コンピュータソフト
ロールプレイングゲーム
メタルマックス3
KADOKAWA GAMES, エンターブレイン
いまいち(-10点)
2012年11月18日
怪しげな博士に蘇生されて目覚めた主人公は、記憶喪失になっていて自分が何者なのか分からなかった。やたら屈強な体を持っていた主人公は、ギャングがはびこる荒廃した未来世界で、自分が何者なのか探し求めてさまよい歩く。サイバーパンクRPGシリーズ第三弾。
1作目と2作目を遊んで面白かったので3作目を楽しみにしていたら、開発元がなくなってしまったという話を聞いた。もう十数年前の話だったと思う。それがどうやら開発チームが再集結したとのことで、シリーズの外伝的な作品として「メタルサーガ」なるものが出たのだけど、ネットの評判は散々で最短で数時間でクリアできてしまうなど危険な匂いがしていたので結局手を出さなかった。そして今度はナンバータイトルとしてこの3作目が出た。最近はステマ(ステルスマーケティング)ばっかりでネットのニュース的な記事はあまり鵜呑みにはできないのだけど、そんなに悪くなさそうだったので値段が落ち着いてきた頃に買って遊んでみた。確か2,980円ぐらいの値札がついていたのだけど、レジに持っていったらわざわざ店員さんがこれ値下げされたから1,980円だったか1,780円だったかでいいですと言ってきたのでちょっと嬉しかった半面不安にもなった。
良くも悪くもこれまでの同シリーズの作風を引き継いでいると思う。独特の退廃的な世界観はほとんど変わらない。緊張感のあるゲームバランスと、何より本シリーズの売りである戦車、そして犬w 胴体にバズーカをくくりつけられた柴犬っぽい犬が戦車と一緒に戦うのはもう本シリーズの特色となっている。
物語の途中で、土地の有力者の娘コーラと出会う。パッケージの真ん中に描かれている太ももをあらわにした勝気な感じの女の子がこれ。外見どおりの蓮っ葉(死語)な彼女は、主人公に無理難題を吹っかけて振り回す。
早いうちに主人公の正体がなんとなく明かされていく。この世界を陰で支配するギャング団のナンバー2だったが組織を裏切って殺された男がいたという話を聞く。なぜ男は組織を裏切ったのか?
主人公は最初一人なのだけど、仲間が集まり、経験を積んでレベルを上げ、バイクや戦車を手に入れてさらにそれらを改造することで強くなっていく。乗り物は探さないと見つからないが、ひとたび手に入れると大きな戦力になり、改造するのが楽しくなる。強力な主砲を取り付けたり、機関銃で雑魚を掃討したりできる。ただし主砲や特殊兵装には弾が必要なので補給が要る。補給には金が掛かるので普段は機関銃を使うのだけど、なぜか機関銃には弾代が掛からない。
この世界には賞金首をかけられた大物がいて、ギャング団の幹部であったり、強力な戦車に乗った悪漢だったり、突然変異で凶悪になった怪物だったりする。こいつらを倒すとハンターオフィスからまとまった金が手に入るので、冒険の目的の一つになる。
そんなわけで今回も前作までと変わらない魅力があるはずなのだけど、遊んでみたらどうにもいまいちな感じがして、結局途中で投げ出してしまった。
まず、戦車がなかなか手に入らない。さすがにいままでもすぐには手に入らなかったのだけど、今回は以前にも増して手に入る時期が遅い。開始して数時間以内にまずバイクが手に入るのはいいとして、次の一般車つまり元々戦闘用じゃない車両が手に入るのは世界マップを端から端まで進んだ頃になる。
初の戦車はそれより早く手に入れることもできるのだけど、暴走コンピュータに操られているのでまず戦闘に勝たなければならない。それだけならまだいいのだけど、この戦車と戦おうとしても、なんと運がよくないと戦闘が発生しない。まったく意味が分からない。運が悪いと十回ぐらいやっても戦えない。私がやってみたときは、何度やっても戦闘が起きないのでなにか条件を満たしていないからだろうと思ってしばらく放置した。
次に手に入れられる戦車は、怪しげな町にやたら高い値段で売られている。地道に数時間ぐらい金策しないと買えないぐらい高い値段がついているので、これまた何かほかに条件があるんじゃないかと思い、どうせすぐには買えないのでまたまた放置して先に進もうとしたのだけど、さすがにこの頃にはちょっとおかしいと思えてきたので、ついにネットで攻略サイトを見てみたら、普通に金出して買うだけだった。ついでに先の最初の戦車の戦闘条件が単なる運だということもここで初めて知る。
