映画、テレビ番組、舞台芸術
アニメ
ヴァイオレット・エヴァーガーデン アニメ版 5話まで
制作:京都アニメーション 原作:暁佳奈
いまいち(-10点)
2018年4月15日
まるで機械のように戦うことしか知らなかった少女が、ずっと一緒に戦ってきた「少佐」から最後にある言葉を言われる。戦争が終わり「少佐」と離れ離れになった少女は、その言葉の意味を求めながら、「少佐」の友人だという元「中佐」のもとで代筆業として働くことになるが、複雑な心を持つ人々の真意をくみ取らなければならず戸惑う。アニメ。
定期的に京アニのアニメをこき下ろすという誰も得をしないシリーズを結果的にやってしまっているのだけど、批評したくなる作品がこれぐらいしかなく、そうならざるをえないのだからしょうがない。京アニが主催しているライトノベルの文学賞で唯一の大賞作だという暁佳奈という人の同名原作小説のアニメ化。
要は孤児育ちですぐ戦場に行った人並みの感情を持たない純粋な少女が、普通の人々と触れ合うことで人間の感情の機微を知っていくという非常にあざとい作品。とはいっても5話まで視聴してきて各話いい話だなあと思ったのだけど、自分がちっともこの作品を楽しめていないことに気づいたので見るのをやめることにした。
なぜか考えてみると、この可憐で不器用な少女のことを見守りたいと思うことが出来なかったからだと思う。その理由は、少女が長年一緒に戦ってきた「少佐」に対してどんな思いを抱いてきたのかが伝わってこなかったからだろうか。過酷な経験をしてきた彼女が人間らしい感情を持たないまま育ってきたせいだからしょうがないっちゃしょうがないんだけど、彼女の意志らしきものといえば「少佐」への固執ぐらい。行く先々で「少佐」の消息を聴く彼女はまるで捨てられた子犬のようにけなげだったけれど、ほかは外見がかわいいだとか手が義手だとか、いかにもオタク的な萌え要素しか魅力がなかった。
彼女は感情のないキャラなのだけど、孤児で戦場育ちなのに言葉遣いは丁寧だし、なぜか他人に気を使ってもいる。やっぱりキャラ造形がおかしいと思う。戦場だったら必要なことしか言わないほうがいいのでぶっきらぼうになりそうだし、他人に気を遣うようなキャラだったら感情がないわけなくて普段からビクビクしていそうなものだと思う。
出てくる登場人物がみんなステレオタイプで面白みに乏しかった。「少佐」の友人だった元「中佐」は絵に描いたようないい人だし、同僚たちも気さくな男の子とかちょっと険のある女の子とかだし、代筆学校の先生とか生徒たちとかこれ以上書くのもバカバカしいほどありきたりで気持ち悪くなった。
各話なにかしら想いを伝えたい人々の間を仲介するエピソードがつづられるのだけど、人の機微どころか感情もろくに知らない彼女がやることといえば、まわりくどいことをせずに直球で行動するばかり。
で結局5話の最後の引きを見て、すごくありがちな展開やベタベタなキャラが出てきたところで、視聴に耐えられなくなったので見るのをやめた。
代筆業の女性たちのことを「自動式(手記?)機械人形」と呼んでいるところとかいちいち好きになれなかった。
じゃあどういう作品だったら面白かったのか(別に考えてみる必要なんてないんだろうけれど)。たぶん少女マンガだったら主人公の少女は元気だけが取り柄の女の子で、アホみたいなことをして人々の問題をこじらせながら最後は直球で…って同じかw でも少なくともヒロインは訳の分からない無表情キャラじゃないから何かしら感情移入できるだろうし一般受けしそう。リアクションもかわいいだろうし。あー、リアクションか。いきいきとした言葉のやりとりってやっぱり必要なんだろうか。いや逆に椎名軽穂「君に届け」みたいな内気なキャラでも共感得られそう。なんにしてもなんで機械みたいなキャラにしたんだろう。幼い精神のヒロインをめでるいびつなオタク向け作品としか思えない。そういうの自分も嫌いじゃないつもりだったのだけど、なんでこんなに楽しめないんだろう。
絵はジブリになりそこねた京アニっぽい一般受けしそうな感じで、萌え的にはヒロインとかがかわいい以外にはあまり魅力を感じなかった(素直にヒロインかわいいと言えばいいところをこう言ってしまう)。ジブリ路線を狙っているなら、ストーリーも一般受けを狙って、深夜アニメ好きじゃない普通の人にも勧められるようなものにしたほうがいいと思う。
