マンガ
ファンタジー
よくわからないけれど異世界に転生していたようです 10巻まで
原作:あし 漫画:内々けやき (講談社 シリウスコミックス)
まあまあ(10点)
2022年3月9日
孤児の少女レンは悪徳商人に売られて移送される最中、馬車が崖から落ちたショックで思い出す。自分は異世界から転生してきた三十代の研究者の男だったことを。冷たい雨に体温を奪われる中、前世の知識を思い出し、身についていた魔法の力で生き残る。元の孤児院に戻ってもろくなことがないだろうから、ユニークスキル「創造魔法」を使って一人で生きていくことを決意する。小説投稿サイトに上げられた作品が原作の異世界転生ファンタジーマンガ。
この作品の特徴は、主人公が「創造魔法」を使えるところ。なんと頭で考えたものをなんでも作れてしまう。ただし無から作ると膨大な魔力を消費してしまうので、すごく小さいものか、あらかじめ原材料を用意しておかないといけない。というわけで序盤から木を伐りだして結構立派な家を作ったり、種を生み出して家庭菜園により自給自足の生活を実現してしまう。
そこから肉も食べたいということで狩りを始めようとするのだけど、攻撃魔法は使えないし体も強くないので武器もロクに扱えない。銃を作ろうとするも複雑すぎて無理だった。そこであらかじめ運動エネルギーを持った弾を作り出して飛ばすことを思いつく。そこそこ威力は高いけれど落ち着いて狙いをつけないと当たらないし消費魔力も多いので戦闘で無双するのは厳しい。仲良くなったフェンリル親娘にフォローしてもらう。
迷い込んできた子供に薬を上げたことから徐々に近くの村に存在を知られるようになり、身勝手な人々のせいでそこにい続けられなくなり、様々な物資や技能を求めて旅に出る。主人公の目的はおいしい食べ物のほかにゲーム感覚で色々な技能を身に着けて生活を充実させること、あとはその中で知り合った親しい人々の笑顔を見ることだった。
あと「日課」と呼んでいる自慰行為。なにせ前世が男なので女の体に生まれ変わって試しにやってみたオナニーが気持ち良すぎて(!)連日連夜ぶっ通しでやってしまう。そのクオリティを上げるために研究者だった頃の情熱を注ぎこみ、エロい衣装や大人のおもちゃの数々、しまいにはゴーレム(!)まで作って相手をさせてしまう。漫画担当はエロ漫画を中心に描いている人っぽいけれどエロ描写は直接行わずしらじらしい心象描写だけやっているのがウケる(水車が力強く回る描写なんかにすっとぼけたテロップがつく)。
割とコンパクトに(?)異世界転生ファンタジーの魅力が詰め込まれており、極端に無双することなくその場その場をしのいでいく展開が楽しい。身勝手な人々、特に男が襲ってきたりおしつけがましいことをしてきたりするのを回避したり撃退したりする展開が多い。そんな中で親切にしてくれた人や素直でかわいい女子供には前世の知識を使ってもてなして喜ばせる。登場人物に若い男のいい人キャラほぼなし(知り合ったパーティのリーダーが常識人だったけど人畜無害な感じ)。そもそも主人公の中身が男なせいか男にあまり興味なし。その一方で百合(同性愛)展開も避けている。
自分としてちょっと物足りないと思ったのは、自分の能力をほとんど秘密にしていること。騒がれそうになると逃げて別の場所に移る。ごく一部の親しい人にだけ自分の能力をあくまで限定的に見せる。だから影響が広がっていく面白さがない。あ、画期的な発明をして商業ギルドに登録するのだけど、裏で特許料が入ってくるだけなので周りの人々には知られない。
前世が研究者なのだから、なにか研究を進めていくことで面白い展開になっていけばいいのにと思うのだけど、いまのところは自分の技能や魔法を伸ばして出来ることが増えていくことや、ちょっとした「発明」をするぐらいしかない。まあ多分そのあたりが現実的な展開なんだろうから納得はできる。だって世の中を変えるほどの力を見せちゃったらいやがおうでも権力者に目をつけられて利用されちゃうから。
孤児仲間には薬草採取や狩りの手引きなんかをやっているのだから、その流れで料理とか魔法とか教えれば間接的に影響力が上がっていって楽しくなりそうなのだけど、単行本10巻まできてほんのちょっとしか進んでいないのでまだまだ掛かりそう。原作者が研究者なのかどうか知らないけれど、研究者だったら自分だけが持つ特殊な能力よりも、誰にでも身に着けられる一般的な能力のほうを追及すると思う。それが科学なのだから。
主人公が人間ではなくて天人族という謎の種族であるということにも深く突っ込みはせず、ただ成長の早い種族だというだけで済ませている。
