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1(イチ)

山本英夫 (ヤングサンデーコミックス)

まあまあ(10点)
2009年1月17日
ひっちぃ

たぶん同じ作者の「殺し屋-1-イチ」の外伝的な作品なのだと思う。泣きながら人を殺すというイチこと城石一の学生時代の目覚め的なエピソードか。いじめられっこだったイチは、いじめっ子だった赤熊大を競技空手で優勢に戦えるまでになるが、グローブを外すと足がすくんで弱虫に戻るのだった。そこへ関西の骨折りこと鬼鮫という問題児が転校してきて戦いが始まる。

この作品は確か実写化もされたほどだし、同じ作者の「のぞき屋」「ホムンクルス」がとても面白かったので、いずれ読むつもりでいた。ブックオフでこの巻だけ105円で売られていて、「のぞき屋」みたいに最初の読み切りが分冊しているだけなのかと思ったので買って読んでみたら、どうやら本当に外伝的な作品だった。

もうほぼ純粋にバトルマンガって感じ。最初のページからして、不良の赤熊大が上級生の顔面に拳を入れて前歯を全部折っているアップ。喧嘩の場面は脈動感があってワクワクもするのだが、前歯は折れたら差し歯にするしかないので見ていて痛々しい。後半は骨折り男が出てきてバキバキ折るし。こういうのが嫌いな人は読まないほうがいい。

なんか読んでいてやたらホモっぽさを感じさせる作品だった。まず主人公のイチからして角刈りの泣き虫だし、不良の赤熊大との友情もただの友情じゃない感じ。

一方で関西の骨折り男に絡んだ性描写は妙にリアルでびっくりした。不良学校だとこういうのが日常茶飯事なんじゃないかと思わせるほどだった。女のほうの思考もあけすけでそんなに嫌な感じはしなかったけどなぜかちょっとガッカリもした(作品にではなく)。

最後いきなり作品を終わらせているが、物語的にはもう必要なことは語り終わったということなのだろう。ただ、イチがケンカできるようになるまで、というプロット自体にどんな意味があるのか、本編を読んでいない自分にはよく分からなかった。

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