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CITY 7巻まで

あらゐけいいち (講談社 モーニングKC)

まあまあ(10点)
2019年10月5日
ひっちぃ

変わった人々の住まうCITY(町)での変わった日常を描いたギャグマンガ。

アニメ化されてヒットしたシュールなギャグマンガ「日常」の作者が描く、似たような作品。「日常」は面白かったのでこの新シリーズも読んでみた。まあまあ面白かった。

前作「日常」はオムニバス形式で色んな人々のぶっ飛んだ話が徒然と描かれていて、今回もその形式が踏襲されているのだけど、今回は一応一つの町に舞台を限定している。前作「日常」では謎の国の話とかあったけど今回はそういうのはなかった気がする。

主人公は多分南雲という調子のいい女子大生で、前作「日常」での「ゆっこ」みたいな奔放なキャラ。…なんかこの調子でいちいち前作との対比をすることになりそうだけど、どうしたものだろうか。南雲へのツッコミ役として新倉という一応の常識人がいて、いつも南雲に金をせびられるのでうまいことかわしたりつかまったり。

…やっぱりめんどうくさいのでもう批評に入ることにする。

結論からいうと前作「日常」ほどに作品に対して愛着を持てなかった。どうしてだろう。

一番大きな理由は、萌え要素が減っているからだと思う。「日常」にいた「はかせ(幼女)」「なの(ロボットの女の子)」「坂本さん(ねこ)」「みおちゃん(BL好きの女子高生)」といった萌えキャラがいない。「ゆっこ」から南雲さんへはパワーアップしてるけど、こいつだけではどうにもならなかったんだと思う(自分の中では)。新倉もわこもそこそこかわいいけど、はっきりとした個性を感じられなかった。前は囲碁サッカー部の目が線の女の子すら萌えたのに。

ギャグはさらに研ぎ澄まされたけれど、磨いた分だけ小さくなってしまったようにも思った。

舞台を一つの町に限定したのは、町に住む楽しい人々を固定で描くことで読者に愛されることを狙ったのだと思う。でも実際はキャラよりギャグを優先しているように思った。ギャグを研ぎ澄ましたかったら、町に限定せずにもっとなんでもありでやったほうがよかった気がする。逆に町という世界観を大事にしたいんだったら、登場人物にあまりギャグ優先の不可解な行動はさせるべきじゃなかったと思う。つまりなんというか、作品のグランドデザインがグラついているというか。まあ全部想像なんだけど。

「日常」のギャグとか独特のノリが好きな人なら安心して読める作品だと思う。萌え部分が好きだった人は、ちょっとテイストが変わるのでそのつもりで読んだ方がいいと思う。

(最終更新日: 2020年12月20日 by ひっちぃ)

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