マンガ
怪獣8号 5巻まで
松本直也 (集英社 ジャンプコミックス)
いまいち(-10点)
2022年4月11日
定期的に出没する巨大怪獣を退治することが日常となっている空想近未来の日本で、怪獣退治の隊員となる夢を捨てきれない日比野カフカは、怪獣専門の清掃業者の社員として働きつつ後輩の後押しもあって今年も入隊試験に臨もうかと思っていたが、自身が怪獣となってしまう。少年マンガ。
次にヒットするマンガはなにかを議論する匿名掲示板のスレッドで随分前にこの作品が話題に上がっていたので遅まきながら読んでみた。最初はまあまあ面白かったけれどだんだん面白く思えなくなってきたので途中で読むのをやめた。
題の「怪獣8号」というのは8番目に出没した怪獣という意味で、実際には「余獣」というおまけみたいな怪獣も大量にいるのだけど、「本獣」という特に強いものだけカウントしている。多くの怪獣はゴジラみたいに超巨大なのだけど、8号やそのあとに出没した9号は人間よりちょっと大きいぐらい。なにやら怪獣の強さを測定する機械があって、その数値によって姿の大小に関わらず「本獣」かどうかが判断されるらしい。
怪獣退治をしたい主人公の日比野カフカ自身が怪獣となってしまうのだけど、なんとか力を制御して人間の姿でいることが出来るので引き続き怪獣退治の隊員を目指すことにする。もちろん秘密がバレたら捕らえられて実験の材料に使われてしまうので必死に隠そうとする。しかし試験に合格するため、そして仲間を守るため、力を使わざるをえなくなる。さてどうなるか?
導入部で、退治されたあとの大怪獣が街に横たわる描写があり、その圧倒的な存在感が素晴らしい画力によって描かれるとともに、そういえば怪獣モノだと倒したあとの怪獣の死骸をどうしていたんだろうという当然の疑問を読者に抱かせる。その答えは専門の清掃業者の存在で、すごい匂いを放ち時には猛毒の体液が吹き出す危険のある怪獣の死骸を独自のノウハウで処理する彼らの存在なしには日常が成り立たないのだった。
というSF描写のあとで夢を追い続ける二十代後半の男の物語が幕を開ける。幼い頃に同じ夢を誓い合った少女の亜白ミナはすでに怪獣退治の隊長となって大活躍していた。彼女と肩を並べられる日は来るのか?
怪獣退治の隊員の強さの源泉は戦闘用スーツとのシンクロ率で、こいつが高ければ高いほどスーツによる増幅効果により運動能力が強化されたり高火力な武装を使うことができたりする。なんか技術を磨くとか以前にこういう訳の分からない要素があると一体どうやって鍛えるんだろうと疑問に思ってしまう。副隊長は独自の技術を持ってるけど。
スーツとのシンクロ率が0~1%の主人公は言うまでもなく最弱なのだけど、怪獣になれば圧倒的な戦闘力でもって怪獣を粉砕できる。読んでいて爽快なのだけど、これ一体どう理解すればいいのだろう。一方で彼は特殊清掃をやっていた経験から怪獣の弱点を探るのがうまくて、そういう地道な貢献がみんなから評価されるのはよかった。
幼馴染の少女と肩を並べて戦うのが目的というのがやっぱりどうにも腑に落ちなかった。彼女は隊員になろうとし続ける主人公のことは認識しているのだけど、公務では私情を挟まず主人公が少しでも馴れ馴れしくしてくると冷たく突き放す。かといってプライベートで会ったりもしないので一切交流がない。これどういうことなの?
