マンガ
学園もの
俺物語!!
作画:アルコ 原作:河原和音 (集英社 マーガレットコミックス)
まあまあ(10点)
2016年11月20日
ゴリマッチョ(ゴリラのような筋肉質の男)な剛田猛男には、イケメン優男の砂川くんという幼馴染の親友がいた。二人はとても仲良しだったが、女の子にモテるのはいつも砂川くんのほうだった。そんなある日、二人は電車の中で痴漢にあっていた女の子を助けた。その女の子、大和さんはお礼がしたいと言うが、砂川くん目当てに違いないと猛男は思うのだった。少女マンガ。
2016年にアニメ化されたのを見て、いままでの少女マンガにない異色の主人公が面白かったのと、原作の河原和音の「高校デビュー」がとても面白かったので、このコミックスのほうに手を出してみた。
少女マンガなのに主人公が女の子ではなく、しかもゴリゴリのゴリマッチョというのが超ウケる。これだけで出オチになっている。ヒロインの大和さんは、かわいい系の女の子なのだけど、人に言いにくい本音を抱えている。
剛田猛男はあまり頭がよくなくて恋にも疎い柔道バカなのだけど、自分なりに色々と考えている。相手の気持ちが分からないなりに、相手のためになることをしてやりたいと思って行動する。そしてそれが最初はうまくいかなくても、周りの人に教えられてだんだん理解して成長していく。この作品はそんな不器用な男の成長物語になっている。
剛田猛男はバカでこっけいな男で、そこがギャグになっていて笑い飛ばす趣向になっているのだけど、一方で男友達からはとても人気があって信頼されているし、砂川くんの美人のお姉さんからは密かに慕われている。こういう設定のおかげで安心して猛男のことを笑い飛ばせる。
で、結局大和さんは猛男のことが好きで二人は付き合うことになって、作中のほとんどが二人の不器用な交際の描写にあてられる。大和さんもおそらく交際は初めてで、初々しい二人がとても微笑ましい。学校が違うので、いつもどこかで待ち合わせて、おかしづくりが得意な大和さんがいつも色んなおかしを作ってくるのを猛男と砂川くんが食べて会話してデートみたいになる。砂川くんが毎度絡むのは、二人をくっつけてくれたキューピット役だからだし、猛男の親友だから。
砂川くんも完璧超人ではなくて、女の子にモテるけれど自分から好きになったことはなく、いつも断るので付き合ったこともない。基本的にはおとなしい性格をしていて、むやみに他人を傷つけるようなことはしない。猛男に頼られて毎回アドバイスはするけれど自信はない。
大和さんはかわいい系の女の子なのだけど、猛男みたいな変わり種を好きになったという点で同級生の女の子たちから最初は変人扱いされる。でも徐々にみんな猛男の良さを分かってくる。合コンをセッティングしてグループ交際みたいなのも始まるし、その中からカップルも誕生する。
大和さんが猛男の体に惹かれていることを素直に告白するところがとてもかわいい。体といってもとりあえずは手をつなぎたいとかそのへんから。いまの若い人がどう思っているのか知らないけれど、自分がこのぐらいの年の頃は相手の見た目や体に惹かれていると自覚することだけでも恥ずかしくて認めたくなかった。
猛男が大和さんと手をつないで歩こうとして毎回慣れなくてフォークダンスみたいになるところがちょーウケた。自分は純粋なんかじゃなくてあざといんだということをためらいながら話すところがすごくよかった。
で、二人の交際は続いていくんだけど、毎回毎回冒頭で猛男が心の中で大きく「好きだ」と気持ちを爆発させるところがいつもの流れになっていて毎度笑った。長編ラブコメにありがちな、二人の仲の危機みたいなのもあるけれど、全体に占める割合はかなり少ない方だと思う。
その後の展開も色々あって飽きさせないのだけど、終盤の展開だけちょっといまいちだと思った。まあ結末をつけるにはああいうふうにしてでも盛り上げるのが一番だと判断したんだろうか。
原作の河原和音はネームまで描いているらしい。ネームというとストーリーからコマ割りからセリフまで出来ている状態なので、残る作業は下絵とペン入れ?キャラクターデザインは作画のアルコ。河原和音が空きスペースで猛男とか砂川くんなんかを描いているのだけど、絵のタッチが違うので全然再現できていなくて面白かった。河原和音はベテランのマンガ家で絵もかなりうまい方だと思うのだけど、アルコの絵あってのこの作品だということがよくわかる。この人の絵はちょっと雑だと思えるところもあるけれど、表情が豊かで見ていてほっこりする。
