マンガ
学園もの
ゆゆ式 6巻まで
三上小又 (芳文社 まんがタイムKRコミックス)
傑作(30点)
2014年11月3日
名ばかりの情報処理部で毎日なにかのテーマを決めてネットで調べて結論を出す活動をしている高校生女子三人組による妙なテンションの4/8コマギャグマンガ。
2013年4月にアニメ化されたのを見て、最初は正直微妙(こればっか)だと思ったのだけど、「なんちゃってっつっちゃって」とヘンなテンションで歌いだす話を見てから少し引き込まれ、毎週なんとなく楽しみに視聴していた。原作を手に取るのは当然の流れだった。
題の「ゆゆ式」は当然日本語の「ゆゆしき」と掛けてあるのだろうけれど、別に「ゆゆしき」なにかがあるわけではないように思った。「ゆゆ」+「式」で、主人公の三人の女子高生の名前が「ゆずこ」「ゆい」「ゆかり」とすべて頭に「ゆ」がつくことからきている。
三人はトリオ漫才みたいな感じで、ぶっ飛んだ「ゆずこ」と天然おっとりの「ゆかり」の二人のボケに対して、常識人の「ゆい」が突っ込む形で進んでいく。お笑いトリオ「ネプチューン」にちょっと似てるかも。少しタイプが違うけれど、「ゆずこ」はホリケン(堀内健)に通じるものがあって、時々まわりがフォローできないほどわけのわからないことを言って場を微妙な空気にする。「ゆかり」は天然おっとりのお嬢様で、「ゆずこ」をフォローするつもりがボケをかぶせることになり、最後に常識人の「ゆい」が突っ込んで締める、みたいな。
芳文社系の4コママンガってギャグは予定調和的であんまり新味がなく、キャラクターの魅力で押してくる作品が多いように思うのだけど、萌えな絵に反してこの作品はギャグセンスで勝負していて、あまりキャラクターの個性を押していないところがとてもうまいと思う。○○ちゃんは△△なところがある、みたいな安易なキャラクターギャグがほとんどない。大金持ちのお嬢様「ゆかり」のお金持ちギャグもわずかだし。
じゃあ面白いのかというとそれは別というか、最初は五点満点で3.2点ぐらいかなと思いながら読み進めていったのだけど、既刊6巻まで読んでいくうちにどんどんこの作品に自分の感覚が合せられていって、最終的にこれ結構面白いぞというところまで来てしまった。このあたりもなにかホリケンの面白さに通じるところがある。主人公たちは女子高生三人組だけど、会話のしょうもなさは男子中高生同士の会話みたい。
他に主要登場人物として、情報処理部の顧問の通称「おかーさん」先生がいる。おっとりした先生のことを「おかーさん」と呼ぶのが面白い。おっぱい大きい。おっぱいいじりあり。そうそう、下ネタをほのめかすギャグあり。「おまめさん」まで出てきたときはヒヤヒヤしたけれど、さすがに露骨にはやっていなくて適当なことを言ってニヤニヤするだけ。下ネタに走ろうとしても「やめとこう」と踏みとどまる描写もあってなんか面白い。
主人公グループとは別の三人組も出てくる。でも、なもり「ゆるゆり」の生徒会役員組と違ってたまにしか出てこないし扱いも中途半端。その中で「相川さん」だけ、主人公グループが引き抜こうとしているんじゃないかってぐらい話に関わってくるのだけど、なんかちょっと壁があるみたいだし、「岡ちー」が時々「相川さん」の所有権を主張してくる。作者はこのグループをどうしたかったんだろうか。
海外の反応系のブログで紹介されていた海外のファンの意見の中で、この作品世界が実はツッコミ役「ゆい」の一人芝居説っていうのがあってウケた。「ゆい」が右手と左手に「ゆずこ」と「ゆかり」のパペットをはめて一人三役をやっているという想像。
