マンガ
学園もの
ロロッロ! 4巻まで
桜井のりお (秋田書店 少年チャンピオンコミックス)
まあまあ(10点)
2019年7月28日
中学生の内気な女の子・森繁ちとせのために、天才科学者の父は同い年という設定の女の子ロボット・イチカを作ってあげたが、あまりに精巧なためちとせはイチカのことをロボットとは信じられずにいた。友達のいないちとせのためにイチカは一緒に学校へ行き、クラスのみんなと打ち解けられるようがんばるが空回りする。ギャグマンガ。
三つ子の三姉妹が小学校で暴走する「みつどもえ」の作者である桜井のりおによる新たな連載作品。前作が好きなので手を出した。面白かったけどちょっとダレた。
女の子のロボットが正体を明らかにしないまま子供たちにまぎれて日常生活を送っているという点では鳥山明の名作「ドクタースランプ」とまったく同じなのだけど、それ以外はもうなにからなにまで違っている。
まず、イチカは自分がロボットであることを誇りに思っているみたいで自分がロボットであることを周りに認めさせようとするのだけど、あまりに人間そっくりに出来ているのでみんな信じない。ただし水に弱いとか排熱ダクトをふさがれると酩酊状態になるとか空を飛べるけどお尻からジェットを吹き出すので毎回パンツを脱がないといけないなど色々欠陥がある。イチカがダンス部のロボットダンスを見てロボット差別だと真剣に訴えるのがウケた。
お金持ちのクラスメイトがおもちゃのロボットを学校に持ってきてみんなの人気を集めてしまいイチカは嫉妬する。イチカは思い余ってそのロボットを壊してしまい、天才科学者の父が修復すると自我を持ち、イチカへ復讐しようとするのが超ウケた。
イチカは博士の娘であるちとせちゃん思いで、ちとせがうじうじしているのを見て色々と応援するのだけどうまくいかない。そして失敗をごまかすために安易な解決策を取ろうとしてさらに悪い方へと転がっていく。ギャグとして面白い上に一途な思いにちょっとジンとくる。一方でちとせもなんだかんだでイチカに友情を抱いていく。
ちとせには幼い頃からのライバルである戌井うみこがいて、ちとせと同じく友達がいないのでどちらが早く友達を作れるか競争している。こいつはパソコン部でネットとかにちょっと詳しい陰キャだけど向こう気が強くてちとせにグイグイ迫る。こいつもなんだかんだでちとせ思いで陰ながらちとせのことを心配しているが、自分も似たようなものなので仲間に入れてもらおうとするものの高いプライドが邪魔をする。
鳥山明「ドクタースランプ」ではうんこネタがエグいほどあって(!)子供人気をガッチリつかんだけれど(?)、この作品では性のほうの下ネタが結構ガッツリと出てくる。カラッと明るくて唐突に出てくるのだけどしっかり卑猥なのがウケる。たとえば部室で女の子が大股をあけて昼寝していたり(パンツやスカートは履いてる)、自ら進んでヌードモデルになる痴女先輩が出てきたり、作者が女性なせいなのかちょっとドキッとするような下ネタじゃなくてどこかセンスがイカれているのが面白い。
イチカを作った天才科学者の父親の見た目が吉田戦車の絵みたいなのがウケた。こいつはそこそこ常識人だけど外見が変質者なのでよく逮捕されそうになる。警察は「ポリス」という名前(!)のぶっ飛んだ婦人警官が出てくる。血走った目で常に銃の引き金に指が当たっているアブないやつだけど、猫が大好きなので猫が出てくるとすべてを許してしまう。
美術部が出てきてからは美術部が中心となって話が進んでいく。というか別に話は進まず日常ものとして淡々と描かれる。イチカの秘密を探ろうと林田という女がつきまとってくるけれど特に展開せず。っていうかイチカは最初林田に自分のことをロボットだと証明してもらいたがる。
二巻ぐらいまではぶっ飛んだ設定と爆発的なギャグとで結構面白かったのだけど、以降段々とマンネリに感じた。美術部で合宿に行ったりギャルの新入部員が入ってきたりと新展開はあるのだけど、思ったほど楽しめなかった。どうしてだろう。
ちとせが陰キャで積極的に人付き合いしたがらないのと、イチカはちとせのことを中心に考えているのとで、友情の輪が広がっていきにくいのかもしれない。ミチェル金剛(ペンネーム)などの腐女子の先輩たちがいるけど距離を感じるし、露出狂の先輩とイチカとの間にもあまり友情っぽいものを感じにくい。クリスマスパーティを開く回があって良かったけれど、あんまりつながりを感じなかった。美術部に後輩が入るとよくなるんだろうか。そういえば顧問いないな。先生にもそれほど目立った人がいないし。
ライバルなのか知らないけれど写真部が出てくる。エロガキどもが淡々とパンチラを取るところがゲスくてすごく面白かった。一方でモロチラにはまったく反応しないという。その後はほとんど出てこない。
絵はちょっと独自でかわいいのだけど、イチカがロボットなのに他のキャラに埋もれがちなのと、背の高いキャラのデッサンがちょっとおかしくて見ていて不安になった。