まあケチはついたもののようやく待望の戦車をゲットしたので、改造して楽しみたいところだったけれど、最初のうちは強い主砲やエンジンを積むぐらいしかできない。それはそれで面白いのだけど、シャーシの改造から自由度が上がっていく。ただ、シャーシに武装用の穴を一度あけると元に戻せない。つまり取り返しがつかない。だから思い切ったことができず、攻略サイトを読んでどうすれば理想の戦車ができるのか考えてしまう。こういうゲームって自分で試行錯誤しながらプレイするのが楽しいのに、一度攻略サイトの世話になってしまうと止まらなくなってしまう。私も途中までは自力でやっていたのだけど、あまりに戦車が手に入らなかったのでついつい見てしまった。自業自得と言われればそれまでだけど、そうさせてしまうひどいゲームシナリオのせいだと思う。
もうこれ以上書く必要もないとは思うのだけど、同じ敵をひたすら三時間ぐらい倒し続けてそいつの落とすアイテムを集めないと手に入らない戦車なんかもあって、バカなんじゃないかと思う。まあその戦車を取らなくてもゲームはクリアできるんだろうけれど。昭和だったら許されたのかもしれないけれど、いまのご時世でこんなのは受け入れられない。
ひたすら敵の増援が続く雑魚戦闘があって、イライラがマッハでたまることがあった。敵が敵を呼ぶ早さが尋常じゃなくて、いつまでたっても全滅させられない。逃げるという手もあるのだけど、こんなに弱い敵から逃げるというのもわけが分からない。敵が増えてこっちがやられるならともかく、単に戦闘を終わらせるのを防ぐために呼び続けるとしか思えない。
進歩した数少ない点として、冒険ガイドという最近のRPGにはよくついているいわゆるジャーナルという仕組みが実装されている。メインストーリーではなく必ずしも達成しなくてもかまわないサブストーリー的なクエストというものがいくつもあって、それの進行状況や次にやらなければならないことなんかがチェックリスト方式でまとめられている。でも割と不親切なので何をすればいいのかよくわからなかったりする。クエストはボリュームがあってよいのだけど、おつかい形式だったり面倒なものが多く、労力の割に大した話じゃなくてあまり面白くなかった。
というかメインストーリーも面白くないんだよなあ。進行が断続的で、途中話が放置されるし。まず世界ありきで、ハンターとして生計を立てるのがメインだった前作までと変わらない気がする。主人公の過去にワクワクしないんだよなあ。なぜなんだろう。主人公が記憶喪失になっている話によくあることとして、記憶が断片的にフラッシュバックするというのがあって期待を煽るのだけど、この作品にはそれがまったくないというのが大きいんじゃないだろうか。それに、主人公の過去を知る人物もたまに出てくるものの大したことを言うわけじゃないし。
ヒロインのコーラはちょっと古臭いけれどかわいい。…でも描写が足りていない感じがする。すごくわかりやすくて記号的なキャラだけに、これで十分だと思ったのかもしれないけれど、もっと会話やイベントがないと話に入っていけない。まあプレイヤー側の想像力が衰えたというのもあるのかもしれない。一度別れたコーラと中盤で再開するときのイベントは、それ自体は良かったと思うんだけど、ここに至るまでにコーラに対してあんまり思い入れが無いので逆にちょっとシラケてしまった。
コーラ以外に仲間もいるのだけど、ドラクエでいうところのルイーダの酒場みたいなところでキャラメイキングして好きな職業と名前のキャラを作ってパーティに入れるのでちょっとそっけない。まあ逆にそこが良いという人もいるだろうから別にいいんだけど。世界樹の迷宮シリーズみたいな。キャラを作るのが面倒ならあらかじめ存在するキャラを選ぶこともできる。でも冒険中なにもしゃべらない。あとこの作品には独特の世界観があるので職業が分かりづらい。私はナースとメカニックを仲間にした。メカニックはともかくナースって…。まあヒーラー(回復役)だってことは分かるか。アーティストっていう職業もある。砲弾を自作できるらしい。
このようになにからなにまでいま一歩なので遊ぶ気が徐々に失せていった。ただでさえゲーム自体に熱中できなくなってきている自分がますますゲームから遠ざかってしまいそうになる。でもそれは自分が年をとったからというのが大きいとは思う。もし子供の頃にこのゲームに出会っていたら、そんなに文句を言わずに遊んでいたような気もする。ゲームバランスが破綻しているわけでもないし、初めてこの世界観に触れたのであれば新鮮でもっと楽しめたと思う。
