コンピュータソフト
ロールプレイングゲーム
聖剣伝説 Legend of Mana
スクウェア
傑作(30点)
2002年6月20日
ファイナルファンタジーシリーズで有名なスクウェアのゲーム。聖剣伝説シリーズの第4弾。ジャンルは多分アクションRPG。
ファイナルファンタジーシリーズが、大きな一本道のストーリーを突き進んでいくのに対して、このゲームは細かいストーリーを積み上げていく。大きめのストーリーが三つ四つあり、それらは小さいストーリーの積み重ねで出来上がるようにもなっている。が、ゲームをただクリアするだけならば、どれか一つを攻略するだけでよい。小さなストーリーは、ある場所に踏み入ったり、ある条件を満たすことで、突然始まる。
私は結局大きなストーリー三つ全部を攻略した。一つ目は、あるじを蘇らせようと戦うドラグーンに助太刀する話。他の竜とドラグーンをすべて倒さなければならない。このゲームの特徴の一つは、悪も正義もない、ということなのだが、このストーリーはまさに悪の竜を蘇らせようとする話。最後に中途半端な感動が待っている。
修道院の四人編と呼ばれるストーリーはさらに込み入っている。同じ仲間としてかつて戦った四人のうち、一人が暴走を始め、もう一人が正義の心を出して止めようとするが、肝心の中心人物の女性はなにもしようとせず、かえって止めようとする。正義感に操られて空虚な心で行動するのではなく、自分の意志を大切にせよ、といったカオティックな思想がある。よって非常に難解だし、うやむやのまま終わる。
珠魅の話が一番分かりやすい。核と呼ばれる宝石を体の一部として持つ種族が連続で狙われていく。その裏には…。最後はわりと普通の感動話に落ち着く。自分なりの結論を出して突き進む悪役に多少共感を抱いた。
ほかに、ペンギンの海賊団とアナグマの盗賊団、ネコの商人ニキータ、旅芸人二人組、セイレーン、詩人、魔法学校、などなど魅力的な小話が一杯詰まっている。キャラクターたちがとにかくどれも魅力的。絵にクセがあり好みが分かれるが、全般的にとてもパステルでコミカル、独特の世界観を見事に構築している。しかもすべての背景に、神話と世界大戦が横たわっており、主人公たちは常にその残滓の中を泳いでいくような形で一つ一つのストーリーを通り抜けていく。
難点を言えば、ストーリーに自由度を設けすぎていて、攻略のための条件を見失うことが多かった。私は未解決のストーリーが七つぐらいできてしまったので、最後はインターネットの情報に頼った。なんだここはわざわざこう進まなくちゃいけないのか、というところが多い。CD-ROM のロード時間や戦闘のわずらわしさから、思ったようにフィールドを歩くのがうっとうしい。
ストーリーだけでなく、戦い方も非常に自由度が高い。武器や防具を材料から作れる。材料は買ったり見つけたりする。魔法を放つための楽器も作れる。自分の家で野菜を作ることができ、この野菜によってペットを強くしたり、武器防具を強化したりできる。ペットかゴーレムを同伴して冒険に行くことができる。ペットは数種類いて、それぞれ特徴があり、好きなように育てられる。ゴーレムはなんと部品から作ることができ、行動パターンをパネルで好きなように設計できる。とまあ様々な趣向が満載で、プレイヤーを飽きさせない。…いや私はうっとうしくなって途中で飽きたが、サラリーマンでなければ十分に堪能できたと思う。
ただし、ここまで戦闘に関する趣向が多いのに、戦闘自体はとても単純なのだ。二つのボタンに小技を割り当てたり、四つのボタンに必殺技や魔法が設定できるにも関わらず、戦闘システム自体が非常に単純なのであっけにとられる。前々作の聖剣伝説2 の方がアクションゲームとしてずっと優れている。これには心底がっかりした。
音楽がとても素晴らしい。タイトル画面のデモでは、美しいピアノの叙情的な調べに、スクウェア得意の映像演出が加わる。オープニングとエンディングには何語か分からない魅力的な歌詞の歌が流れるが、インターネットで調べてみたらスウェーデン語だった。これがいわゆるスウェディシュポップというやつなんだろうか。ゲーム中に流れる BGM もどれも素晴らしい。世界観や絵と非常にマッチしている。曲単体を切り取ってそれだけを聞いていたいという種類の曲は少ないが、BGM としての働きを十二分に果たしている。
