映画、テレビ番組、舞台芸術
バラエティ番組
勇者ああああ 〜ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組〜
テレビ東京
まあまあ(10点)
2018年5月28日
お笑い芸人コンビのアルコ&ピースが司会をしているライトなTVゲーム番組。これまでに色んなTVゲーム番組があり、新しいゲームソフトの紹介や攻略法の説明や視聴者参加型なんかがあったけれど、そういうのを一切やらずにTVゲームについてよく知らない人が見ても楽しめそうな部分をすくい取っているのが最大の特徴。
番組改編期にテレビ番組表を見ていたら見つけたので見てみたら割と面白かったのでずっと見続けている。
この番組の基本は、司会のアルコ&ピースの二人に加えて毎回異なるゲストを読んで大体四人ぐらいで一つのゲームのある部分だけをプレイして、うまくいかなかったら低周波治療器で電流を流される罰ゲームを受ける、というもの。要は動画サイトで人気のあるゲーム実況そのものなのだけど、地上波でダラダラやるのは電波の無駄なので、ゲームの中で見ていて面白そうな部分だけをプロの芸人たちがやるというコンセプトだと思う。
たとえば「ストリートファイター2で波動拳だけで敵を倒す」というのがあって、波動拳を出すにはコントローラの操作に慣れが要るので確実に出すのは難しく、代わりばんこにやると必ず誰かが失敗してしまう。成功し続けないといけないという緊張と、失敗したときの緩和が笑いを生む。どうやって敵を倒すか、みたいな難しいことは考えずに、ちょっとした操作をただただ失敗なく繰り返せるか、という誰にでも理解できることを、ゲーム画面で見せている。
「アトランティスの謎」という非常にマニアックなゲームが使われたことがあるのだけど、連続でジャンプを決めなければならない難所を通過する、といったようにプレイする部分を絞っている。画面に切り立った崖が映っていて、主人公がテコテコと走っていて、きっとボタン操作でジャンプするんだろうなあ、というようなことはゲームを知らなくても分かる。だから間口の広い番組になっている。
昔ソニーが初代プレイステーションの黎明期にパラッパラッパーなどのライトゲームを前面に出していて、コマーシャルなんかもゲーム画面をあえて出さずにイメージ広告のようなものを流し続けていたことがあった。任天堂もWiiで幅広い層へのゲームの浸透を目指してパーティゲームのようなものをウリにして株価がうなぎのぼりになったことがあった。でも、そんなに消費者にすり寄らなくても、レトロゲームのドット絵なんかでも見ているだけで面白さが伝わるのだ。リアルなCGだとか、なんとなくボタン押していればクリアできてしまう単純さ、なんていうのはそんなに重要じゃない。ゲームの根源的な魅力を伝えようという鋭い狙いだと思う。
ゲーム実況だけでなく、隠れた名作の良さをプレゼンするコーナーも不定期である。まずそのゲームの突飛な要素とか時期の悪さなどといった売れなかった理由の説明から入り、ここがすごいというポイントを一つ一つ紹介していく。マニアックなゲームばかりなのだけど、ゲームの内容を要点に絞って説明してくれるので、実際にプレイしてみせてもらうよりも分かりやすくて面白い。「リンダキューブアゲイン」「ガンパレードマーチ」なんかが取り上げられていた。「ライブ・ア・ライブ」は自分もちょろっとやっただけで投げ出していたのだけど、もう一度プレイしてみたくなった。
司会のアルコ&ピースは体育会系のお笑い芸人コンビで、「とんねるず」を思わせるようなあまりゲームに縁のなさそうな感じ。ゲーム好きを名乗るにわかアイドルを斬るといったミニコーナーだとか、毎回呼ばれるしょぼいゲストに悪態をつくのだけど、ゲームそのものに対しては割とニュートラルに向き合っていてそれほどいやらしさがない。これまでのゲーム番組って、出演者がどこかゲームをバカにしていたり、仕事だから持ち上げていますといった姿勢が透けて見えたりしたのだけど、アルコ&ピースの二人にはあまりそういうのは感じなかった。時代の変化も大きいのかもしれない。
ちなみに自分は「とんねるず」が嫌いなのでよく分かっていないのかもしれないけれど、もしいまのテレビがかつてのように予算も潤沢で志が高かったら、いまごろアルコ&ピースは「とんねるず」のようなポジションのメジャーな売れっ子芸人になっていたと思う。「とんねるず」は体育会系の部活によくいるウザくてちょっとだけ面白い先輩みたいだから売れたとテレビ評論家の誰かが言っていて自分もそのとおりだと思ったのだけど、アルコ&ピースの平子や酒井はでかい態度にほんのちょっと謙虚な姿勢が見えて、石橋貴明のようなイヤらしさをそれほど感じない(石橋貴明はおどけていても唯我独尊な感じがする)。MCも安定していて、ゲストにくる売れない芸人の扱いもうまいと思う。
ナレーションをあのお笑い芸人コンビ三四郎の小宮じゃないほうの相田がやっているらしくてびっくりした。ちょっとクセがあるけれど、プロのナレーターのクオリティでまったくアラがない。