戦車を改造して戦うRPG、と聞くだけでワクワクするような人ならば、多少期待が外れたとしてもある程度は楽しめるとは思う。でも、昔このシリーズを遊んで楽しかったからまたやりたい、というような人には勧めない。
1作目と2作目を遊んで面白かったので3作目を楽しみにしていたら、開発元がなくなってしまったという話を聞いた。もう十数年前の話だったと思う。それがどうやら開発チームが再集結したとのことで、シリーズの外伝的な作品として「メタルサーガ」なるものが出たのだけど、ネットの評判は散々で最短で数時間でクリアできてしまうなど危険な匂いがしていたので結局手を出さなかった。そして今度はナンバータイトルとしてこの3作目が出た。最近はステマ(ステルスマーケティング)ばっかりでネットのニュース的な記事はあまり鵜呑みにはできないのだけど、そんなに悪くなさそうだったので値段が落ち着いてきた頃に買って遊んでみた。確か2,980円ぐらいの値札がついていたのだけど、レジに持っていったらわざわざ店員さんがこれ値下げされたから1,980円だったか1,780円だったかでいいですと言ってきたのでちょっと嬉しかった半面不安にもなった。
良くも悪くもこれまでの同シリーズの作風を引き継いでいると思う。独特の退廃的な世界観はほとんど変わらない。緊張感のあるゲームバランスと、何より本シリーズの売りである戦車、そして犬w 胴体にバズーカをくくりつけられた柴犬っぽい犬が戦車と一緒に戦うのはもう本シリーズの特色となっている。
物語の途中で、土地の有力者の娘コーラと出会う。パッケージの真ん中に描かれている太ももをあらわにした勝気な感じの女の子がこれ。外見どおりの蓮っ葉(死語)な彼女は、主人公に無理難題を吹っかけて振り回す。
早いうちに主人公の正体がなんとなく明かされていく。この世界を陰で支配するギャング団のナンバー2だったが組織を裏切って殺された男がいたという話を聞く。なぜ男は組織を裏切ったのか?
主人公は最初一人なのだけど、仲間が集まり、経験を積んでレベルを上げ、バイクや戦車を手に入れてさらにそれらを改造することで強くなっていく。乗り物は探さないと見つからないが、ひとたび手に入れると大きな戦力になり、改造するのが楽しくなる。強力な主砲を取り付けたり、機関銃で雑魚を掃討したりできる。ただし主砲や特殊兵装には弾が必要なので補給が要る。補給には金が掛かるので普段は機関銃を使うのだけど、なぜか機関銃には弾代が掛からない。
この世界には賞金首をかけられた大物がいて、ギャング団の幹部であったり、強力な戦車に乗った悪漢だったり、突然変異で凶悪になった怪物だったりする。こいつらを倒すとハンターオフィスからまとまった金が手に入るので、冒険の目的の一つになる。
そんなわけで今回も前作までと変わらない魅力があるはずなのだけど、遊んでみたらどうにもいまいちな感じがして、結局途中で投げ出してしまった。
まず、戦車がなかなか手に入らない。さすがにいままでもすぐには手に入らなかったのだけど、今回は以前にも増して手に入る時期が遅い。開始して数時間以内にまずバイクが手に入るのはいいとして、次の一般車つまり元々戦闘用じゃない車両が手に入るのは世界マップを端から端まで進んだ頃になる。
初の戦車はそれより早く手に入れることもできるのだけど、暴走コンピュータに操られているのでまず戦闘に勝たなければならない。それだけならまだいいのだけど、この戦車と戦おうとしても、なんと運がよくないと戦闘が発生しない。まったく意味が分からない。運が悪いと十回ぐらいやっても戦えない。私がやってみたときは、何度やっても戦闘が起きないのでなにか条件を満たしていないからだろうと思ってしばらく放置した。
次に手に入れられる戦車は、怪しげな町にやたら高い値段で売られている。地道に数時間ぐらい金策しないと買えないぐらい高い値段がついているので、これまた何かほかに条件があるんじゃないかと思い、どうせすぐには買えないのでまたまた放置して先に進もうとしたのだけど、さすがにこの頃にはちょっとおかしいと思えてきたので、ついにネットで攻略サイトを見てみたら、普通に金出して買うだけだった。ついでに先の最初の戦車の戦闘条件が単なる運だということもここで初めて知る。
