コンピュータソフト
ロールプレイングゲーム
The Elder Scrolls IV: Oblivion
Bethesda Game Studios, Bethesda Softworks
傑作(30点)
2012年12月26日
謎の存在に命を狙われていた皇帝が騎士を引き連れて帝都の地下通路を通って逃げようとしているところへたまたま同席した主人公は、ついに凶刃に掛かって殺される間際の皇帝からこの世界の未来を頼まれる。世界最高峰のRPGとも称されていた自由度の高いゲーム。
2011年にすでに最新作Skyrimが出ているのでもう過去の作品になってしまったが、それまでは洋ゲーつまり欧米のゲーム会社が製作したゲームのファンのあいだでは長いこと評判になっており、彼らの声が大きいせいか和ゲーつまり日本のゲームしかやらない人たちの耳にも評判が届くようになった。そんなわけでいずれやろうと思っていたら、知り合いが貸してくれたので遊んでみることにした。
まずキャラクターメイキングなのだけど、一気に全部決めさせるのではなく、質問に答えて最低限のことが決まったらそのままゲームの世界に入れるようになっている。最初の場所である地下通路では、チュートリアルとして一つ一つこのゲームの操作方法を順を追って手ほどきしてくれる。ものを拾ったり使ったり、武器を振り回したり魔法を使ったり、敵に気づかれないように忍び足をしたりなど。で、地下通路を抜けるまでにどんなスタイルでゲームを進めていきたいかなんとなく分かってくるであろうことを見越して、そこで初めて職業というか専門を決めるようになっている。洋ゲーにあまり慣れていない自分にも分かりやすくて親切だった。
地下通路を抜けたらあとは広大な世界が広がっていて、もうプレイヤーはどんなことも出来るようになっている。じゃあここからなにをすればいいのか?皇帝からは隠し子の存在を聞いているので、この世界を救うためには彼を保護しなければならない。というわけでメインストーリーに従って行動していけばいい。いまなにをすべきか、ジャーナルと呼ばれる分かりやすいチェックリスト兼ガイドブックがあるので、目的を見失うことはない。知らないうちにサブストーリーが始まっていたりもする。ゲームクリアに直接は関係ないのでやってもやらなくてもいい。全部やるとたぶんボリュームがありすぎると思う。
題名になっているオブリビオンというのは、この世界での異界のこと。オブリビオンゲートという門が各所に開いている。メインストーリーに従って最初のオブリビオンゲートに行ってみたら、夜になると時々ゴブリンという怪物(小鬼みたいなもん)が一匹ずつ散発的に門から出てきて、それをNPCの衛兵たちが迎撃していた。プレイヤー関係なく勝手に戦闘していてウケた。
このゲームは自由度の高さがウリなのだけど、それが裏目に出ることもある。自分はこのあとオブリビオンゲートに入ったのだけど、中ではさっそく衛兵の一人が怪物と戦っていた。自分も衛兵をサポートすべく火の魔法を遠くから撃って援護していたのだけど、そのファイアーが衛兵に当たってしまい、そうこうしているうちにモンスターと一緒に衛兵まで殺してしまった。本当なら衛兵からストーリーのヒントが聞けるはずだったみたいなのだけど、それが聞けなくなってしまい、よく分からないままにオブリビオン内を探索する羽目になった。ついでに言うと、衛兵の死体から防具を剥ぎ取って着たw
最初のオブリビオンの中の世界は、火の海が燃えたぎる中に浮かぶ岩の孤島といった感じで、その島の真ん中?に奇怪な城が立っていて、その中に囚われている人間を助けに行く。道中、時々怪物が出現して、いちいち戦わなければならない。結構肝を冷やす。まだ戦闘に慣れていないので、剣を振るうのも不安だし、魔法はエネルギーが回復するのを待たないと連続では使えない。
城の中はちょっとした迷路になっているが、親切にも目的地まで矢印が表示されるので、極端な話迷うことはない。地道に探索する楽しみはないけれど、緊張感がありすぎてそれどころじゃない。正直なところ、自分にとってはあまり心地よい緊張感じゃなかった。こうまで緊張感を感じさせるゲームというのは本来なら素晴らしいものであるはずなのだけど、やっていて面白いとは思えなかった。
