コンピュータソフト
ロールプレイングゲーム
グランディア2
ゲームアーツ
まあまあ(10点)
2002年9月14日
RPG グランディアの続編。便利屋のようなハグレ者の主人公リュードが、聖職者の少女エレナと出会い、依頼を引き受けるうちに、悪魔ヴァルマーが復活するのを止める旅をする。
今回の主人公は結構スレている。世の中なんてこんなものよ、みたいな口ぶり。ある日突然教会からの依頼を引き受け、聖職者で世間知らずの少女エレナと旅をすることになる。
序盤から、いかにもいかにもなオタク好みの展開。特にエレナのグラフィックスは、オタクに大人気のアニメの主人公さくらにそっくり。続いてハイテンションな女悪魔、ショタ好みの「年下の男の子」、獣人、テンションの低い人形少女。詰め込めるだけ詰め込んだ感じ。物足りなさを感じないだけまだいいが、やや食傷気味。まあ、キャラクターが好きになれれば楽しめるだろう。
ゲームのシステムは前作譲り。戦闘システムのレベルの高さは、進歩がないと言ってしまうこともできるが、すでに完成されていると言った方がいいだろう。今回マナエッグが装備品になり、戦略性が高まったかもしれないが、ファイナルファンタジー8 のガーディアンシステムのようにキャラクターの個性を失わせたかも。ただし個々の必殺技は固定なので十分個性的。しかしポイント性になったので、好きなキャラの好きな技を重点的に鍛えられるようになったことで、逆にうっとうしくなったかもしれない。ただそれも、前作がとにかく無意味にでも魔法や技を使えば使うほどその魔法や技のレベルが上がっていくシステムよりは良くなったとも言える。このへんの判断は難しい。
ドリームキャストになったせいか、ポリゴングラフィックスが美しくなった。前作は単純、よく言えばポップな感じがしたが、今作は写実的になっていて、物語の世界にひたれる。難を言えば、キャラクターのモーションの数が少なくて、いつも決まった動作をする。主人公はこぶしをふりあげることが多いし、少女は両手を後ろ下に胸を突き出して抗議することが多い。
魔法のポリゴンアニメがとても美しい。あのグラフィックス最高峰のファイナルファンタジーシリーズと比べても遜色がない。効果音もとてもいい。魔法や技のときにキャラクターが喋るのもいい。いかにも声優というアニメ調だが、アニメ声に拒否反応さえなければ、そして繰り返し戦闘のたびに聞かされるのが気にならなければ、かなりいい感じだ。
音楽は、特に印象に残る曲はなかった。いや、やはり前作と同じメインテーマはすがすがしい。それと、戦闘のテーマも、聞き疲れしないというだけでそれなりの完成度がある。
しかし今作は、やっていてそんなに面白いとは思えなかった。なぜ面白くないのかを考えてみたら、いくつか思い当たったので書くことにする。
まず、冒険感が弱い。ちゃんと街から街へ、野山を駆け抜け洞窟をくぐり海を渡っているのだが、どうしてか前作のワクワク感に欠ける。やっつけプレイになってしまったからだろうか。前作では、冒険の途中で野営するところなんか、かなりグッとくるものがあったのだが、今作では序盤こそ野営があったが中盤後半と無くなっている。
新しい街にやってくるとワクワクしたものだが、今回は街がうっとうしくてならなかった。その理由は、街の人との会話にある。おそらく作った人の意図として、一回会話するだけで普通の情報が手に入り、二回目以降の台詞は会話が好きな人のためのオプションとして用意していたのだと思う。それは非常にいい考え方だと思うのだが、実際プレイしてみるととても中途半端に思えた。まあそれはプレイヤーの側にも責任があって、とにかくなんでもいいから街の人の台詞を全部聞こうと思う姿勢がよくないのかもしれない。
それに会話自体がとても説教臭い。会話の中に、カギ括弧入りの文章がたくさん出てくる。いちいち村人の言葉にカギ括弧を入れて、主人公たちがとても説教臭いことを村人に諭す。とくに獣人マレッグはその哲学からしてうっとうしい。おまえらはなにさまだと。いやヒーローさまだから別にいいのだけど、途中から急に主人公が無頼派じゃなくなってしまうのは不自然だしイヤらしい。
全体的なストーリーはとてもよくできている部類だと思う。秩序の神グラナスと、混沌の魔ヴァルマー。太古の対立という歴史、そしてあっと驚く裏の真実。ここで詳しくは述べないが、西欧のキリスト教の影響が濃い国には輸出できないと思う。
終盤がダレ過ぎ。もう何度か、これがラストダンジョンか、これがラスボスか、と思った。ダンジョンもボスもよくできている。難易度もそんなでもないのに、仕掛けといいグラフィックスといいラストの緊張感を高めてくれる非常にいいダンジョンやボスだ。しかし、ちょっとはぶいたほうがいいんじゃないかと思うほどやることが多すぎる。ついでにエンディングもしつこい。
評価は難しい。私はこの作品を傑作とは呼ばない。
物語の結末もうまくついていないので、後味がよくわからない。前作は前作で、ガイアという悪玉の説明づけがいまいちだったのだが、とにかくそのガイアを倒してめでたしめでたしという感じで丸くおさまっていた。今作は、ちょっと泣かせるところもあったけど、主人公周辺が全然説明されていないのはどうしてか。
私がクリアに掛かった時間は 30時間ぐらい。プレイ中に席を何度も立ったので、実際はもう少し短い。物語はやや短く感じるが、こんなものかなとも思える。オタク系のテイストが気にならずに手軽にプレイしたいのなら薦めることはできる。前作をプレイしたことがなく、このシリーズの洗練された戦闘システムをプレイするだけでも十分価値はある。ただ、やるなら前作の方がいい。