まあケチはついたもののようやく待望の戦車をゲットしたので、改造して楽しみたいところだったけれど、最初のうちは強い主砲やエンジンを積むぐらいしかできない。それはそれで面白いのだけど、シャーシの改造から自由度が上がっていく。ただ、シャーシに武装用の穴を一度あけると元に戻せない。つまり取り返しがつかない。だから思い切ったことができず、攻略サイトを読んでどうすれば理想の戦車ができるのか考えてしまう。こういうゲームって自分で試行錯誤しながらプレイするのが楽しいのに、一度攻略サイトの世話になってしまうと止まらなくなってしまう。私も途中までは自力でやっていたのだけど、あまりに戦車が手に入らなかったのでついつい見てしまった。自業自得と言われればそれまでだけど、そうさせてしまうひどいゲームシナリオのせいだと思う。
もうこれ以上書く必要もないとは思うのだけど、同じ敵をひたすら三時間ぐらい倒し続けてそいつの落とすアイテムを集めないと手に入らない戦車なんかもあって、バカなんじゃないかと思う。まあその戦車を取らなくてもゲームはクリアできるんだろうけれど。昭和だったら許されたのかもしれないけれど、いまのご時世でこんなのは受け入れられない。
ひたすら敵の増援が続く雑魚戦闘があって、イライラがマッハでたまることがあった。敵が敵を呼ぶ早さが尋常じゃなくて、いつまでたっても全滅させられない。逃げるという手もあるのだけど、こんなに弱い敵から逃げるというのもわけが分からない。敵が増えてこっちがやられるならともかく、単に戦闘を終わらせるのを防ぐために呼び続けるとしか思えない。
進歩した数少ない点として、冒険ガイドという最近のRPGにはよくついているいわゆるジャーナルという仕組みが実装されている。メインストーリーではなく必ずしも達成しなくてもかまわないサブストーリー的なクエストというものがいくつもあって、それの進行状況や次にやらなければならないことなんかがチェックリスト方式でまとめられている。でも割と不親切なので何をすればいいのかよくわからなかったりする。クエストはボリュームがあってよいのだけど、おつかい形式だったり面倒なものが多く、労力の割に大した話じゃなくてあまり面白くなかった。
というかメインストーリーも面白くないんだよなあ。進行が断続的で、途中話が放置されるし。まず世界ありきで、ハンターとして生計を立てるのがメインだった前作までと変わらない気がする。主人公の過去にワクワクしないんだよなあ。なぜなんだろう。主人公が記憶喪失になっている話によくあることとして、記憶が断片的にフラッシュバックするというのがあって期待を煽るのだけど、この作品にはそれがまったくないというのが大きいんじゃないだろうか。それに、主人公の過去を知る人物もたまに出てくるものの大したことを言うわけじゃないし。
ヒロインのコーラはちょっと古臭いけれどかわいい。…でも描写が足りていない感じがする。すごくわかりやすくて記号的なキャラだけに、これで十分だと思ったのかもしれないけれど、もっと会話やイベントがないと話に入っていけない。まあプレイヤー側の想像力が衰えたというのもあるのかもしれない。一度別れたコーラと中盤で再開するときのイベントは、それ自体は良かったと思うんだけど、ここに至るまでにコーラに対してあんまり思い入れが無いので逆にちょっとシラケてしまった。
コーラ以外に仲間もいるのだけど、ドラクエでいうところのルイーダの酒場みたいなところでキャラメイキングして好きな職業と名前のキャラを作ってパーティに入れるのでちょっとそっけない。まあ逆にそこが良いという人もいるだろうから別にいいんだけど。世界樹の迷宮シリーズみたいな。キャラを作るのが面倒ならあらかじめ存在するキャラを選ぶこともできる。でも冒険中なにもしゃべらない。あとこの作品には独特の世界観があるので職業が分かりづらい。私はナースとメカニックを仲間にした。メカニックはともかくナースって…。まあヒーラー(回復役)だってことは分かるか。アーティストっていう職業もある。砲弾を自作できるらしい。
このようになにからなにまでいま一歩なので遊ぶ気が徐々に失せていった。ただでさえゲーム自体に熱中できなくなってきている自分がますますゲームから遠ざかってしまいそうになる。でもそれは自分が年をとったからというのが大きいとは思う。もし子供の頃にこのゲームに出会っていたら、そんなに文句を言わずに遊んでいたような気もする。ゲームバランスが破綻しているわけでもないし、初めてこの世界観に触れたのであれば新鮮でもっと楽しめたと思う。
戦車を改造して戦うRPG、と聞くだけでワクワクするような人ならば、多少期待が外れたとしてもある程度は楽しめるとは思う。でも、昔このシリーズを遊んで楽しかったからまたやりたい、というような人には勧めない。
(最終更新日: 2012年11月18日 by ひっちぃ)