ここまで書いていてこの番組がすごく面白いかのように紹介してしまっているけれど、そこまで面白いかというと微妙なところで、あくまで気軽に見るにはいいという程度なのであまり過度な期待はしないでほしい。ものまね芸人にものまねでゲーム実況をさせるなどのゆるい企画もあり、そっちのほうが面白いという人もきっといるのだろうけれど、くだらなすぎて自分は飛ばし見することもあった。
番組改編期にテレビ番組表を見ていたら見つけたので見てみたら割と面白かったのでずっと見続けている。
この番組の基本は、司会のアルコ&ピースの二人に加えて毎回異なるゲストを読んで大体四人ぐらいで一つのゲームのある部分だけをプレイして、うまくいかなかったら低周波治療器で電流を流される罰ゲームを受ける、というもの。要は動画サイトで人気のあるゲーム実況そのものなのだけど、地上波でダラダラやるのは電波の無駄なので、ゲームの中で見ていて面白そうな部分だけをプロの芸人たちがやるというコンセプトだと思う。
たとえば「ストリートファイター2で波動拳だけで敵を倒す」というのがあって、波動拳を出すにはコントローラの操作に慣れが要るので確実に出すのは難しく、代わりばんこにやると必ず誰かが失敗してしまう。成功し続けないといけないという緊張と、失敗したときの緩和が笑いを生む。どうやって敵を倒すか、みたいな難しいことは考えずに、ちょっとした操作をただただ失敗なく繰り返せるか、という誰にでも理解できることを、ゲーム画面で見せている。
「アトランティスの謎」という非常にマニアックなゲームが使われたことがあるのだけど、連続でジャンプを決めなければならない難所を通過する、といったようにプレイする部分を絞っている。画面に切り立った崖が映っていて、主人公がテコテコと走っていて、きっとボタン操作でジャンプするんだろうなあ、というようなことはゲームを知らなくても分かる。だから間口の広い番組になっている。
昔ソニーが初代プレイステーションの黎明期にパラッパラッパーなどのライトゲームを前面に出していて、コマーシャルなんかもゲーム画面をあえて出さずにイメージ広告のようなものを流し続けていたことがあった。任天堂もWiiで幅広い層へのゲームの浸透を目指してパーティゲームのようなものをウリにして株価がうなぎのぼりになったことがあった。でも、そんなに消費者にすり寄らなくても、レトロゲームのドット絵なんかでも見ているだけで面白さが伝わるのだ。リアルなCGだとか、なんとなくボタン押していればクリアできてしまう単純さ、なんていうのはそんなに重要じゃない。ゲームの根源的な魅力を伝えようという鋭い狙いだと思う。
ゲーム実況だけでなく、隠れた名作の良さをプレゼンするコーナーも不定期である。まずそのゲームの突飛な要素とか時期の悪さなどといった売れなかった理由の説明から入り、ここがすごいというポイントを一つ一つ紹介していく。マニアックなゲームばかりなのだけど、ゲームの内容を要点に絞って説明してくれるので、実際にプレイしてみせてもらうよりも分かりやすくて面白い。「リンダキューブアゲイン」「ガンパレードマーチ」なんかが取り上げられていた。「ライブ・ア・ライブ」は自分もちょろっとやっただけで投げ出していたのだけど、もう一度プレイしてみたくなった。
司会のアルコ&ピースは体育会系のお笑い芸人コンビで、「とんねるず」を思わせるようなあまりゲームに縁のなさそうな感じ。ゲーム好きを名乗るにわかアイドルを斬るといったミニコーナーだとか、毎回呼ばれるしょぼいゲストに悪態をつくのだけど、ゲームそのものに対しては割とニュートラルに向き合っていてそれほどいやらしさがない。これまでのゲーム番組って、出演者がどこかゲームをバカにしていたり、仕事だから持ち上げていますといった姿勢が透けて見えたりしたのだけど、アルコ&ピースの二人にはあまりそういうのは感じなかった。時代の変化も大きいのかもしれない。
ちなみに自分は「とんねるず」が嫌いなのでよく分かっていないのかもしれないけれど、もしいまのテレビがかつてのように予算も潤沢で志が高かったら、いまごろアルコ&ピースは「とんねるず」のようなポジションのメジャーな売れっ子芸人になっていたと思う。「とんねるず」は体育会系の部活によくいるウザくてちょっとだけ面白い先輩みたいだから売れたとテレビ評論家の誰かが言っていて自分もそのとおりだと思ったのだけど、アルコ&ピースの平子や酒井はでかい態度にほんのちょっと謙虚な姿勢が見えて、石橋貴明のようなイヤらしさをそれほど感じない(石橋貴明はおどけていても唯我独尊な感じがする)。MCも安定していて、ゲストにくる売れない芸人の扱いもうまいと思う。
ナレーションをあのお笑い芸人コンビ三四郎の小宮じゃないほうの相田がやっているらしくてびっくりした。ちょっとクセがあるけれど、プロのナレーターのクオリティでまったくアラがない。
ここまで書いていてこの番組がすごく面白いかのように紹介してしまっているけれど、そこまで面白いかというと微妙なところで、あくまで気軽に見るにはいいという程度なのであまり過度な期待はしないでほしい。ものまね芸人にものまねでゲーム実況をさせるなどのゆるい企画もあり、そっちのほうが面白いという人もきっといるのだろうけれど、くだらなすぎて自分は飛ばし見することもあった。
[参考]
http://www.tv-tokyo.co.jp/aaaa/
(最終更新日: 2018年5月28日 by ひっちぃ)