第二次世界大戦が終わってから自決(自殺)した元日本軍兵士たちの物語を、遺書を引用したりして語っている話。

最初に「終戦記念日というのは便宜上使うが正確な言葉ではない」と言って、終戦後も特攻した人のことを紹介するまではいい。しかし、戦争は終わっていないという論理ならば、なぜその「戦争中」に自殺した人を美化するのだろうか。これは「敵前逃亡」ではないのか。

もちろん常識にのっとって言えば、彼らには家庭や肉親があったのであり、自殺を選ぶのは無責任だ。私から見れば、戦争という物語にのめりこみすぎて、自己の中で完結させるには自ら死を選ばなければならなかっただけだ。彼らは、自分たちの物語に結末をつけるために死んだのであり、周りの人間が美化するものではないはずだ。

戦争に参加しなければならなかった彼らにそのような自滅への物語が生まれてしまったことや、そんな彼らの人生に対し、感傷や同情はあるが、それはおそらく文学とかそのたぐいの話だろう。国際問題とは一切関係がないし、我々が彼らに何かを感じなければならない義理はない。