私が見たことがあるのは、日本のインスタントラーメンよりも小さめの袋に入ったやつで、袋にはタイの言葉しか書かれていないので絶対に輸入品だろう。簡単な作り方が日本語で書かれたシールが張られている。とても辛い。

いくつか種類がある。まず麺は、普通の麺と、米で作ったいわゆるビーフン、それから春雨。スープは、トムヤムクン系のものでバリエーションがいくつかある他に、胡椒系のスープもあり、どれもイケる。ただしどれもとても辛い。また、スープではなく焼きそばならぬゆでそばタイプのものもあり、こちらはバジルっぽい緑のペースト状のソースをまぜて食べる。多分これが一番辛い。

これらを食べてからすぐに昼寝をすると確実に腹を壊す。非常に恐ろしい食べ物である。油断しているとたちまちやられる。しかも肛門まで辛さにあえぐことになる。

私は相当の辛党なので、辛い辛いと言いながら食べるが、普通の人にはツラいだろう。でも、辛いものが苦手な人でも、これだけはおいしいからイケるという人もいる。

私が最初にこのタイのインスタントラーメンに出会ったのは、パルコの地下の食品売り場だった。輸入食品が並べられているところである。しかしいまでは、韓国のとうがらし系のラーメンは置いてあるところが多いが、タイのインスタントラーメンはきれいさっぱり消えてしまった。絶対に一部に根強い需要があるはずなのに、売れないから売らなくなったのだろう。あるいは、腹を壊した客がクレームをつけたのだろうか。

それで長らくご無沙汰していたのだが、ついに食べたくて食べたくて仕方がなくなったので、昨日の会社帰りに新宿をさまよって、売っている場所を見つけることができた。場所は、lumine 1 の地下にあるタイ国惣菜屋台料理ゲウチャイの店頭である。パルコ地下では一個 100円だったが、ここでは 80円で売っている。しかも見たことのない種類のものが結構あった。買い物かごがなかったので手当たりしだいつかんでレジに持っていった。

会社の友人の地元でも 80円で売られていたらしいので、買ってきてあげようかと言ってくれていたのだが、かさばるし度々お願いするわけにもいかないので遠慮していた。100円でも持ち運ぶ手間を考えれば地元の方がいい。新宿から満員電車に揺られて 12個のラーメンの入ったビニール袋を持ち運ぶのはそれなりだから、できることなら地元で入手したいのだが、新宿からだからまあ上々だろう。

買った店をインターネットで調べてみたら、タイ関連の情報がつまったページを発見した。こういうページでちゃんと調べておけば、デパ地下をさまようこともなかったと思うと、自分の段取りの悪さを感じる。うーん、吉祥寺にはタイ料理店が四つもあるのか。一つは目立つ場所にあるので知っていたのだが。残念ながら私の地元調布には無いようであった。会社の近くに、かろうじて昼食で足を運べる店を見つけたので、一度行ってみたくなった。