なんとか最初のオブリビオンはクリアして地上に戻ってほっと一息ついた頃には、もう続きをやろうという気があらかた失せていたので、ここでいったん長い中断に入った。
それから数ヶ月後、いや二年近く経ってからかもしれないが、あんまりなのでもう少し遊んでみようという気になって、今度はネットで情報を調べながら自分に合ったプレイを探ってみようということになった。
このゲームで一息つくには安定した金稼ぎ手段と安心できる寝床を発見しなければならず、それを探るのが楽しみの大きな一つになっている。家は高いので買えず、ピッキングで侵入するのも難しそうなので、とりあえず金策として錬金術をやってみた。錬金術をやるためには素材が必要になる。素材は手に入れなければならない。素材を買ってたら金策にならない。そこでもっと手軽に入手できる手段がある。軽いネタバレになってゲームの興を多少削いでしまうけれど言ってしまうと、無人の畑がいくつかこの世界には存在する。そこにある農作物を拝借するのだ。この世界にあるものはたいていの場合誰かの所有物なので勝手に取ると犯罪になってしまい、犯罪者としての生活を余儀なくされてしまうのだけれど、農作物はなぜか犯罪にならないので遠慮なくもらう。農作物は有限だけど、時間が経てばまた生えてくるので事実上無限だ。これを材料に適当な薬をひたすら合成し続けると、出来た薬は町の店で売れば小銭になるし、錬金術のスキルが上がるのでどんどん上達してさらに高く売れる薬が作れるようになっていく。まあ材料が野菜だけだと作れる薬も限られてくる。適当に野草とかも混ぜていろいろ作れるので試してみた。
しかしここまでまったりプレイしてみても、このゲームをあまり楽しめていない自分を発見したので、結局それっきりでやめてしまった。
昔遊んだスティーブン・ジャクソンとかイアン・リビングストンなどのゲームブックの世界そのままって感じがした。昔はこういうのが好きだったんだけどなあ。当時から考えるとこれはまさに理想のゲームだと思うのだけど…。指輪物語とか、和モノだと最近深夜アニメ化された「新世界より」に出てくる外界みたいな場所での冒険とか、このゲームで描かれるのはそういう王道っぽいファンタジー世界で、現実とは異なる独特の世界に引き込まれはするのだけど…。
シナリオによって一緒に戦ってくれるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が出てくるけれど、勝手に動くので戦略性がないし、ストーリーに沿った動きしかしないのでただついていくだけ。基本は一人でサバイバルを楽しむゲームだと思ったほうがいい。そういうシンプルに突き詰めた作りが好きでない限り、寂しいプレイになると思う。まだメインシナリオをちょっとやっただけなので、これから仲間との大冒険になったりするのかもしれないけれど、いやそれはないだろうなあw
ビジュアルがリアル志向の渋いタッチで、基本おっさんおばさんにしか見えないキャラばかり。陰鬱な世界で暗いことばかり話す。前向きだったりはするのだけど、世界に滅びの兆候があるので沈みがち。PC版だとMODと呼ばれるユーザが作成した拡張パックみたいなものをゲームに追加することができて、その中には日本人好みのかわいいキャラとかエロいキャラなんかが出てくるようにも出来るらしいのだけど、あいにく自分が借りたのはPS3版なので試せなかった。
いろんなプレイスタイルがあると言ったが、先に出てきた錬金術も、極めると火の海を泳げるほどの効果を持った薬を作れたりするらしい(普通ならあっさり死ぬ)。さまざまな武器を極めるのもいいし、魔法を上達させるのもいい。それぞれ奥深い要素があるんじゃないだろうか。よく知らないけど。盗賊の技能とかすごく幅広そうだし、鍵あけもできる。
というわけで、ゲームとしての完成度にはあまりケチのつけようがないのだけど、こういうゲームが好きでないとあまり楽しめないと思う。昔は「ダンジョンマスター」とかやっていたんだけどなあ。いまの自分には和ゲーのガスト「ロロナのアトリエ」のほうがずっと楽しめている。
