時事、ニュース、論評
国際
濡れ衣をかけられ続けるロシア
田中宇 (田中宇の国際ニュース解説)
傑作(30点)
2022年4月27日
ロシアがウクライナに攻め込んだことに対して欧米のマスコミは一方的に非難しているけれど、それらは全部濡れ衣であるということを特に4月8日に起きた「クラマトルスク駅攻撃」について解説した記事。発見されたミサイルの胴体部分にはロシア語で「(このミサイルは)子供たちのため(の贈り物です)」と書かれていたとのこと。
作者は元共同通信記者で国際ジャーナリストの田中宇。自分はこの人の(無料分の)記事をずっと愛読しており、ロシアがウクライナに侵攻してからは特に頻繁に読んでいたのだけど、以前ほどには国際情勢に興味がなくなってしまったので自分なりに裏を取る気になれなかった。でもさすがにウクライナはひどすぎるだろうと思ってだんだん確信を持ってきたのでここらで紹介しておくことにする。
ミサイルの特徴と発見された残骸の場所から大体の発射地点を割り出すことができるとし、それがなんとウクライナ軍の基地だと言っている(と主張している人の言説を紹介している)。このロシア軍のミサイル「トーチカU」はウクライナも持っているというか、ロシアでは最新のミサイルに置き換わっているのでそもそも使われていないのだという。
まあそれだけなら偽計工作の疑いもあるのだけど、自分が一番に思うのはそもそもロシアには動機がないということだ。ロシアの方が圧倒的に強いので、市民を狙う必要がない。ウクライナの首都キエフに軍事的な圧力を掛けたのは政権中枢部を屈服させるためだと言われているけれど、少なくともロシアは市民を狙っていない。都市を無差別に砲撃すればいくらでも市民に圧力を掛けられるのにそれをやっていない。
「ブチャ虐殺」だってロシア軍が悠々と撤退した場所なのだからもし本当に虐殺していたとしても証拠隠滅なんていくらでもできるはずだしあからさまに現場が残っているはずがない。というか騒ぎ立てたウクライナのほうが現場をさっさと片づけてしまったらしい。真相はウクライナ側の私兵が親ロシア派の住民を虐殺してそれをロシアのせいにしたのだと言っており、そのほうがよっぽど説得力がある。
ウクライナ側にはいくらでも動機がある。軍事力で劣る彼らからしてみれば、正面から戦うとすぐ負けてしまうのでどこかに立てこもって戦いたい。立てこもるなら市民を盾にとって戦いたい。そして市民に犠牲が出ればロシアに濡れ衣を着せて国際的に非難させたい。いわば「人間の盾」というやつだ。
なぜ自国民に対してこんなことが出来るのかというと、そもそも彼らの多くは傭兵だから。英米の工作により生まれた傀儡政権のもとで、極右団体が独自に編成した私兵が内務省の直属となって戦っている。日本の公安調査庁ですらアゾフ連隊のことをネオナチだと書いていた(最近あわてて消したけど)。
もちろんロシア側が一方的に正しいわけでもないし、むしろ自分は約束もロクに守らないロシアのような国には滅びてほしいと思っている。終戦のどさくさにまぎれて北海道まで攻め取ろうとしてそれはさすがに失敗したけれど北方四島というか千島列島を不法占拠しているし、戦後になっても日本の商社が出資した油田を強引に分捕ったりもした。人口の割に広大な国土を持ち、韓国程度の経済規模しかないのに膨大な資源を持ち、大した産業もないのに儲けまくってそれを軍事力の維持にあてている。
記事を読んでいて怖いなと思ったのは、日本のマスコミによる報道とは違っておおむねロシアは順調に成功しているということ。確かに首都キエフは落せなかったというか最初から落す気がなかったけれど、東部ではじわじわと勝利して占領地域を広げている。住民からの支持もあるので混乱していない。そして最終的にバカを見るのはアメリカの腰ぎんちゃくをやっている欧州や日本なのだという。ロシアはそれも知っていてあえて汚名をそそがないようにしているのだと言っている。
自分が今回のウクライナを見て思ったのは、これってまさに日中戦争のころの中国の国民党と同じだなあということ。あの頃の国民党は日本が租借していた地域で通州事件のような住民虐殺をして日本を挑発し、まんまと開戦を誘ったのはいいけれど日本にボコボコにされ、そのあいだ国際社会に対して日本の非道を盛んに訴えて介入を誘った。援蒋ルートによって武器弾薬の補給をしていたのはどこだったか?フライングタイガーは?
