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【ゆっくり解説】重力は時間の流れが生み出す幻なのか?-重力の正体-
るーいのゆっくり科学 (YouTube 2023.12.5)
最高(50点)
2023年12月18日
重力が時空の歪みであることをアインシュタインの相対性理論から「ゆっくり解説」した動画。
なんか知らないけど動画サイトYouTubeのおすすめに出てきたので見てみた。とてもおもしろかった。
「ゆっくり解説」とは例の東方プロジェクトのキャラが顔だけ出てきて合成音声で対話しながらなにかを解説するフォーマットで、わりと下世話な解説が多いように思うんだけど、こんな科学解説にも使っている人がいるんだなあと思った。一人が質問してもう一人が答える形になっているのでわかりやすい。
いきなり批評すると、この動画は起点が「光が質量を持たないんだったらなぜ重力で曲がるの?」になっているんだけど、前の動画とのつながりでこうなっているみたいなので、この動画だけ見た人はとりあえず気にしないで見ればいいと思う。
最初に光の絶対性みたいなものを説明している。光は秒速30万キロで動くんだけど、この速度は誰がどう観測しても同じになる。通常、たとえば時速30キロで動く車と時速50キロで動く車とがすれ違うと、お互いの車同士では速度を合算して互いに時速80キロで接近したり遠ざかったりしているように見えるけど、光の場合はどんだけ足しても引いても秒速30万キロで動いているように見える。
ここからがこの動画の素晴らしいところで、空間を一次元つまり直線的なものに簡略化して説明している。こうすることで、時間軸と合わせて時空つまり時間と空間をあわせた概念を平面で説明することができる。これにより、すべての物体が時空の中を絶対的な速度で動いていることが直感的に理解できる。どういうことかというと、光は空間上を秒速30万キロで動いているけれど時間方向にはまったく進んでおらず、逆に静止した物体は空間上をまったく進んでいない代わりに時間軸を全力で(?)進んでいる。
ここで「静止した物体」と言ったけれど、それはあくまで相対的な話であって、もちろんその物体に対して相対的に動いている人から見れば物体のほうが動いて見える(自分が動いていると思わなければの話だけど)。空間的な移動も時間的な移動もすべて相対的なものだから。というのが特殊相対性理論だった。
そこへさらに加速度も含めた一般相対性理論の説明に移っていく。重力に引っ張られて落下するのも、乗り物の推進力で加速していくのも、当人にとっては区別できない同じ力なので、相対的に言えばまったく同じように説明ができるのだということを解説している。
じゃあなぜ地球の重力がリンゴを引っ張るのかというと、地球の巨大な質量により発生する重力によって、地球から見てリンゴは上部と下部とで相対的な距離に差が生じるため、相対的な時間の流れ方にも差が生じた結果として、その分だけ下に引っ張られたように見えるとのことだった。
…ん?なんかどっかで煙に巻かれた気がする。相対的な時間の差が相対的な速度の差によって「埋め合わされた」として、じゃあなぜその速度が地球方向に向くのか?人間が浅瀬を走ったら足を取られて転ぶことで説明しようとしているけれど、速度の向きについては何も説明していないと思う。このあと太陽と地球の例を出して公転による相対速度で説明しようとしているけれど、地球が太陽の周りをまわることにより働く遠心力とのつり合いでしかないように思える。
この動画では「物体は時空の最短経路をたどる」と説明している。つまり、地球から見て近い方が時間の流れが早くなるので、最短経路をたどるためにリンゴが地球に近づいていくということなのだろうか?