最初にちょっとだけ言ったように、この作品は話の筋としてはよく出来ていると思う。原作はいいんだろうか。でも自分は原作を読む気になれなかった。無機質な美少女がツボにハマりそうな人は見てみればいいと思う。
定期的に京アニのアニメをこき下ろすという誰も得をしないシリーズを結果的にやってしまっているのだけど、批評したくなる作品がこれぐらいしかなく、そうならざるをえないのだからしょうがない。京アニが主催しているライトノベルの文学賞で唯一の大賞作だという暁佳奈という人の同名原作小説のアニメ化。
要は孤児育ちですぐ戦場に行った人並みの感情を持たない純粋な少女が、普通の人々と触れ合うことで人間の感情の機微を知っていくという非常にあざとい作品。とはいっても5話まで視聴してきて各話いい話だなあと思ったのだけど、自分がちっともこの作品を楽しめていないことに気づいたので見るのをやめることにした。
なぜか考えてみると、この可憐で不器用な少女のことを見守りたいと思うことが出来なかったからだと思う。その理由は、少女が長年一緒に戦ってきた「少佐」に対してどんな思いを抱いてきたのかが伝わってこなかったからだろうか。過酷な経験をしてきた彼女が人間らしい感情を持たないまま育ってきたせいだからしょうがないっちゃしょうがないんだけど、彼女の意志らしきものといえば「少佐」への固執ぐらい。行く先々で「少佐」の消息を聴く彼女はまるで捨てられた子犬のようにけなげだったけれど、ほかは外見がかわいいだとか手が義手だとか、いかにもオタク的な萌え要素しか魅力がなかった。
彼女は感情のないキャラなのだけど、孤児で戦場育ちなのに言葉遣いは丁寧だし、なぜか他人に気を使ってもいる。やっぱりキャラ造形がおかしいと思う。戦場だったら必要なことしか言わないほうがいいのでぶっきらぼうになりそうだし、他人に気を遣うようなキャラだったら感情がないわけなくて普段からビクビクしていそうなものだと思う。
出てくる登場人物がみんなステレオタイプで面白みに乏しかった。「少佐」の友人だった元「中佐」は絵に描いたようないい人だし、同僚たちも気さくな男の子とかちょっと険のある女の子とかだし、代筆学校の先生とか生徒たちとかこれ以上書くのもバカバカしいほどありきたりで気持ち悪くなった。
各話なにかしら想いを伝えたい人々の間を仲介するエピソードがつづられるのだけど、人の機微どころか感情もろくに知らない彼女がやることといえば、まわりくどいことをせずに直球で行動するばかり。
で結局5話の最後の引きを見て、すごくありがちな展開やベタベタなキャラが出てきたところで、視聴に耐えられなくなったので見るのをやめた。
代筆業の女性たちのことを「自動式(手記?)機械人形」と呼んでいるところとかいちいち好きになれなかった。
じゃあどういう作品だったら面白かったのか(別に考えてみる必要なんてないんだろうけれど)。たぶん少女マンガだったら主人公の少女は元気だけが取り柄の女の子で、アホみたいなことをして人々の問題をこじらせながら最後は直球で…って同じかw でも少なくともヒロインは訳の分からない無表情キャラじゃないから何かしら感情移入できるだろうし一般受けしそう。リアクションもかわいいだろうし。あー、リアクションか。いきいきとした言葉のやりとりってやっぱり必要なんだろうか。いや逆に椎名軽穂「君に届け」みたいな内気なキャラでも共感得られそう。なんにしてもなんで機械みたいなキャラにしたんだろう。幼い精神のヒロインをめでるいびつなオタク向け作品としか思えない。そういうの自分も嫌いじゃないつもりだったのだけど、なんでこんなに楽しめないんだろう。
絵はジブリになりそこねた京アニっぽい一般受けしそうな感じで、萌え的にはヒロインとかがかわいい以外にはあまり魅力を感じなかった(素直にヒロインかわいいと言えばいいところをこう言ってしまう)。ジブリ路線を狙っているなら、ストーリーも一般受けを狙って、深夜アニメ好きじゃない普通の人にも勧められるようなものにしたほうがいいと思う。
最初にちょっとだけ言ったように、この作品は話の筋としてはよく出来ていると思う。原作はいいんだろうか。でも自分は原作を読む気になれなかった。無機質な美少女がツボにハマりそうな人は見てみればいいと思う。