量産型のキャラクターもの4コママンガとは一線を画したマンガとしてこの作品は貴重で面白いと思う。でも、お笑いトリオ「ネプチューン」みたいに受け付けない人もいそう。ベタじゃないギャグマンガでも楽しめそうなら手を出してみるといいと思う。
2013年4月にアニメ化されたのを見て、最初は正直微妙(こればっか)だと思ったのだけど、「なんちゃってっつっちゃって」とヘンなテンションで歌いだす話を見てから少し引き込まれ、毎週なんとなく楽しみに視聴していた。原作を手に取るのは当然の流れだった。
題の「ゆゆ式」は当然日本語の「ゆゆしき」と掛けてあるのだろうけれど、別に「ゆゆしき」なにかがあるわけではないように思った。「ゆゆ」+「式」で、主人公の三人の女子高生の名前が「ゆずこ」「ゆい」「ゆかり」とすべて頭に「ゆ」がつくことからきている。
三人はトリオ漫才みたいな感じで、ぶっ飛んだ「ゆずこ」と天然おっとりの「ゆかり」の二人のボケに対して、常識人の「ゆい」が突っ込む形で進んでいく。お笑いトリオ「ネプチューン」にちょっと似てるかも。少しタイプが違うけれど、「ゆずこ」はホリケン(堀内健)に通じるものがあって、時々まわりがフォローできないほどわけのわからないことを言って場を微妙な空気にする。「ゆかり」は天然おっとりのお嬢様で、「ゆずこ」をフォローするつもりがボケをかぶせることになり、最後に常識人の「ゆい」が突っ込んで締める、みたいな。
芳文社系の4コママンガってギャグは予定調和的であんまり新味がなく、キャラクターの魅力で押してくる作品が多いように思うのだけど、萌えな絵に反してこの作品はギャグセンスで勝負していて、あまりキャラクターの個性を押していないところがとてもうまいと思う。○○ちゃんは△△なところがある、みたいな安易なキャラクターギャグがほとんどない。大金持ちのお嬢様「ゆかり」のお金持ちギャグもわずかだし。
じゃあ面白いのかというとそれは別というか、最初は五点満点で3.2点ぐらいかなと思いながら読み進めていったのだけど、既刊6巻まで読んでいくうちにどんどんこの作品に自分の感覚が合せられていって、最終的にこれ結構面白いぞというところまで来てしまった。このあたりもなにかホリケンの面白さに通じるところがある。主人公たちは女子高生三人組だけど、会話のしょうもなさは男子中高生同士の会話みたい。
他に主要登場人物として、情報処理部の顧問の通称「おかーさん」先生がいる。おっとりした先生のことを「おかーさん」と呼ぶのが面白い。おっぱい大きい。おっぱいいじりあり。そうそう、下ネタをほのめかすギャグあり。「おまめさん」まで出てきたときはヒヤヒヤしたけれど、さすがに露骨にはやっていなくて適当なことを言ってニヤニヤするだけ。下ネタに走ろうとしても「やめとこう」と踏みとどまる描写もあってなんか面白い。
主人公グループとは別の三人組も出てくる。でも、なもり「ゆるゆり」の生徒会役員組と違ってたまにしか出てこないし扱いも中途半端。その中で「相川さん」だけ、主人公グループが引き抜こうとしているんじゃないかってぐらい話に関わってくるのだけど、なんかちょっと壁があるみたいだし、「岡ちー」が時々「相川さん」の所有権を主張してくる。作者はこのグループをどうしたかったんだろうか。
海外の反応系のブログで紹介されていた海外のファンの意見の中で、この作品世界が実はツッコミ役「ゆい」の一人芝居説っていうのがあってウケた。「ゆい」が右手と左手に「ゆずこ」と「ゆかり」のパペットをはめて一人三役をやっているという想像。
量産型のキャラクターもの4コママンガとは一線を画したマンガとしてこの作品は貴重で面白いと思う。でも、お笑いトリオ「ネプチューン」みたいに受け付けない人もいそう。ベタじゃないギャグマンガでも楽しめそうなら手を出してみるといいと思う。