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色づく世界の明日から

監督:篠原俊哉 制作:P. A. Works

いまいち(-10点)
2019年1月13日
ひっちぃ

魔法が存在する空想近未来の日本で、心因的な問題により幼い頃に色彩を見ることが出来なくなってしまった高校二年生の女の子・月白瞳美は、祖母の魔法により六十年前の2018年の日本に旅をする。そこで出会った同年代の人たちと仲良くなり、心を癒していく。アニメ。

なんか海外の反応が良いみたいなので最後まで見てみたのだけど、さっぱり面白くなくて腹が立ったのでこき下ろすことにする。

たぶんこの作品の一番の魅力は、心に問題を抱えているか弱い美少女が戸惑ったり感激したりする感情の動きを楽しめるところだと思う。ついで、なんか青春まっさかりの若者たちが友情したり恋愛したりするところだろうか。たぶんそういうコンセプトで作品を作っているんだと思う。

でもほんと中身がスッカスカでどうしようもない。ヒロインの心の問題は結局のところ魔法を使えなかった母親が一族の中で居場所を失って失踪したところに因っていて、本人には何の問題もない。それで彼女は世界が白黒にしか見えなくなっているのだけど、単にアニメの演出をするための趣向でしかないし、ずっと彼女の視点なわけじゃないのでここぞというときだけいったん白黒になるところがあざとくてしょうがない。

ここからちょっとネタバレすると、仲良くなった少年の描く絵だけがカラフルに見えるんだけど、それは彼女の心の脈動がそうさせたのではなくて、単にその少年が大きくなってから描いた絵本を母親が与えてくれていただけだったということが最終話で明かされる。アホかと。お前は過去になにしにいったのかと。あ、その少年に絵を続けさせて絵本を描かせたのか。でもこの理屈だと別に少年が絵本を絵が描かなくても他の誰かの描いた絵本を母親からもらっていることになるわけで因果がおかしい。

若者たちの群像劇もうすっぺらい。ヒロインがひょっこり現れたことで、一人の男がヒロインに引き寄せられ、そのせいで一人の女の子が失恋する。そこまではまあいいとしても、どうしようもないうすっぺらい友情ごっこでヒロインとその女の子が和解して、お互いに感極まる描写を見せられる。

絵と音楽は本当に素晴らしいのに、話がそれを台無しにしている。オリジナルなんて作らずにちゃんとした原作付きでやればいいのに。原作は「ヤシオ・ナツカ」という名義になっているけれど、たぶんこれはブレーンストーミングで話を作っていった人たちの連名でクレジットしているんだと思う。

まあでも絵のきれいなテンプレ美少女アニメが好きな人にとっては、王道的でいい感じの作品ってことになるんだろうか。おどおどした女の子とかテンプレキャラが好きな人なら楽しめそう。自分には無理だった。

[参考]
http://www.iroduku.jp/

(最終更新日: 2019年2月17日 by ひっちぃ)

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