ヘンな女子が好きな人ならぜひ押さえておきたい作品だけど、そうじゃなくてもギャグマンガが好きで女子がヘンなことをしても抵抗がない人ならそこそこ楽しめる面白い作品だと思う。
三つ子の三姉妹が小学校で暴走する「みつどもえ」の作者である桜井のりおによる新たな連載作品。前作が好きなので手を出した。面白かったけどちょっとダレた。
女の子のロボットが正体を明らかにしないまま子供たちにまぎれて日常生活を送っているという点では鳥山明の名作「ドクタースランプ」とまったく同じなのだけど、それ以外はもうなにからなにまで違っている。
まず、イチカは自分がロボットであることを誇りに思っているみたいで自分がロボットであることを周りに認めさせようとするのだけど、あまりに人間そっくりに出来ているのでみんな信じない。ただし水に弱いとか排熱ダクトをふさがれると酩酊状態になるとか空を飛べるけどお尻からジェットを吹き出すので毎回パンツを脱がないといけないなど色々欠陥がある。イチカがダンス部のロボットダンスを見てロボット差別だと真剣に訴えるのがウケた。
お金持ちのクラスメイトがおもちゃのロボットを学校に持ってきてみんなの人気を集めてしまいイチカは嫉妬する。イチカは思い余ってそのロボットを壊してしまい、天才科学者の父が修復すると自我を持ち、イチカへ復讐しようとするのが超ウケた。
イチカは博士の娘であるちとせちゃん思いで、ちとせがうじうじしているのを見て色々と応援するのだけどうまくいかない。そして失敗をごまかすために安易な解決策を取ろうとしてさらに悪い方へと転がっていく。ギャグとして面白い上に一途な思いにちょっとジンとくる。一方でちとせもなんだかんだでイチカに友情を抱いていく。
ちとせには幼い頃からのライバルである戌井うみこがいて、ちとせと同じく友達がいないのでどちらが早く友達を作れるか競争している。こいつはパソコン部でネットとかにちょっと詳しい陰キャだけど向こう気が強くてちとせにグイグイ迫る。こいつもなんだかんだでちとせ思いで陰ながらちとせのことを心配しているが、自分も似たようなものなので仲間に入れてもらおうとするものの高いプライドが邪魔をする。
鳥山明「ドクタースランプ」ではうんこネタがエグいほどあって(!)子供人気をガッチリつかんだけれど(?)、この作品では性のほうの下ネタが結構ガッツリと出てくる。カラッと明るくて唐突に出てくるのだけどしっかり卑猥なのがウケる。たとえば部室で女の子が大股をあけて昼寝していたり(パンツやスカートは履いてる)、自ら進んでヌードモデルになる痴女先輩が出てきたり、作者が女性なせいなのかちょっとドキッとするような下ネタじゃなくてどこかセンスがイカれているのが面白い。
イチカを作った天才科学者の父親の見た目が吉田戦車の絵みたいなのがウケた。こいつはそこそこ常識人だけど外見が変質者なのでよく逮捕されそうになる。警察は「ポリス」という名前(!)のぶっ飛んだ婦人警官が出てくる。血走った目で常に銃の引き金に指が当たっているアブないやつだけど、猫が大好きなので猫が出てくるとすべてを許してしまう。
美術部が出てきてからは美術部が中心となって話が進んでいく。というか別に話は進まず日常ものとして淡々と描かれる。イチカの秘密を探ろうと林田という女がつきまとってくるけれど特に展開せず。っていうかイチカは最初林田に自分のことをロボットだと証明してもらいたがる。
二巻ぐらいまではぶっ飛んだ設定と爆発的なギャグとで結構面白かったのだけど、以降段々とマンネリに感じた。美術部で合宿に行ったりギャルの新入部員が入ってきたりと新展開はあるのだけど、思ったほど楽しめなかった。どうしてだろう。
ちとせが陰キャで積極的に人付き合いしたがらないのと、イチカはちとせのことを中心に考えているのとで、友情の輪が広がっていきにくいのかもしれない。ミチェル金剛(ペンネーム)などの腐女子の先輩たちがいるけど距離を感じるし、露出狂の先輩とイチカとの間にもあまり友情っぽいものを感じにくい。クリスマスパーティを開く回があって良かったけれど、あんまりつながりを感じなかった。美術部に後輩が入るとよくなるんだろうか。そういえば顧問いないな。先生にもそれほど目立った人がいないし。
ライバルなのか知らないけれど写真部が出てくる。エロガキどもが淡々とパンチラを取るところがゲスくてすごく面白かった。一方でモロチラにはまったく反応しないという。その後はほとんど出てこない。
絵はちょっと独自でかわいいのだけど、イチカがロボットなのに他のキャラに埋もれがちなのと、背の高いキャラのデッサンがちょっとおかしくて見ていて不安になった。
ヘンな女子が好きな人ならぜひ押さえておきたい作品だけど、そうじゃなくてもギャグマンガが好きで女子がヘンなことをしても抵抗がない人ならそこそこ楽しめる面白い作品だと思う。