そもそも人には向き不向きがあるのだから特殊清掃でいいじゃん、ってことになったら終わっちゃうか。そうまでして怪獣退治にこだわる彼の想いがわからなかった。幼馴染の少女が嫌々戦い続けているんだったら助けるんだってことで分かるんだけどポリコレになっちゃいそうだし、色々難しいのかもしれないなあ。
次々と強力な怪獣が襲い掛かってくるのを退治しつづけるだけで今後の展開が見えてこなかった。諫山創「進撃の巨人」みたいに怪獣の秘密とかのほうにいくんだろうか。
やっぱり読んでいてあくまで「次にヒットするかも」ぐらいの作品でしかないんだなあと思った。新しい作品を読んで刺激を受けたい人なら読んでもいいかも。
次にヒットするマンガはなにかを議論する匿名掲示板のスレッドで随分前にこの作品が話題に上がっていたので遅まきながら読んでみた。最初はまあまあ面白かったけれどだんだん面白く思えなくなってきたので途中で読むのをやめた。
題の「怪獣8号」というのは8番目に出没した怪獣という意味で、実際には「余獣」というおまけみたいな怪獣も大量にいるのだけど、「本獣」という特に強いものだけカウントしている。多くの怪獣はゴジラみたいに超巨大なのだけど、8号やそのあとに出没した9号は人間よりちょっと大きいぐらい。なにやら怪獣の強さを測定する機械があって、その数値によって姿の大小に関わらず「本獣」かどうかが判断されるらしい。
怪獣退治をしたい主人公の日比野カフカ自身が怪獣となってしまうのだけど、なんとか力を制御して人間の姿でいることが出来るので引き続き怪獣退治の隊員を目指すことにする。もちろん秘密がバレたら捕らえられて実験の材料に使われてしまうので必死に隠そうとする。しかし試験に合格するため、そして仲間を守るため、力を使わざるをえなくなる。さてどうなるか?
導入部で、退治されたあとの大怪獣が街に横たわる描写があり、その圧倒的な存在感が素晴らしい画力によって描かれるとともに、そういえば怪獣モノだと倒したあとの怪獣の死骸をどうしていたんだろうという当然の疑問を読者に抱かせる。その答えは専門の清掃業者の存在で、すごい匂いを放ち時には猛毒の体液が吹き出す危険のある怪獣の死骸を独自のノウハウで処理する彼らの存在なしには日常が成り立たないのだった。
というSF描写のあとで夢を追い続ける二十代後半の男の物語が幕を開ける。幼い頃に同じ夢を誓い合った少女の亜白ミナはすでに怪獣退治の隊長となって大活躍していた。彼女と肩を並べられる日は来るのか?
怪獣退治の隊員の強さの源泉は戦闘用スーツとのシンクロ率で、こいつが高ければ高いほどスーツによる増幅効果により運動能力が強化されたり高火力な武装を使うことができたりする。なんか技術を磨くとか以前にこういう訳の分からない要素があると一体どうやって鍛えるんだろうと疑問に思ってしまう。副隊長は独自の技術を持ってるけど。
スーツとのシンクロ率が0~1%の主人公は言うまでもなく最弱なのだけど、怪獣になれば圧倒的な戦闘力でもって怪獣を粉砕できる。読んでいて爽快なのだけど、これ一体どう理解すればいいのだろう。一方で彼は特殊清掃をやっていた経験から怪獣の弱点を探るのがうまくて、そういう地道な貢献がみんなから評価されるのはよかった。
幼馴染の少女と肩を並べて戦うのが目的というのがやっぱりどうにも腑に落ちなかった。彼女は隊員になろうとし続ける主人公のことは認識しているのだけど、公務では私情を挟まず主人公が少しでも馴れ馴れしくしてくると冷たく突き放す。かといってプライベートで会ったりもしないので一切交流がない。これどういうことなの?
そもそも人には向き不向きがあるのだから特殊清掃でいいじゃん、ってことになったら終わっちゃうか。そうまでして怪獣退治にこだわる彼の想いがわからなかった。幼馴染の少女が嫌々戦い続けているんだったら助けるんだってことで分かるんだけどポリコレになっちゃいそうだし、色々難しいのかもしれないなあ。
次々と強力な怪獣が襲い掛かってくるのを退治しつづけるだけで今後の展開が見えてこなかった。諫山創「進撃の巨人」みたいに怪獣の秘密とかのほうにいくんだろうか。
やっぱり読んでいてあくまで「次にヒットするかも」ぐらいの作品でしかないんだなあと思った。新しい作品を読んで刺激を受けたい人なら読んでもいいかも。