今回の主人公は結構スレている。世の中なんてこんなものよ、みたいな口ぶり。ある日突然教会からの依頼を引き受け、聖職者で世間知らずの少女エレナと旅をすることになる。
序盤から、いかにもいかにもなオタク好みの展開。特にエレナのグラフィックスは、オタクに大人気のアニメの主人公さくらにそっくり。続いてハイテンションな女悪魔、ショタ好みの「年下の男の子」、獣人、テンションの低い人形少女。詰め込めるだけ詰め込んだ感じ。物足りなさを感じないだけまだいいが、やや食傷気味。まあ、キャラクターが好きになれれば楽しめるだろう。
ゲームのシステムは前作譲り。戦闘システムのレベルの高さは、進歩がないと言ってしまうこともできるが、すでに完成されていると言った方がいいだろう。今回マナエッグが装備品になり、戦略性が高まったかもしれないが、ファイナルファンタジー8 のガーディアンシステムのようにキャラクターの個性を失わせたかも。ただし個々の必殺技は固定なので十分個性的。しかしポイント性になったので、好きなキャラの好きな技を重点的に鍛えられるようになったことで、逆にうっとうしくなったかもしれない。ただそれも、前作がとにかく無意味にでも魔法や技を使えば使うほどその魔法や技のレベルが上がっていくシステムよりは良くなったとも言える。このへんの判断は難しい。
ドリームキャストになったせいか、ポリゴングラフィックスが美しくなった。前作は単純、よく言えばポップな感じがしたが、今作は写実的になっていて、物語の世界にひたれる。難を言えば、キャラクターのモーションの数が少なくて、いつも決まった動作をする。主人公はこぶしをふりあげることが多いし、少女は両手を後ろ下に胸を突き出して抗議することが多い。
魔法のポリゴンアニメがとても美しい。あのグラフィックス最高峰のファイナルファンタジーシリーズと比べても遜色がない。効果音もとてもいい。魔法や技のときにキャラクターが喋るのもいい。いかにも声優というアニメ調だが、アニメ声に拒否反応さえなければ、そして繰り返し戦闘のたびに聞かされるのが気にならなければ、かなりいい感じだ。
音楽は、特に印象に残る曲はなかった。いや、やはり前作と同じメインテーマはすがすがしい。それと、戦闘のテーマも、聞き疲れしないというだけでそれなりの完成度がある。
しかし今作は、やっていてそんなに面白いとは思えなかった。なぜ面白くないのかを考えてみたら、いくつか思い当たったので書くことにする。
まず、冒険感が弱い。ちゃんと街から街へ、野山を駆け抜け洞窟をくぐり海を渡っているのだが、どうしてか前作のワクワク感に欠ける。やっつけプレイになってしまったからだろうか。前作では、冒険の途中で野営するところなんか、かなりグッとくるものがあったのだが、今作では序盤こそ野営があったが中盤後半と無くなっている。
新しい街にやってくるとワクワクしたものだが、今回は街がうっとうしくてならなかった。その理由は、街の人との会話にある。おそらく作った人の意図として、一回会話するだけで普通の情報が手に入り、二回目以降の台詞は会話が好きな人のためのオプションとして用意していたのだと思う。それは非常にいい考え方だと思うのだが、実際プレイしてみるととても中途半端に思えた。まあそれはプレイヤーの側にも責任があって、とにかくなんでもいいから街の人の台詞を全部聞こうと思う姿勢がよくないのかもしれない。
それに会話自体がとても説教臭い。会話の中に、カギ括弧入りの文章がたくさん出てくる。いちいち村人の言葉にカギ括弧を入れて、主人公たちがとても説教臭いことを村人に諭す。とくに獣人マレッグはその哲学からしてうっとうしい。おまえらはなにさまだと。いやヒーローさまだから別にいいのだけど、途中から急に主人公が無頼派じゃなくなってしまうのは不自然だしイヤらしい。
全体的なストーリーはとてもよくできている部類だと思う。秩序の神グラナスと、混沌の魔ヴァルマー。太古の対立という歴史、そしてあっと驚く裏の真実。ここで詳しくは述べないが、西欧のキリスト教の影響が濃い国には輸出できないと思う。
終盤がダレ過ぎ。もう何度か、これがラストダンジョンか、これがラスボスか、と思った。ダンジョンもボスもよくできている。難易度もそんなでもないのに、仕掛けといいグラフィックスといいラストの緊張感を高めてくれる非常にいいダンジョンやボスだ。しかし、ちょっとはぶいたほうがいいんじゃないかと思うほどやることが多すぎる。ついでにエンディングもしつこい。
評価は難しい。私はこの作品を傑作とは呼ばない。
物語の結末もうまくついていないので、後味がよくわからない。前作は前作で、ガイアという悪玉の説明づけがいまいちだったのだが、とにかくそのガイアを倒してめでたしめでたしという感じで丸くおさまっていた。今作は、ちょっと泣かせるところもあったけど、主人公周辺が全然説明されていないのはどうしてか。
私がクリアに掛かった時間は 30時間ぐらい。プレイ中に席を何度も立ったので、実際はもう少し短い。物語はやや短く感じるが、こんなものかなとも思える。オタク系のテイストが気にならずに手軽にプレイしたいのなら薦めることはできる。前作をプレイしたことがなく、このシリーズの洗練された戦闘システムをプレイするだけでも十分価値はある。ただ、やるなら前作の方がいい。