というわけでとてもいい作品だとは思うのだけど、自分としては猛男にあまり感情移入できなかったし、大和さんみたいな女の子ってかわいいけれどそれほど好みではなかったので、自分はそんなに熱心に読むとまではいかなかった。あらすじや登場人物紹介を読んでピンと来た人だったら読んでみるといいと思う。
2016年にアニメ化されたのを見て、いままでの少女マンガにない異色の主人公が面白かったのと、原作の河原和音の「高校デビュー」がとても面白かったので、このコミックスのほうに手を出してみた。
少女マンガなのに主人公が女の子ではなく、しかもゴリゴリのゴリマッチョというのが超ウケる。これだけで出オチになっている。ヒロインの大和さんは、かわいい系の女の子なのだけど、人に言いにくい本音を抱えている。
剛田猛男はあまり頭がよくなくて恋にも疎い柔道バカなのだけど、自分なりに色々と考えている。相手の気持ちが分からないなりに、相手のためになることをしてやりたいと思って行動する。そしてそれが最初はうまくいかなくても、周りの人に教えられてだんだん理解して成長していく。この作品はそんな不器用な男の成長物語になっている。
剛田猛男はバカでこっけいな男で、そこがギャグになっていて笑い飛ばす趣向になっているのだけど、一方で男友達からはとても人気があって信頼されているし、砂川くんの美人のお姉さんからは密かに慕われている。こういう設定のおかげで安心して猛男のことを笑い飛ばせる。
で、結局大和さんは猛男のことが好きで二人は付き合うことになって、作中のほとんどが二人の不器用な交際の描写にあてられる。大和さんもおそらく交際は初めてで、初々しい二人がとても微笑ましい。学校が違うので、いつもどこかで待ち合わせて、おかしづくりが得意な大和さんがいつも色んなおかしを作ってくるのを猛男と砂川くんが食べて会話してデートみたいになる。砂川くんが毎度絡むのは、二人をくっつけてくれたキューピット役だからだし、猛男の親友だから。
砂川くんも完璧超人ではなくて、女の子にモテるけれど自分から好きになったことはなく、いつも断るので付き合ったこともない。基本的にはおとなしい性格をしていて、むやみに他人を傷つけるようなことはしない。猛男に頼られて毎回アドバイスはするけれど自信はない。
大和さんはかわいい系の女の子なのだけど、猛男みたいな変わり種を好きになったという点で同級生の女の子たちから最初は変人扱いされる。でも徐々にみんな猛男の良さを分かってくる。合コンをセッティングしてグループ交際みたいなのも始まるし、その中からカップルも誕生する。
大和さんが猛男の体に惹かれていることを素直に告白するところがとてもかわいい。体といってもとりあえずは手をつなぎたいとかそのへんから。いまの若い人がどう思っているのか知らないけれど、自分がこのぐらいの年の頃は相手の見た目や体に惹かれていると自覚することだけでも恥ずかしくて認めたくなかった。
猛男が大和さんと手をつないで歩こうとして毎回慣れなくてフォークダンスみたいになるところがちょーウケた。自分は純粋なんかじゃなくてあざといんだということをためらいながら話すところがすごくよかった。
で、二人の交際は続いていくんだけど、毎回毎回冒頭で猛男が心の中で大きく「好きだ」と気持ちを爆発させるところがいつもの流れになっていて毎度笑った。長編ラブコメにありがちな、二人の仲の危機みたいなのもあるけれど、全体に占める割合はかなり少ない方だと思う。
その後の展開も色々あって飽きさせないのだけど、終盤の展開だけちょっといまいちだと思った。まあ結末をつけるにはああいうふうにしてでも盛り上げるのが一番だと判断したんだろうか。
原作の河原和音はネームまで描いているらしい。ネームというとストーリーからコマ割りからセリフまで出来ている状態なので、残る作業は下絵とペン入れ?キャラクターデザインは作画のアルコ。河原和音が空きスペースで猛男とか砂川くんなんかを描いているのだけど、絵のタッチが違うので全然再現できていなくて面白かった。河原和音はベテランのマンガ家で絵もかなりうまい方だと思うのだけど、アルコの絵あってのこの作品だということがよくわかる。この人の絵はちょっと雑だと思えるところもあるけれど、表情が豊かで見ていてほっこりする。
というわけでとてもいい作品だとは思うのだけど、自分としては猛男にあまり感情移入できなかったし、大和さんみたいな女の子ってかわいいけれどそれほど好みではなかったので、自分はそんなに熱心に読むとまではいかなかった。あらすじや登場人物紹介を読んでピンと来た人だったら読んでみるといいと思う。