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スポーツ
イチローの打撃が下がった理由
李 啓充 (週刊文春 2002.10.10)
まあまあ(10点)
2002年10月5日
イチローの打率が下がったのは、スポーツ・イラストレイテッド誌の表紙を飾ったかららしい。
作者は元ハーバード大学医学部助教授でいまは大リーグコラムニストになった李啓充。連載中に転職したような…。
スポーツ・イラストレイテッド誌に載ると不幸なことが起きるというジンクスがあるそうだ。イチローが首位打者を取った去年、前年の首位打者ガルシアパーラはシーズン直前にこの雑誌の表紙を飾り、その数日後に手首の故障でシーズンの大半を棒に振ったそうだ。つまりイチロー最大のライバルになるはずだった相手がいなくなった。
そして今年、イチローがこの雑誌の表紙を飾ったのが、ちょうど打率を落とし始めた夏のことだった。
もっと運の悪い人もいる。掲載直後に木に激突して四肢麻痺になったスキーヤー、大会出場のため乗った飛行機が墜落した選手、心臓発作で死亡など。
似たようなジンクスとしてこれまでに、ベーブ・ルースを批判すると著者本人が不幸になるというのも紹介していて、李啓充自身書いた直後に家が火事になったそうだ。
というアメリカ本土に住んでいないと分からないようないろいろな話を作者はこの連載でたびたび紹介してくれる。ここでは不幸な話ばかりしか紹介していないが、向こうのヤンキースファンとかレッドソックスファンの実態とか、名選手の偉業とかを、独特の落ち着きながらもポンポンと軽く跳ねるようなそれでいてほのぼのした文章でつづっている。毎週楽しみにしているというほどの文章ではないが、本来そんなにスポーツに興味のない私でも毎週欠かさず読んでいる。
イチローの打率の話は、日本に来て医師会が主催した学習会での公演後に行われた質疑応答の中で、突然イチローの打率についての質問を投げた医者がいて、その質問への答えをそのまま載せたという形になっている。冒頭と末尾のまとめかたが軽妙で知的だった。質問した医師は、作者の説明にとても納得して、「エビデンス(証拠)の数々に基づく説明に疑問が氷解」と言ったそうだが、肝心の日本の医療の将来の重苦しい不安感は解消されなかったと結んでいる。
作者は元ハーバード大学医学部助教授でいまは大リーグコラムニストになった李啓充。連載中に転職したような…。
スポーツ・イラストレイテッド誌に載ると不幸なことが起きるというジンクスがあるそうだ。イチローが首位打者を取った去年、前年の首位打者ガルシアパーラはシーズン直前にこの雑誌の表紙を飾り、その数日後に手首の故障でシーズンの大半を棒に振ったそうだ。つまりイチロー最大のライバルになるはずだった相手がいなくなった。
そして今年、イチローがこの雑誌の表紙を飾ったのが、ちょうど打率を落とし始めた夏のことだった。
もっと運の悪い人もいる。掲載直後に木に激突して四肢麻痺になったスキーヤー、大会出場のため乗った飛行機が墜落した選手、心臓発作で死亡など。
似たようなジンクスとしてこれまでに、ベーブ・ルースを批判すると著者本人が不幸になるというのも紹介していて、李啓充自身書いた直後に家が火事になったそうだ。
というアメリカ本土に住んでいないと分からないようないろいろな話を作者はこの連載でたびたび紹介してくれる。ここでは不幸な話ばかりしか紹介していないが、向こうのヤンキースファンとかレッドソックスファンの実態とか、名選手の偉業とかを、独特の落ち着きながらもポンポンと軽く跳ねるようなそれでいてほのぼのした文章でつづっている。毎週楽しみにしているというほどの文章ではないが、本来そんなにスポーツに興味のない私でも毎週欠かさず読んでいる。
イチローの打率の話は、日本に来て医師会が主催した学習会での公演後に行われた質疑応答の中で、突然イチローの打率についての質問を投げた医者がいて、その質問への答えをそのまま載せたという形になっている。冒頭と末尾のまとめかたが軽妙で知的だった。質問した医師は、作者の説明にとても納得して、「エビデンス(証拠)の数々に基づく説明に疑問が氷解」と言ったそうだが、肝心の日本の医療の将来の重苦しい不安感は解消されなかったと結んでいる。
(最終更新日: 2002年10月5日 by ひっちぃ)