そもそも私があえてこの 1998年に発売されたゲームをやろうと思った理由は、一年半前にさかのぼる。海外の歴史ゲームのファンサイトにあった歴史関係の掲示板で、韓国系アメリカ人の KoreanPrince というハンドル名の人が、たびたび日本についてあることないことを書き込んでいた。私もムキになって、自動翻訳ソフトとかを使ったりしてだらだらと反撃をしていた。あるときふと思い立って、歴史関係ではない掲示板も見に行った。すると、この KoreanPrince という人が、日本製のゲームをたっぷり思い入れ豊かに語っているではないか。その中で、彼が当時もっとも好きなゲームがこの
(聖剣伝説) Legend of Mana だった。
韓国製のゲームは、日本製のゲームと非常によく似ている。特に絵が日本っぽい。海外のゲームはどれも絵が殺伐と感じられるが、韓国製のゲームは下手をすると日本製のゲームよりもパステルでコミカルである。このゲームの CG は非常に温かく、CG がいまだに冷たいという印象しかもっていない人の目を覚まさせるだろう。私はこういう絵が大好きで、この絵の中でゲームの世界を歩き回れたことだけでも非常に満足である。
韓国のゲームを紹介したサイトを一つ挙げておく。
日本は韓ゲーしる!
http://members.tripod.co.jp/
stealthfire/
いまから、4年前に発売されたこのゲームをあえてプレイしようという人に対しては、私からはなんとも言えない。短い時間に区切ってゲームするにはぴったりなのだが、時間のない人には面倒に感じられるだろう。非常に微妙なところだ。私は結局 40時間でクリアした。価格は PS ONE シリーズなのでかなり安い。ふんわりとしたゲームがやりたい人にはいいのではないか。
ファイナルファンタジーシリーズが、大きな一本道のストーリーを突き進んでいくのに対して、このゲームは細かいストーリーを積み上げていく。大きめのストーリーが三つ四つあり、それらは小さいストーリーの積み重ねで出来上がるようにもなっている。が、ゲームをただクリアするだけならば、どれか一つを攻略するだけでよい。小さなストーリーは、ある場所に踏み入ったり、ある条件を満たすことで、突然始まる。
私は結局大きなストーリー三つ全部を攻略した。一つ目は、あるじを蘇らせようと戦うドラグーンに助太刀する話。他の竜とドラグーンをすべて倒さなければならない。このゲームの特徴の一つは、悪も正義もない、ということなのだが、このストーリーはまさに悪の竜を蘇らせようとする話。最後に中途半端な感動が待っている。
修道院の四人編と呼ばれるストーリーはさらに込み入っている。同じ仲間としてかつて戦った四人のうち、一人が暴走を始め、もう一人が正義の心を出して止めようとするが、肝心の中心人物の女性はなにもしようとせず、かえって止めようとする。正義感に操られて空虚な心で行動するのではなく、自分の意志を大切にせよ、といったカオティックな思想がある。よって非常に難解だし、うやむやのまま終わる。
珠魅の話が一番分かりやすい。核と呼ばれる宝石を体の一部として持つ種族が連続で狙われていく。その裏には…。最後はわりと普通の感動話に落ち着く。自分なりの結論を出して突き進む悪役に多少共感を抱いた。
ほかに、ペンギンの海賊団とアナグマの盗賊団、ネコの商人ニキータ、旅芸人二人組、セイレーン、詩人、魔法学校、などなど魅力的な小話が一杯詰まっている。キャラクターたちがとにかくどれも魅力的。絵にクセがあり好みが分かれるが、全般的にとてもパステルでコミカル、独特の世界観を見事に構築している。しかもすべての背景に、神話と世界大戦が横たわっており、主人公たちは常にその残滓の中を泳いでいくような形で一つ一つのストーリーを通り抜けていく。
