マンガ
鬼灯さん家のアネキ 2巻まで
五十嵐藍 (角川コミックス・エース・エクストラ)
いまいち(-10点)
2012年6月24日
男子高校生の主人公の男の子が、血のつながっていない姉にあれこれ虐げられたり誘惑されたりする日常を描いたギャグマンガ。たまにシリアスあり。
全然関係ないアニメのコマーシャルでこの作品の宣伝をしていたのを見て興味を引かれたので手にとってみた。
美人でかわいい姉貴が主人公にひどいイタズラをして遊んだり、肌や下着を見せて誘惑してドキマギしているところを見て楽しんだりするという、ただそれだけの展開が続くので二十数ページ目にして本を閉じたくなった。でももったいないので我慢して一冊読んでみたら、この姉貴も弟の方が気になっているという描写が出始める。弟がクラスの女の子と仲良くしているところを嫉妬まじりに眺めたり、からかっているのも自分のほうに気を向かせようとしているためだという感じになったりしていく。
弟が主人公なのだけど弟の友人は出てこなくて、姉貴のほうの友人たちが弟と絡んでいくようになっていく。バレー部のキャプテンでまるで男のような外見をした女の子が出てきて、弟が彼女を姉貴の彼だと勘違いし、姉貴が彼女と仲良くしているところを悶絶しながら睨んだり対抗心を燃やしたりする。姉貴はその勘違いを分かった上で彼女といちゃついて見せつけて楽しむ。でも彼女は彼女でシャイなので男っぽく見られるのが嫌なのでなんとかしようと悩む。また、弟に対して変態的な愛情を見せるいわゆるヤンデレ少女が出てきて飛ばしまくる。
主人公の男の子と姉貴との関係についてなのだけど、はっきりしたことは2巻までに書かれていないけれど、どうやら再婚みたいな感じ。で、男の子には実の姉もいるのだけれど、両親が離婚したのか離れ離れになっていて、たまにしか姿を見せない。面白いことにこの実の姉と義理の姉の仲が悪い。主人公の男の子は実の姉のことを「お姉ちゃん」と呼び、義理の姉のことを「姉貴」と呼んでいる。実の姉のほうが年が上で背も高くて、義理の姉は背が小さい。実の姉は義理の姉のことを「ビッチ(あばずれ)」と呼んでいる。
2巻の最後のほうに姉貴視点で主人公の男の子との出会いのエピソードが描かれている。それはいまの姉貴と男の子との関係がなぜそうなったのかの説明になっている。
この作品を読んでいて気になる点が三つある。
まず、どういう理由や流れがあるにせよ、あわれな主人公の男の子がひそかに(というかバレバレなんだけど)想いを寄せる姉貴への恋心を、その姉貴自身の手によって弄ばれるということ。笑い飛ばすのが正しい楽しみ方なのだろうけれど、ちょっとこれはあんまり笑えないなあ。姉貴のいたずらも結構ヒドいし。主人公の男の子はじっと耐える。
それからシリアスな展開もあるのだけど、いまいちしっくりこない。一番ヘンだと思ったのは、実の姉に対して姉貴が妙にへりくだっているところ。実の姉は姉貴のことを「ビッチ」と言うのだけど自分の方はそれ以上にあばずれている。なんかこのあたりどちらの姉もキャラが定まっていない感じ。私なんかは最初に実の姉の「ビッチ」発言があったとき、実の姉は女くさい姉貴に自分の弟が取られることを心配するまじめで力強い姉なんだと思った。で、しばらくは争いが続き、次第に理解しあう関係になるような展開を予想していた。姉貴のほうも主人公の男の子と血のつながっている実の姉に対して引け目を感じながらも反発する、みたいな。しかしそんなありきたり(?)な展開ではないようだった。じゃあどうなってるんだというところで、そのへんがいまいち納得できずにイライラする。
ギャグはたぶん十分な打率を持っていると思うし、新鮮な感じのギャグもあってそれなりに楽しめたのだけど、それ以外はありきたりというかワンパターンなギャグが多くてあんまり面白くなかった。基本的にキャラものなので、キャラクターの魅力にギャグをまぶしているバランスだからこんなものなのだろうか。
絵は良かった。作品の命である姉貴の絵がかわいい。小悪魔キャラの姉貴のセクシーなかわいさが魅力的だった。表情豊かでいきいきしている。
シリアスな展開にもうちょっと筋が通っていて着実に進んでいたら、気になって読み進めていたかもしれないけれど、もういいやという気になったので読むのをやめた。主人公の男の子のクラスメイトの女の子とも少しだけでいいから進んでくれていたら、先の展開に期待していたかもしれないのになあ。主人公の男の子の描写が単純で面白くないのも期待が持てない理由の一つで、なにかこうもっと現状をどうにかしたいという意志を見たかった。