とかなんとか言ったものの、まだ自分はこのゲームにちゃんと向き合っていないような気がしたので、いずれまた腰を落ち着けて遊んでみるのもいいかと思って、最新のSkyrimをセール中に29ドルで買ってみた。積みゲーになりそうな気もするのだけど、うーん、美しいグラフィックスを見るだけでもいいかな。
2011年にすでに最新作Skyrimが出ているのでもう過去の作品になってしまったが、それまでは洋ゲーつまり欧米のゲーム会社が製作したゲームのファンのあいだでは長いこと評判になっており、彼らの声が大きいせいか和ゲーつまり日本のゲームしかやらない人たちの耳にも評判が届くようになった。そんなわけでいずれやろうと思っていたら、知り合いが貸してくれたので遊んでみることにした。
まずキャラクターメイキングなのだけど、一気に全部決めさせるのではなく、質問に答えて最低限のことが決まったらそのままゲームの世界に入れるようになっている。最初の場所である地下通路では、チュートリアルとして一つ一つこのゲームの操作方法を順を追って手ほどきしてくれる。ものを拾ったり使ったり、武器を振り回したり魔法を使ったり、敵に気づかれないように忍び足をしたりなど。で、地下通路を抜けるまでにどんなスタイルでゲームを進めていきたいかなんとなく分かってくるであろうことを見越して、そこで初めて職業というか専門を決めるようになっている。洋ゲーにあまり慣れていない自分にも分かりやすくて親切だった。
地下通路を抜けたらあとは広大な世界が広がっていて、もうプレイヤーはどんなことも出来るようになっている。じゃあここからなにをすればいいのか?皇帝からは隠し子の存在を聞いているので、この世界を救うためには彼を保護しなければならない。というわけでメインストーリーに従って行動していけばいい。いまなにをすべきか、ジャーナルと呼ばれる分かりやすいチェックリスト兼ガイドブックがあるので、目的を見失うことはない。知らないうちにサブストーリーが始まっていたりもする。ゲームクリアに直接は関係ないのでやってもやらなくてもいい。全部やるとたぶんボリュームがありすぎると思う。
題名になっているオブリビオンというのは、この世界での異界のこと。オブリビオンゲートという門が各所に開いている。メインストーリーに従って最初のオブリビオンゲートに行ってみたら、夜になると時々ゴブリンという怪物(小鬼みたいなもん)が一匹ずつ散発的に門から出てきて、それをNPCの衛兵たちが迎撃していた。プレイヤー関係なく勝手に戦闘していてウケた。
このゲームは自由度の高さがウリなのだけど、それが裏目に出ることもある。自分はこのあとオブリビオンゲートに入ったのだけど、中ではさっそく衛兵の一人が怪物と戦っていた。自分も衛兵をサポートすべく火の魔法を遠くから撃って援護していたのだけど、そのファイアーが衛兵に当たってしまい、そうこうしているうちにモンスターと一緒に衛兵まで殺してしまった。本当なら衛兵からストーリーのヒントが聞けるはずだったみたいなのだけど、それが聞けなくなってしまい、よく分からないままにオブリビオン内を探索する羽目になった。ついでに言うと、衛兵の死体から防具を剥ぎ取って着たw
最初のオブリビオンの中の世界は、火の海が燃えたぎる中に浮かぶ岩の孤島といった感じで、その島の真ん中?に奇怪な城が立っていて、その中に囚われている人間を助けに行く。道中、時々怪物が出現して、いちいち戦わなければならない。結構肝を冷やす。まだ戦闘に慣れていないので、剣を振るうのも不安だし、魔法はエネルギーが回復するのを待たないと連続では使えない。
城の中はちょっとした迷路になっているが、親切にも目的地まで矢印が表示されるので、極端な話迷うことはない。地道に探索する楽しみはないけれど、緊張感がありすぎてそれどころじゃない。正直なところ、自分にとってはあまり心地よい緊張感じゃなかった。こうまで緊張感を感じさせるゲームというのは本来なら素晴らしいものであるはずなのだけど、やっていて面白いとは思えなかった。
なんとか最初のオブリビオンはクリアして地上に戻ってほっと一息ついた頃には、もう続きをやろうという気があらかた失せていたので、ここでいったん長い中断に入った。