難点を言えば、ストーリーに自由度を設けすぎていて、攻略のための条件を見失うことが多かった。私は未解決のストーリーが七つぐらいできてしまったので、最後はインターネットの情報に頼った。なんだここはわざわざこう進まなくちゃいけないのか、というところが多い。CD-ROM のロード時間や戦闘のわずらわしさから、思ったようにフィールドを歩くのがうっとうしい。
ストーリーだけでなく、戦い方も非常に自由度が高い。武器や防具を材料から作れる。材料は買ったり見つけたりする。魔法を放つための楽器も作れる。自分の家で野菜を作ることができ、この野菜によってペットを強くしたり、武器防具を強化したりできる。ペットかゴーレムを同伴して冒険に行くことができる。ペットは数種類いて、それぞれ特徴があり、好きなように育てられる。ゴーレムはなんと部品から作ることができ、行動パターンをパネルで好きなように設計できる。とまあ様々な趣向が満載で、プレイヤーを飽きさせない。…いや私はうっとうしくなって途中で飽きたが、サラリーマンでなければ十分に堪能できたと思う。
ただし、ここまで戦闘に関する趣向が多いのに、戦闘自体はとても単純なのだ。二つのボタンに小技を割り当てたり、四つのボタンに必殺技や魔法が設定できるにも関わらず、戦闘システム自体が非常に単純なのであっけにとられる。前々作の聖剣伝説2 の方がアクションゲームとしてずっと優れている。これには心底がっかりした。
音楽がとても素晴らしい。タイトル画面のデモでは、美しいピアノの叙情的な調べに、スクウェア得意の映像演出が加わる。オープニングとエンディングには何語か分からない魅力的な歌詞の歌が流れるが、インターネットで調べてみたらスウェーデン語だった。これがいわゆるスウェディシュポップというやつなんだろうか。ゲーム中に流れる BGM もどれも素晴らしい。世界観や絵と非常にマッチしている。曲単体を切り取ってそれだけを聞いていたいという種類の曲は少ないが、BGM としての働きを十二分に果たしている。
そもそも私があえてこの 1998年に発売されたゲームをやろうと思った理由は、一年半前にさかのぼる。海外の歴史ゲームのファンサイトにあった歴史関係の掲示板で、韓国系アメリカ人の KoreanPrince というハンドル名の人が、たびたび日本についてあることないことを書き込んでいた。私もムキになって、自動翻訳ソフトとかを使ったりしてだらだらと反撃をしていた。あるときふと思い立って、歴史関係ではない掲示板も見に行った。すると、この KoreanPrince という人が、日本製のゲームをたっぷり思い入れ豊かに語っているではないか。その中で、彼が当時もっとも好きなゲームがこの
(聖剣伝説) Legend of Mana だった。
韓国製のゲームは、日本製のゲームと非常によく似ている。特に絵が日本っぽい。海外のゲームはどれも絵が殺伐と感じられるが、韓国製のゲームは下手をすると日本製のゲームよりもパステルでコミカルである。このゲームの CG は非常に温かく、CG がいまだに冷たいという印象しかもっていない人の目を覚まさせるだろう。私はこういう絵が大好きで、この絵の中でゲームの世界を歩き回れたことだけでも非常に満足である。
韓国のゲームを紹介したサイトを一つ挙げておく。
日本は韓ゲーしる!
http://members.tripod.co.jp/
stealthfire/
いまから、4年前に発売されたこのゲームをあえてプレイしようという人に対しては、私からはなんとも言えない。短い時間に区切ってゲームするにはぴったりなのだが、時間のない人には面倒に感じられるだろう。非常に微妙なところだ。私は結局 40時間でクリアした。価格は PS ONE シリーズなのでかなり安い。ふんわりとしたゲームがやりたい人にはいいのではないか。
[参考]
http://www.playonline.com/
archives/psgame/mana/
frame.html
(最終更新日: 2019年6月1日 by ひっちぃ)