全然関係ないアニメのコマーシャルでこの作品の宣伝をしていたのを見て興味を引かれたので手にとってみた。
美人でかわいい姉貴が主人公にひどいイタズラをして遊んだり、肌や下着を見せて誘惑してドキマギしているところを見て楽しんだりするという、ただそれだけの展開が続くので二十数ページ目にして本を閉じたくなった。でももったいないので我慢して一冊読んでみたら、この姉貴も弟の方が気になっているという描写が出始める。弟がクラスの女の子と仲良くしているところを嫉妬まじりに眺めたり、からかっているのも自分のほうに気を向かせようとしているためだという感じになったりしていく。
弟が主人公なのだけど弟の友人は出てこなくて、姉貴のほうの友人たちが弟と絡んでいくようになっていく。バレー部のキャプテンでまるで男のような外見をした女の子が出てきて、弟が彼女を姉貴の彼だと勘違いし、姉貴が彼女と仲良くしているところを悶絶しながら睨んだり対抗心を燃やしたりする。姉貴はその勘違いを分かった上で彼女といちゃついて見せつけて楽しむ。でも彼女は彼女でシャイなので男っぽく見られるのが嫌なのでなんとかしようと悩む。また、弟に対して変態的な愛情を見せるいわゆるヤンデレ少女が出てきて飛ばしまくる。
主人公の男の子と姉貴との関係についてなのだけど、はっきりしたことは2巻までに書かれていないけれど、どうやら再婚みたいな感じ。で、男の子には実の姉もいるのだけれど、両親が離婚したのか離れ離れになっていて、たまにしか姿を見せない。面白いことにこの実の姉と義理の姉の仲が悪い。主人公の男の子は実の姉のことを「お姉ちゃん」と呼び、義理の姉のことを「姉貴」と呼んでいる。実の姉のほうが年が上で背も高くて、義理の姉は背が小さい。実の姉は義理の姉のことを「ビッチ(あばずれ)」と呼んでいる。
2巻の最後のほうに姉貴視点で主人公の男の子との出会いのエピソードが描かれている。それはいまの姉貴と男の子との関係がなぜそうなったのかの説明になっている。
この作品を読んでいて気になる点が三つある。
まず、どういう理由や流れがあるにせよ、あわれな主人公の男の子がひそかに(というかバレバレなんだけど)想いを寄せる姉貴への恋心を、その姉貴自身の手によって弄ばれるということ。笑い飛ばすのが正しい楽しみ方なのだろうけれど、ちょっとこれはあんまり笑えないなあ。姉貴のいたずらも結構ヒドいし。主人公の男の子はじっと耐える。
それからシリアスな展開もあるのだけど、いまいちしっくりこない。一番ヘンだと思ったのは、実の姉に対して姉貴が妙にへりくだっているところ。実の姉は姉貴のことを「ビッチ」と言うのだけど自分の方はそれ以上にあばずれている。なんかこのあたりどちらの姉もキャラが定まっていない感じ。私なんかは最初に実の姉の「ビッチ」発言があったとき、実の姉は女くさい姉貴に自分の弟が取られることを心配するまじめで力強い姉なんだと思った。で、しばらくは争いが続き、次第に理解しあう関係になるような展開を予想していた。姉貴のほうも主人公の男の子と血のつながっている実の姉に対して引け目を感じながらも反発する、みたいな。しかしそんなありきたり(?)な展開ではないようだった。じゃあどうなってるんだというところで、そのへんがいまいち納得できずにイライラする。
ギャグはたぶん十分な打率を持っていると思うし、新鮮な感じのギャグもあってそれなりに楽しめたのだけど、それ以外はありきたりというかワンパターンなギャグが多くてあんまり面白くなかった。基本的にキャラものなので、キャラクターの魅力にギャグをまぶしているバランスだからこんなものなのだろうか。
絵は良かった。作品の命である姉貴の絵がかわいい。小悪魔キャラの姉貴のセクシーなかわいさが魅力的だった。表情豊かでいきいきしている。
シリアスな展開にもうちょっと筋が通っていて着実に進んでいたら、気になって読み進めていたかもしれないけれど、もういいやという気になったので読むのをやめた。主人公の男の子のクラスメイトの女の子とも少しだけでいいから進んでくれていたら、先の展開に期待していたかもしれないのになあ。主人公の男の子の描写が単純で面白くないのも期待が持てない理由の一つで、なにかこうもっと現状をどうにかしたいという意志を見たかった。