大戦中といまとでは大した違いがないと言いたいところだけど、いまはインターネットがあってSNSがある。匿名掲示板の5chだとロシア側につく人が一定数いる。欧州では既存メディアもそろそろおかしいと気づいて風向きが変わっていっているらしい。
この人のおもしろいところは、英米の一部勢力がわざとバレるような仕掛けをしているのだと言っているところ。彼らは一枚岩ではないので、わざと多極主義になるよう中露を誘導しているのだという。十分考えられることだと思う。西欧諸国はアメリカにタダ乗りしすぎた。日本はまだアメリカの言うことに従っているのでそれほどではないと思う。
急激な円安により日本の先行きが危ぶまれる中で、これからどうなっていくのか目が離せない。
作者は元共同通信記者で国際ジャーナリストの田中宇。自分はこの人の(無料分の)記事をずっと愛読しており、ロシアがウクライナに侵攻してからは特に頻繁に読んでいたのだけど、以前ほどには国際情勢に興味がなくなってしまったので自分なりに裏を取る気になれなかった。でもさすがにウクライナはひどすぎるだろうと思ってだんだん確信を持ってきたのでここらで紹介しておくことにする。
ミサイルの特徴と発見された残骸の場所から大体の発射地点を割り出すことができるとし、それがなんとウクライナ軍の基地だと言っている(と主張している人の言説を紹介している)。このロシア軍のミサイル「トーチカU」はウクライナも持っているというか、ロシアでは最新のミサイルに置き換わっているのでそもそも使われていないのだという。
まあそれだけなら偽計工作の疑いもあるのだけど、自分が一番に思うのはそもそもロシアには動機がないということだ。ロシアの方が圧倒的に強いので、市民を狙う必要がない。ウクライナの首都キエフに軍事的な圧力を掛けたのは政権中枢部を屈服させるためだと言われているけれど、少なくともロシアは市民を狙っていない。都市を無差別に砲撃すればいくらでも市民に圧力を掛けられるのにそれをやっていない。
「ブチャ虐殺」だってロシア軍が悠々と撤退した場所なのだからもし本当に虐殺していたとしても証拠隠滅なんていくらでもできるはずだしあからさまに現場が残っているはずがない。というか騒ぎ立てたウクライナのほうが現場をさっさと片づけてしまったらしい。真相はウクライナ側の私兵が親ロシア派の住民を虐殺してそれをロシアのせいにしたのだと言っており、そのほうがよっぽど説得力がある。
ウクライナ側にはいくらでも動機がある。軍事力で劣る彼らからしてみれば、正面から戦うとすぐ負けてしまうのでどこかに立てこもって戦いたい。立てこもるなら市民を盾にとって戦いたい。そして市民に犠牲が出ればロシアに濡れ衣を着せて国際的に非難させたい。いわば「人間の盾」というやつだ。
なぜ自国民に対してこんなことが出来るのかというと、そもそも彼らの多くは傭兵だから。英米の工作により生まれた傀儡政権のもとで、極右団体が独自に編成した私兵が内務省の直属となって戦っている。日本の公安調査庁ですらアゾフ連隊のことをネオナチだと書いていた(最近あわてて消したけど)。
もちろんロシア側が一方的に正しいわけでもないし、むしろ自分は約束もロクに守らないロシアのような国には滅びてほしいと思っている。終戦のどさくさにまぎれて北海道まで攻め取ろうとしてそれはさすがに失敗したけれど北方四島というか千島列島を不法占拠しているし、戦後になっても日本の商社が出資した油田を強引に分捕ったりもした。人口の割に広大な国土を持ち、韓国程度の経済規模しかないのに膨大な資源を持ち、大した産業もないのに儲けまくってそれを軍事力の維持にあてている。
記事を読んでいて怖いなと思ったのは、日本のマスコミによる報道とは違っておおむねロシアは順調に成功しているということ。確かに首都キエフは落せなかったというか最初から落す気がなかったけれど、東部ではじわじわと勝利して占領地域を広げている。住民からの支持もあるので混乱していない。そして最終的にバカを見るのはアメリカの腰ぎんちゃくをやっている欧州や日本なのだという。ロシアはそれも知っていてあえて汚名をそそがないようにしているのだと言っている。
自分が今回のウクライナを見て思ったのは、これってまさに日中戦争のころの中国の国民党と同じだなあということ。あの頃の国民党は日本が租借していた地域で通州事件のような住民虐殺をして日本を挑発し、まんまと開戦を誘ったのはいいけれど日本にボコボコにされ、そのあいだ国際社会に対して日本の非道を盛んに訴えて介入を誘った。援蒋ルートによって武器弾薬の補給をしていたのはどこだったか?フライングタイガーは?
大戦中といまとでは大した違いがないと言いたいところだけど、いまはインターネットがあってSNSがある。匿名掲示板の5chだとロシア側につく人が一定数いる。欧州では既存メディアもそろそろおかしいと気づいて風向きが変わっていっているらしい。
この人のおもしろいところは、英米の一部勢力がわざとバレるような仕掛けをしているのだと言っているところ。彼らは一枚岩ではないので、わざと多極主義になるよう中露を誘導しているのだという。十分考えられることだと思う。西欧諸国はアメリカにタダ乗りしすぎた。日本はまだアメリカの言うことに従っているのでそれほどではないと思う。
急激な円安により日本の先行きが危ぶまれる中で、これからどうなっていくのか目が離せない。