マンガ
BLACK CAT 6巻まで
矢吹健太朗 (集英社 ジャンプ・コミックス)
駄作(-30点)
2012年12月11日
世界を牛耳る秘密結社クロノスにかつて凄腕の暗殺者通称ブラック・キャットとして在籍していたトレイン=ハートネットは、組織を抜けて元捜査官スヴェンとともに小物犯罪者を捕まえる賞金稼ぎとして自由気ままに生きていた。しかし、組織で相棒だった野心家のクリードに目をつけられ、世界征服を企む彼の組織と秘密結社クロノスとの戦いの板ばさみになる。少年マンガ。
いまは「To Loveる」というちょっとHな少年マンガを描いている矢吹健太郎が、その前に週刊少年ジャンプに連載していたバトル物の少年マンガ。単行本全20巻で累計発行部数1200万部というから大ヒットしたと言っていいと思う。アニメ化やゲーム化もされた。
自分はアニメ化されたものを何話か見て、結局つまらなくて途中で見るのをやめたのだけど、主人公トレインの元恋人?である浴衣の女についての回想シーンがやたらと印象に残っていたので、いつか原作マンガのほうをじっくり読んでみたいと思っていた。
で読んでみたのだけど、つらくて6巻で投げ出した。
その一番大きな理由は、この作品が戦闘中心のバトル物だからだと思う。要は、そもそも自分と相性の悪い作品だったということ。だからこれ以上うだうだ言うのは単なる理屈付けにしかならないかもしれない。
とあらかじめ断った上で言わせてもらうと、この作品には色々ダメなところがありすぎる。まず題名となっているBLACK CATこれがそもそもダメ。凄腕の暗殺者の男に対してBLACK CATという通称がつくのが違和感ありすぎる。トレインっていう名前もいまいちだよなあ。それに、組織のエース部隊に属する13番目のメンバーという意味でローマ数字XIIIという刺青を入れているのだけど、組織を抜けてもその刺青を隠そうともせずに晒している。組織を抜けたときの思いとかに全然切迫感がない。そもそもこういう組織って簡単に抜けられるものなの?
で、刺青を見た敵が恐れたり侮ったりしながら襲ってくるのを、圧倒的な力で返り討ちにする。こういうのは子供が喜びそうな要素だと思う。週刊少年ジャンプの読者層にはちょうどいいのかもしれない。
リンスレット=ウォーカーという女盗賊が出てくる。主人公たちとは少し距離を置いているけれど、主人公のことを悪からず思っている感じ。常に打算で動いていて、自分の儲けのためなら主人公たちが大変な目にあっても気にしない。のかと思いきや身を挺して助けたりもする。魅力的なんだけど、なんかしっくりこない。このキャラの想いが伝わってこないんだよなあ。
ナノマシンを体内に埋め込まれた少女イヴ。武器商人の屋敷の中で育てられて生物兵器として訓練されていたが、主人公トレインの侵入騒動で屋敷の外に出て迷子になっているところをトレインの相棒スヴェンに保護されて人間らしい扱いを受け、人間らしい感情を目覚めさせ、そんなこんなで仲間になる。というとてもおいしい設定を持っているのに、いろいろ描写不足で登場間近はそれほど魅力を感じなかった。3巻か4巻あたりでスヴェンをめぐってトレインにライバル心をむき出しにするあたりで段々魅力が出てくるのだけど、なんだかぎこちない感じがした。
最大のライバルは組織にいたころの相棒クリードなんだけど、こいつがトレインに執着する理由が弱いと思う。なんなんだろう。逆にトレインはこいつに自分の親しい女を殺されているのに積極的に恨みを晴らそうと思ってはいない。
かつて属していた組織クロノスでの元上司とか先輩も意味不明。暗殺者集団とか秘密結社とは思えない浮ついた空気で、なんだかんだで物分りのよさそうなやつとか、部隊のリーダーがやさしげな美女だったりで、どっかのサークルかよと思った。サークルのほうがよっぽどぎくしゃくしてる。
元捜査官スヴェンの死んだ元相棒のエピソードがちょっとほろっときた。やっぱり強い意志というものは人の心を動かす。そういうものが、この作品の他の登場人物にはいまいち希薄なんだよなあ。
