーブル買ってくればいいだけの話なのだけど、この手のサプライ品は割高なので買いたくなかった。そこで悩んだ末、ケース内壁の違う穴からケーブルを通せばなんとか大丈夫なことに気づいて解決した。この問題は2ちゃんねるの自作板のANTEC製ケーススレにも挙がっていた。

下部HDDベイとファンの間のスペースが狭いので、HDDのケーブルの取り回しに気をつけないとファンと接触しそうになる。というか一度接触してびっくりした。

静かではあるが取り立てて静かではない。公称25dbの12cmファンが二つ付いているのだからしょうがない。普通の感覚からすれば十分静かだと思うが、静音にこだわっている人からすると満足できないと思う。理想を言えば20dbぐらいまでにはなってほしい。付属のファンコントローラでは25dbが限界だ。でも中に発熱するパーツを入れるのだし、このエアフローのおかげでCPUファンなんかの回転数を抑えられるであろうことを考えれば、トータルで見れば最も静かかもしれない。

ちなみに前述のスレでは本製品よりSoloの方が静からしい。Soloのほうが安くておまけに電源までついているからお買い得だったのかなあと思ったりもするが、Soloは店頭で見てみたら他のメーカー製と変わらない普通のケースに見えたので選ばなかった。ケースは場所を取るし捨てるのにも金が掛かるだろうからそんなにポンポンと買えないのが残念だが、そうでなかったら試しに買ってみたいところである。

各種ベイの取り付け方法が実にスマートでいいなあと思った。付属の専用レールをまずパーツにつけてからケースに差し込む。カチッと音がする固定感がいい。ただ、ベイのカバーを取るのが大変だった。というか3.5インチベイのほうのカバーはついに取り外せなかった。固すぎる。これ以上試みるとカバーに傷がつくだろうから躊躇している。とりあえず面倒になったので私は放り出した。

電源を固定する方法が独特だった。それはいいとして、どうやら奥行きのある電源をつけると中のファンと接触するのでファンを取り外さないと駄目らしい。私はそんなにごっつい電源を使っていないので問題なくつけられた。怪しいファンレス電源を使っているので、すぐ近くにある内壁ファンが心強い。

私はヨドバシカメラ西新宿店で本製品を20,800円で買った。そのときはたまたま13%ポイントがつくのに加え、ANTEC製品はさらに3%アップだったので実質安く買えた。まあネット通販の相場は18k円程度らしいのでこんなものだろう。完成度の高いPCケースだとは思うが、値段も相応なのでお買い得感に乏しい。電源もついてないし。絶対これお勧めというほどではない。

噂では欠品や少々難のある製品を安く卸している場合があるらしいので、そういうのを見つけると一万円以下で買えるらしいが、私は見たことがない。

そうそう。重要な情報を書くのを忘れていた。本製品と後継機P182との違いは色だけだという話を前述のスレで見た。本当かどうかは分からない。ただし本製品はマイナーバージョンアップを繰り返しており、v.1.1になってP182と同じになったのかもしれない。少なくとも色は違う。しかしそうなると二千円の価格差(ヨドバシカメラ西新宿店)が理解できない。ちなみに水冷用のパイプを通す穴が背面にあればv.1.1以上であることは確定する。

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