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後期高齢者医療制度

日本、自由民主党、厚生労働省

まあまあ(10点)
2008年6月4日
ひっちぃ

75歳以上の高齢者をその他の集団から分けた医療保険制度。

老人殺しの最悪な制度だという批判が最近高まっている。確かに普通に暮らしている老人にとっては負担が増え、ただでさえ物価も上がっていて収入も年金しかないのに、老後の生活はどうなるのかと思うのは無理もないと思う。

しかし客観的な数字として、75歳の老人の医療費が全体の三分の一を占めるのはおかしいと思う。2005年の日本人の平均余命は、男が78.56歳、女が85.52歳(国勢調査)だ。人口比で考えても老人の医療費は掛かりすぎである。特に男はたった3.56年分だ。

実はこれは医療機関が悪いんじゃないか。与党も野党も役人もマスコミもその事に一切触れない。医療機関が票田や圧力団体になっているからだろうか。過剰な医療で荒稼ぎしているように思えてならない。原理的には、老人に病院で治療してもらう代わりにキックバック(その分のお金の一部を回す)することも可能だ。もしそうならそのツケは国民全員が払っていることになる。

ただしもしそうだとしてもこれは医療問題の一面に過ぎないと思う。病院だってまじめに予防医療ばかりしていては潰れてしまう。制度をうまく利用するところばかり得をするのではやってられない。そのために役人がポイントをこまめに見直して少しでもよくしようとしているが、なかなかうまいこといかない。

だからこの後期高齢者医療制度というのは、うがった見方をすれば国民に医療費の問題について関心をもってもらいたいがためにわざと極端な形で立法したのではないか。…考えすぎか。でなくても、元を断ってしまえば際限なく金が使われることはなくなる。医療制度を少しでも良くしようと思った末の妥協案かもしれない。

保険というのは母集団が大きければ大きいほどいいのに分けるのはおかしい、という主張がある。なるほどそれはそうだと思う。しかし自動車保険だってあまり運転しない人を分ける動きが大勢だし、喫煙者の保険料だって高い。どっちが正しいのか。老いは平等にやってくるからみんなまとめちゃっていいのか。

とにかく、保険料を増やすならそのまえに支出を絞ることを考えないといけない。そうすると今度は、老人が検査で病院に行くのもツラくなった、という感情論が出てくる。じゃあ検査の負担を軽くして延命医療の負担を重くすればいいだけのことではないか。検査でも金の掛かるMRIをやりたがる病院が多いんだろうな。MRIじゃなきゃ見つからない病気なら天命と思ってあきらめてもらえばいい。孫の世代に数万〜数十万を平気で払わせる老人に同情できない。

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