途中から主人公がメガネを掛けるようになるのだけど、鑑定スキルを持っていることを隠すために急ごしらえで作ったメガネを鑑定能力つきのマジックアイテムだと言い張ったことがもとになっており、以後トレードマークのようになっている。かわいいけれどだいぶ不敵な面構えになっている。
生産系の異世界転生ファンタジーが好きな人なら割と楽しめる良作だと思う。
この作品の特徴は、主人公が「創造魔法」を使えるところ。なんと頭で考えたものをなんでも作れてしまう。ただし無から作ると膨大な魔力を消費してしまうので、すごく小さいものか、あらかじめ原材料を用意しておかないといけない。というわけで序盤から木を伐りだして結構立派な家を作ったり、種を生み出して家庭菜園により自給自足の生活を実現してしまう。
そこから肉も食べたいということで狩りを始めようとするのだけど、攻撃魔法は使えないし体も強くないので武器もロクに扱えない。銃を作ろうとするも複雑すぎて無理だった。そこであらかじめ運動エネルギーを持った弾を作り出して飛ばすことを思いつく。そこそこ威力は高いけれど落ち着いて狙いをつけないと当たらないし消費魔力も多いので戦闘で無双するのは厳しい。仲良くなったフェンリル親娘にフォローしてもらう。
迷い込んできた子供に薬を上げたことから徐々に近くの村に存在を知られるようになり、身勝手な人々のせいでそこにい続けられなくなり、様々な物資や技能を求めて旅に出る。主人公の目的はおいしい食べ物のほかにゲーム感覚で色々な技能を身に着けて生活を充実させること、あとはその中で知り合った親しい人々の笑顔を見ることだった。
あと「日課」と呼んでいる自慰行為。なにせ前世が男なので女の体に生まれ変わって試しにやってみたオナニーが気持ち良すぎて(!)連日連夜ぶっ通しでやってしまう。そのクオリティを上げるために研究者だった頃の情熱を注ぎこみ、エロい衣装や大人のおもちゃの数々、しまいにはゴーレム(!)まで作って相手をさせてしまう。漫画担当はエロ漫画を中心に描いている人っぽいけれどエロ描写は直接行わずしらじらしい心象描写だけやっているのがウケる(水車が力強く回る描写なんかにすっとぼけたテロップがつく)。
割とコンパクトに(?)異世界転生ファンタジーの魅力が詰め込まれており、極端に無双することなくその場その場をしのいでいく展開が楽しい。身勝手な人々、特に男が襲ってきたりおしつけがましいことをしてきたりするのを回避したり撃退したりする展開が多い。そんな中で親切にしてくれた人や素直でかわいい女子供には前世の知識を使ってもてなして喜ばせる。登場人物に若い男のいい人キャラほぼなし(知り合ったパーティのリーダーが常識人だったけど人畜無害な感じ)。そもそも主人公の中身が男なせいか男にあまり興味なし。その一方で百合(同性愛)展開も避けている。
自分としてちょっと物足りないと思ったのは、自分の能力をほとんど秘密にしていること。騒がれそうになると逃げて別の場所に移る。ごく一部の親しい人にだけ自分の能力をあくまで限定的に見せる。だから影響が広がっていく面白さがない。あ、画期的な発明をして商業ギルドに登録するのだけど、裏で特許料が入ってくるだけなので周りの人々には知られない。
前世が研究者なのだから、なにか研究を進めていくことで面白い展開になっていけばいいのにと思うのだけど、いまのところは自分の技能や魔法を伸ばして出来ることが増えていくことや、ちょっとした「発明」をするぐらいしかない。まあ多分そのあたりが現実的な展開なんだろうから納得はできる。だって世の中を変えるほどの力を見せちゃったらいやがおうでも権力者に目をつけられて利用されちゃうから。
孤児仲間には薬草採取や狩りの手引きなんかをやっているのだから、その流れで料理とか魔法とか教えれば間接的に影響力が上がっていって楽しくなりそうなのだけど、単行本10巻まできてほんのちょっとしか進んでいないのでまだまだ掛かりそう。原作者が研究者なのかどうか知らないけれど、研究者だったら自分だけが持つ特殊な能力よりも、誰にでも身に着けられる一般的な能力のほうを追及すると思う。それが科学なのだから。
主人公が人間ではなくて天人族という謎の種族であるということにも深く突っ込みはせず、ただ成長の早い種族だというだけで済ませている。
途中から主人公がメガネを掛けるようになるのだけど、鑑定スキルを持っていることを隠すために急ごしらえで作ったメガネを鑑定能力つきのマジックアイテムだと言い張ったことがもとになっており、以後トレードマークのようになっている。かわいいけれどだいぶ不敵な面構えになっている。
生産系の異世界転生ファンタジーが好きな人なら割と楽しめる良作だと思う。