映画、テレビ番組、舞台芸術
アニメ
orange テレビアニメ版
監督:浜崎博嗣 原作:高野苺
いまいち(-10点)
2021年10月4日
高校生の女の子・高宮菜穂のもとに不思議な手紙が届く。10年後の自分からの手紙だった。そこには転校生としてやってくる成瀬翔という男の子に気を配ってやってほしいと書かれていた。少女マンガが原作のテレビアニメ。
2016年7月からアニメ化され放映されたのをとりあえず2話まで見て面白そうだと思ったものの、その後は録画だけして放置してしまった。その後ネットでまあまあ面白かったという評を見たのでいつか最後まで見たいと思い、最近やっと見る気になって完走した。いまいちだった。
序盤がすごく引き込まれる。なにせ未来の自分から来た手紙には割と事細かにその後に起こることが書かれている。そこには後悔の念がにじみ出ていて、未来を変えてほしいという願いがあった。最初は全然信じていなかった菜穂だったが、次々と手紙のとおりになっていくのを見て信じるようになる。しかしただ見ているだけでは翔(かける)に未来は来ないことになる。高校二年生の女の子が戸惑い揺れるさまがとても魅力的だった。
菜穂には仲の良い女の子二人と男の子二人がいてそこに翔が入って男女3人ずつの仲良しグループになる。菜穂が翔を好きになるのでみんなでこの二人を応援するようになる。実はその中でサッカー部の須和弘人はずっと菜穂のことが好きだった。
自分がこの作品に対して大きく失望したのは、翔(かける)を救ってあげてほしいとかなになにしてあげてほしいというように、とにかく彼に対してまるで子供扱いをしている点だった。そりゃ彼には不幸な出来事があったので手を差し伸べてあげるのが良かったのだけど、10年後の自分の視点が妙に上から過ぎて傲慢に思った。
色々と展開が都合よすぎるというか、登場人物がただ物語に従って動いているだけに思った。特に須和がいい人すぎる。これは自分の偏見かもしれないけれど、体格に恵まれ運動神経もある男がこんなに物分かりいいはずがない。少なくともなにかしらの葛藤はあるはずだと思う。
女の子二人もただ応援するだけ。この二人から見て菜穂は妹分みたいな感じなので一方的に応援できるのかもしれないけど、人間関係ってのはこんなに単純ではないと思う。特に陽キャ男女グループは互いに隙あらばマウントを取り合うので、自分たちを差し置いて人気のある菜穂に対してなにかしら負の感情があってつじつまを合わせようとするものだと思う。あと群像劇ではないようでこの女の子二人についての掘り下げはない。
話も後半に入ったあたりで動きが少なくなってきてつまらなくなる。最終話の手前であらためて翔の視点でこれまでの話が整理され、内幕がある程度明かされるので気持ちがちょっと盛り上がったのだけど、最終話は本当に必要最低限の出来事しか起きなくて肩透かしだった。
一方で良いと思ったのはパラレルワールド説を取っているところ。10年後の未来の出来事も時々並行して描かれるのだけど、彼らは自分たちの未来を変えることはあきらめていて、翔がいる別の未来を創ろうとしている。だから彼らの世界では翔がいないことを受け入れており、ほろ苦い空気がある。言い忘れたけれど題はオレンジの甘いだけじゃないほろ苦さからとっているみたいだ。
翔と菜穂をずっと応援してきた女の子二人が、最後の最後で須和に対して行動しろと言うところは良かった。でもそれまで須和の気持ちを踏みにじってきたことについてはなんとも思わなかったんだろうか。
翔の母親についての描写がとても良かった。突然引っ越したりサッカー部で使っていたスポーツバッグを勝手に捨てたりする母親に対して翔はうんざりしていた。
最終話の最後に映画の宣伝があって露骨すぎて笑った。でもテレビ放映だけで話は完結しており、本当にこの作品が好きな人のためのアフターストーリーを映画にしたみたいなので、その点に関しては清く正しい(?)ビジネスだと思う。
オープニングとエンディングの歌が良かった。オープニングは高橋優「光の破片」で、エンディングはコブクロ「未来」だった。どちらも切ない感じ。でも制作のクレジットに八人ぐらいの名前がずらっと並んでいるのを見て毎回萎えた。そんなに予算があるとは思えないこの程度のアニメを作るのにこれだけの人数で金集めしないといけないのか、それとも集めた金をこれだけの人間で取り合うから肝心のアニメーション制作にお金が回らないのか、どちらにしてもいびつな裏側が見えたように思えて気持ち悪かった。