ふと思ったけれど、この作品って「カウボーイ・ビバップ」に登場人物の構成が似てると思う。
これだけヒットした作品なんだし、惰性でも最後まで読み続けられるかと思っていたけれど、これ以上はだんだん苦痛になってきたのでやめることにした。
いまは「To Loveる」というちょっとHな少年マンガを描いている矢吹健太郎が、その前に週刊少年ジャンプに連載していたバトル物の少年マンガ。単行本全20巻で累計発行部数1200万部というから大ヒットしたと言っていいと思う。アニメ化やゲーム化もされた。
自分はアニメ化されたものを何話か見て、結局つまらなくて途中で見るのをやめたのだけど、主人公トレインの元恋人?である浴衣の女についての回想シーンがやたらと印象に残っていたので、いつか原作マンガのほうをじっくり読んでみたいと思っていた。
で読んでみたのだけど、つらくて6巻で投げ出した。
その一番大きな理由は、この作品が戦闘中心のバトル物だからだと思う。要は、そもそも自分と相性の悪い作品だったということ。だからこれ以上うだうだ言うのは単なる理屈付けにしかならないかもしれない。
とあらかじめ断った上で言わせてもらうと、この作品には色々ダメなところがありすぎる。まず題名となっているBLACK CATこれがそもそもダメ。凄腕の暗殺者の男に対してBLACK CATという通称がつくのが違和感ありすぎる。トレインっていう名前もいまいちだよなあ。それに、組織のエース部隊に属する13番目のメンバーという意味でローマ数字XIIIという刺青を入れているのだけど、組織を抜けてもその刺青を隠そうともせずに晒している。組織を抜けたときの思いとかに全然切迫感がない。そもそもこういう組織って簡単に抜けられるものなの?
で、刺青を見た敵が恐れたり侮ったりしながら襲ってくるのを、圧倒的な力で返り討ちにする。こういうのは子供が喜びそうな要素だと思う。週刊少年ジャンプの読者層にはちょうどいいのかもしれない。
リンスレット=ウォーカーという女盗賊が出てくる。主人公たちとは少し距離を置いているけれど、主人公のことを悪からず思っている感じ。常に打算で動いていて、自分の儲けのためなら主人公たちが大変な目にあっても気にしない。のかと思いきや身を挺して助けたりもする。魅力的なんだけど、なんかしっくりこない。このキャラの想いが伝わってこないんだよなあ。
ナノマシンを体内に埋め込まれた少女イヴ。武器商人の屋敷の中で育てられて生物兵器として訓練されていたが、主人公トレインの侵入騒動で屋敷の外に出て迷子になっているところをトレインの相棒スヴェンに保護されて人間らしい扱いを受け、人間らしい感情を目覚めさせ、そんなこんなで仲間になる。というとてもおいしい設定を持っているのに、いろいろ描写不足で登場間近はそれほど魅力を感じなかった。3巻か4巻あたりでスヴェンをめぐってトレインにライバル心をむき出しにするあたりで段々魅力が出てくるのだけど、なんだかぎこちない感じがした。
最大のライバルは組織にいたころの相棒クリードなんだけど、こいつがトレインに執着する理由が弱いと思う。なんなんだろう。逆にトレインはこいつに自分の親しい女を殺されているのに積極的に恨みを晴らそうと思ってはいない。
かつて属していた組織クロノスでの元上司とか先輩も意味不明。暗殺者集団とか秘密結社とは思えない浮ついた空気で、なんだかんだで物分りのよさそうなやつとか、部隊のリーダーがやさしげな美女だったりで、どっかのサークルかよと思った。サークルのほうがよっぽどぎくしゃくしてる。
元捜査官スヴェンの死んだ元相棒のエピソードがちょっとほろっときた。やっぱり強い意志というものは人の心を動かす。そういうものが、この作品の他の登場人物にはいまいち希薄なんだよなあ。
ふと思ったけれど、この作品って「カウボーイ・ビバップ」に登場人物の構成が似てると思う。
これだけヒットした作品なんだし、惰性でも最後まで読み続けられるかと思っていたけれど、これ以上はだんだん苦痛になってきたのでやめることにした。
(最終更新日: 2012年12月11日 by ひっちぃ)