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火山高

監督:キム・テギュン

傑作(30点)
2004年10月15日
ひっちぃ

武力が支配する学校・火山高で、秘伝の書をめぐり主人公の転校生が巻き込まれる騒動。韓国映画。

うーん。これはすごい。とてもおおげさな演出には自分を納得させながら見なくてはいけないのだが、とても魅力的な設定に美しい映像で魅せるこの映画は、エネルギーにあふれている。

まず、体育会系の部が群雄割拠しているという設定が素晴らしい。それぞれの部を個性的な主将が統べている。そのうちの一人が他の部に宣戦布告し、我こそはこの学校の支配者だと名乗りを上げる。中でもヒロインの剣道部主将や副将、剣さばきはまるでマンガだけど、とてもいい感じだ。

アクションが最先端のCGとワイヤーアクションの組み合わせで出来ている。CGといっても古い校舎のしっとりした質感とうまく組み合わせっていて、まったく安っぽさを感じさせない。韓流マトリックスだ。

日本のオタクはヒロインが好きだが、韓国のその手の人たちはもっとヒロインが好きなんじゃないかと思う。女性の地位が日本より低い韓国でこの傾向があるのは興味深い。

柔道や剣道が出てくる。韓国人は、柔道はともかく剣道は自分たちの国で生まれたと思っているらしい。それはともかくとして、日本との共通性を強く感じる。

ヒーローや悪役がいい味を出している。アップにする演出が多様されている。東洋人の顔の俳優。韓国人と日本人とはよく似ている。東洋人の顔に味を感じさせられた演出だった。日本のふつうのおっさんも、よくみたら迫力のある顔なんじゃないかと思えてくる。

やや残念なのは、韓国と日本では魅力的な女性がどういうものかという点で多少異なっているということだ。私はヒロインがあまり美人とは思えなかった。確かに端正な顔つきだとは思うのだが…。まあ一方で、乱れ髪の副将にちょっと魅力を感じた。

こういう文化論を出すのはしらけるかもしれないが、日本を知るために韓国を見つめるというのは非常に良い方法だと思う。

さてストーリーについてだが、残念ながらサッカーの延長のせいで半分しか録画できていなかったので、前半しか見ることが出来なかった。結構腹が立つ。かといってDVDやビデオを借りたり買ったりしてまで見る作品ではないと思う。でも惜しいことをした。ただ言えるのは、いわゆるB級映画のストーリーだということだ。悪い意味では安っぽくてありきたり、良い意味ではポップで斬新。韓国人もさすがにこの映画を世界に誇る気にはならないと思う。まあこんなものも作れるんだよっていう余裕といおうか。

最近の日本の映画やドラマはほんとダメ。芸能事務所ばかり肥大していて、良いものが出来る余地はまったくない。おまけにバラエティ番組にまでうっとうしい番宣を浸出させていて、テレビ自体見る気が失せてくる。文化が死んでいるっていうのはこういう状況を言うんだろうなと思う。

[参考]
http://www.cinematopics.com/
cinema/works/
output2.php?oid=3258

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