なんていうかタイムリープ的な要素が入っているけれど良くも悪くも少女マンガだったと思う。話の内容よりも登場人物のエモさで勝負している感じがして、自分は話が途中でつまらなく感じて醒めてしまった。こういう話が好きで酔い続けられそうな人なら見てみるといいと思う。
2016年7月からアニメ化され放映されたのをとりあえず2話まで見て面白そうだと思ったものの、その後は録画だけして放置してしまった。その後ネットでまあまあ面白かったという評を見たのでいつか最後まで見たいと思い、最近やっと見る気になって完走した。いまいちだった。
序盤がすごく引き込まれる。なにせ未来の自分から来た手紙には割と事細かにその後に起こることが書かれている。そこには後悔の念がにじみ出ていて、未来を変えてほしいという願いがあった。最初は全然信じていなかった菜穂だったが、次々と手紙のとおりになっていくのを見て信じるようになる。しかしただ見ているだけでは翔(かける)に未来は来ないことになる。高校二年生の女の子が戸惑い揺れるさまがとても魅力的だった。
菜穂には仲の良い女の子二人と男の子二人がいてそこに翔が入って男女3人ずつの仲良しグループになる。菜穂が翔を好きになるのでみんなでこの二人を応援するようになる。実はその中でサッカー部の須和弘人はずっと菜穂のことが好きだった。
自分がこの作品に対して大きく失望したのは、翔(かける)を救ってあげてほしいとかなになにしてあげてほしいというように、とにかく彼に対してまるで子供扱いをしている点だった。そりゃ彼には不幸な出来事があったので手を差し伸べてあげるのが良かったのだけど、10年後の自分の視点が妙に上から過ぎて傲慢に思った。
色々と展開が都合よすぎるというか、登場人物がただ物語に従って動いているだけに思った。特に須和がいい人すぎる。これは自分の偏見かもしれないけれど、体格に恵まれ運動神経もある男がこんなに物分かりいいはずがない。少なくともなにかしらの葛藤はあるはずだと思う。
女の子二人もただ応援するだけ。この二人から見て菜穂は妹分みたいな感じなので一方的に応援できるのかもしれないけど、人間関係ってのはこんなに単純ではないと思う。特に陽キャ男女グループは互いに隙あらばマウントを取り合うので、自分たちを差し置いて人気のある菜穂に対してなにかしら負の感情があってつじつまを合わせようとするものだと思う。あと群像劇ではないようでこの女の子二人についての掘り下げはない。
話も後半に入ったあたりで動きが少なくなってきてつまらなくなる。最終話の手前であらためて翔の視点でこれまでの話が整理され、内幕がある程度明かされるので気持ちがちょっと盛り上がったのだけど、最終話は本当に必要最低限の出来事しか起きなくて肩透かしだった。
一方で良いと思ったのはパラレルワールド説を取っているところ。10年後の未来の出来事も時々並行して描かれるのだけど、彼らは自分たちの未来を変えることはあきらめていて、翔がいる別の未来を創ろうとしている。だから彼らの世界では翔がいないことを受け入れており、ほろ苦い空気がある。言い忘れたけれど題はオレンジの甘いだけじゃないほろ苦さからとっているみたいだ。
翔と菜穂をずっと応援してきた女の子二人が、最後の最後で須和に対して行動しろと言うところは良かった。でもそれまで須和の気持ちを踏みにじってきたことについてはなんとも思わなかったんだろうか。
翔の母親についての描写がとても良かった。突然引っ越したりサッカー部で使っていたスポーツバッグを勝手に捨てたりする母親に対して翔はうんざりしていた。
最終話の最後に映画の宣伝があって露骨すぎて笑った。でもテレビ放映だけで話は完結しており、本当にこの作品が好きな人のためのアフターストーリーを映画にしたみたいなので、その点に関しては清く正しい(?)ビジネスだと思う。
オープニングとエンディングの歌が良かった。オープニングは高橋優「光の破片」で、エンディングはコブクロ「未来」だった。どちらも切ない感じ。でも制作のクレジットに八人ぐらいの名前がずらっと並んでいるのを見て毎回萎えた。そんなに予算があるとは思えないこの程度のアニメを作るのにこれだけの人数で金集めしないといけないのか、それとも集めた金をこれだけの人間で取り合うから肝心のアニメーション制作にお金が回らないのか、どちらにしてもいびつな裏側が見えたように思えて気持ち悪かった。
なんていうかタイムリープ的な要素が入っているけれど良くも悪くも少女マンガだったと思う。話の内容よりも登場人物のエモさで勝負している感じがして、自分は話が途中でつまらなく感じて醒めてしまった。こういう話が好きで酔い続けられそうな人なら見てみるといいと思う。