それから数ヶ月後、いや二年近く経ってからかもしれないが、あんまりなのでもう少し遊んでみようという気になって、今度はネットで情報を調べながら自分に合ったプレイを探ってみようということになった。
このゲームで一息つくには安定した金稼ぎ手段と安心できる寝床を発見しなければならず、それを探るのが楽しみの大きな一つになっている。家は高いので買えず、ピッキングで侵入するのも難しそうなので、とりあえず金策として錬金術をやってみた。錬金術をやるためには素材が必要になる。素材は手に入れなければならない。素材を買ってたら金策にならない。そこでもっと手軽に入手できる手段がある。軽いネタバレになってゲームの興を多少削いでしまうけれど言ってしまうと、無人の畑がいくつかこの世界には存在する。そこにある農作物を拝借するのだ。この世界にあるものはたいていの場合誰かの所有物なので勝手に取ると犯罪になってしまい、犯罪者としての生活を余儀なくされてしまうのだけれど、農作物はなぜか犯罪にならないので遠慮なくもらう。農作物は有限だけど、時間が経てばまた生えてくるので事実上無限だ。これを材料に適当な薬をひたすら合成し続けると、出来た薬は町の店で売れば小銭になるし、錬金術のスキルが上がるのでどんどん上達してさらに高く売れる薬が作れるようになっていく。まあ材料が野菜だけだと作れる薬も限られてくる。適当に野草とかも混ぜていろいろ作れるので試してみた。
しかしここまでまったりプレイしてみても、このゲームをあまり楽しめていない自分を発見したので、結局それっきりでやめてしまった。
昔遊んだスティーブン・ジャクソンとかイアン・リビングストンなどのゲームブックの世界そのままって感じがした。昔はこういうのが好きだったんだけどなあ。当時から考えるとこれはまさに理想のゲームだと思うのだけど…。指輪物語とか、和モノだと最近深夜アニメ化された「新世界より」に出てくる外界みたいな場所での冒険とか、このゲームで描かれるのはそういう王道っぽいファンタジー世界で、現実とは異なる独特の世界に引き込まれはするのだけど…。
シナリオによって一緒に戦ってくれるNPC(ノンプレイヤーキャラクター)が出てくるけれど、勝手に動くので戦略性がないし、ストーリーに沿った動きしかしないのでただついていくだけ。基本は一人でサバイバルを楽しむゲームだと思ったほうがいい。そういうシンプルに突き詰めた作りが好きでない限り、寂しいプレイになると思う。まだメインシナリオをちょっとやっただけなので、これから仲間との大冒険になったりするのかもしれないけれど、いやそれはないだろうなあw
ビジュアルがリアル志向の渋いタッチで、基本おっさんおばさんにしか見えないキャラばかり。陰鬱な世界で暗いことばかり話す。前向きだったりはするのだけど、世界に滅びの兆候があるので沈みがち。PC版だとMODと呼ばれるユーザが作成した拡張パックみたいなものをゲームに追加することができて、その中には日本人好みのかわいいキャラとかエロいキャラなんかが出てくるようにも出来るらしいのだけど、あいにく自分が借りたのはPS3版なので試せなかった。
いろんなプレイスタイルがあると言ったが、先に出てきた錬金術も、極めると火の海を泳げるほどの効果を持った薬を作れたりするらしい(普通ならあっさり死ぬ)。さまざまな武器を極めるのもいいし、魔法を上達させるのもいい。それぞれ奥深い要素があるんじゃないだろうか。よく知らないけど。盗賊の技能とかすごく幅広そうだし、鍵あけもできる。
というわけで、ゲームとしての完成度にはあまりケチのつけようがないのだけど、こういうゲームが好きでないとあまり楽しめないと思う。昔は「ダンジョンマスター」とかやっていたんだけどなあ。いまの自分には和ゲーのガスト「ロロナのアトリエ」のほうがずっと楽しめている。
とかなんとか言ったものの、まだ自分はこのゲームにちゃんと向き合っていないような気がしたので、いずれまた腰を落ち着けて遊んでみるのもいいかと思って、最新のSkyrimをセール中に29ドルで買ってみた。積みゲーになりそうな気もするのだけど、うーん、美しいグラフィックスを見るだけでもいいかな。