最後にこの動画の起点となった「光が質量を持たないんだったらなぜ重力で曲がるの?」という問いへの答えを出している。星だかブラックホールだかの重力によって時空が歪むので、時間的にも空間的にも光は最短距離を通ろうとして軌道が曲がるとのこと。
そうじゃなくて、自分は地球の周りの空間が常に収縮していっていることによって重力が働いているように見えるんじゃないかと思った。そのほうが感覚的にわかりやすい。って空間を扇形にして説明しているのは空間の収縮を表しているってことなんだろうか。いやこのときはあくまで時間の流れの相対的な差でしか説明していないからなあ…。相対速度が遅い物体は空間の歪みによる影響はほとんど受けないとのことだった。
ちなみにこの動画は重力について解説してはいるものの、なぜ重力が発生するのかまでは触れていない。そりゃまだ解明されていないから。
以前読んだ仮説の一つに、宇宙には全方位から物体を押す重力波みたいなものが働いており、唯一質量のみがその重力波を遮断するため、質量のある物体同士が引き寄せられていくというのがあった。
宇宙は非常に細かい格子状に分割されていて、隣り合ったマス目同士の相互作用が働く反応速度がそのまま光の速さであるという、シミュレーション仮説のようなセル・オートマトンという宇宙論もあっておもしろかった。この動画とは関係ないけど。
動画でアニメーションさせた説明がすごく分かりやすかった。これは本やマンガでは到底無理なので、動画の圧倒的な優位性を思い知った。もうこの手の学習は動画一択とすら思えた。義務教育でタブレットを取り入れたのは必然だと思った。
やっぱり重力の説明は難しくて、この動画もわかった気にさせているだけなのかもしれないけれど、少なくとも相対性理論の説明まではすごくわかりやすくて納得できたし、そもそも人間が時空を直感的に理解することなんてできないんだから、一般人が興味を満たすにはこのあたりの説明が最適解なのかもしれない。
なんか知らないけど動画サイトYouTubeのおすすめに出てきたので見てみた。とてもおもしろかった。
「ゆっくり解説」とは例の東方プロジェクトのキャラが顔だけ出てきて合成音声で対話しながらなにかを解説するフォーマットで、わりと下世話な解説が多いように思うんだけど、こんな科学解説にも使っている人がいるんだなあと思った。一人が質問してもう一人が答える形になっているのでわかりやすい。
いきなり批評すると、この動画は起点が「光が質量を持たないんだったらなぜ重力で曲がるの?」になっているんだけど、前の動画とのつながりでこうなっているみたいなので、この動画だけ見た人はとりあえず気にしないで見ればいいと思う。
最初に光の絶対性みたいなものを説明している。光は秒速30万キロで動くんだけど、この速度は誰がどう観測しても同じになる。通常、たとえば時速30キロで動く車と時速50キロで動く車とがすれ違うと、お互いの車同士では速度を合算して互いに時速80キロで接近したり遠ざかったりしているように見えるけど、光の場合はどんだけ足しても引いても秒速30万キロで動いているように見える。
ここからがこの動画の素晴らしいところで、空間を一次元つまり直線的なものに簡略化して説明している。こうすることで、時間軸と合わせて時空つまり時間と空間をあわせた概念を平面で説明することができる。これにより、すべての物体が時空の中を絶対的な速度で動いていることが直感的に理解できる。どういうことかというと、光は空間上を秒速30万キロで動いているけれど時間方向にはまったく進んでおらず、逆に静止した物体は空間上をまったく進んでいない代わりに時間軸を全力で(?)進んでいる。
ここで「静止した物体」と言ったけれど、それはあくまで相対的な話であって、もちろんその物体に対して相対的に動いている人から見れば物体のほうが動いて見える(自分が動いていると思わなければの話だけど)。空間的な移動も時間的な移動もすべて相対的なものだから。というのが特殊相対性理論だった。
そこへさらに加速度も含めた一般相対性理論の説明に移っていく。重力に引っ張られて落下するのも、乗り物の推進力で加速していくのも、当人にとっては区別できない同じ力なので、相対的に言えばまったく同じように説明ができるのだということを解説している。
じゃあなぜ地球の重力がリンゴを引っ張るのかというと、地球の巨大な質量により発生する重力によって、地球から見てリンゴは上部と下部とで相対的な距離に差が生じるため、相対的な時間の流れ方にも差が生じた結果として、その分だけ下に引っ張られたように見えるとのことだった。
…ん?なんかどっかで煙に巻かれた気がする。相対的な時間の差が相対的な速度の差によって「埋め合わされた」として、じゃあなぜその速度が地球方向に向くのか?人間が浅瀬を走ったら足を取られて転ぶことで説明しようとしているけれど、速度の向きについては何も説明していないと思う。このあと太陽と地球の例を出して公転による相対速度で説明しようとしているけれど、地球が太陽の周りをまわることにより働く遠心力とのつり合いでしかないように思える。
この動画では「物体は時空の最短経路をたどる」と説明している。つまり、地球から見て近い方が時間の流れが早くなるので、最短経路をたどるためにリンゴが地球に近づいていくということなのだろうか?
最後にこの動画の起点となった「光が質量を持たないんだったらなぜ重力で曲がるの?」という問いへの答えを出している。星だかブラックホールだかの重力によって時空が歪むので、時間的にも空間的にも光は最短距離を通ろうとして軌道が曲がるとのこと。
そうじゃなくて、自分は地球の周りの空間が常に収縮していっていることによって重力が働いているように見えるんじゃないかと思った。そのほうが感覚的にわかりやすい。って空間を扇形にして説明しているのは空間の収縮を表しているってことなんだろうか。いやこのときはあくまで時間の流れの相対的な差でしか説明していないからなあ…。相対速度が遅い物体は空間の歪みによる影響はほとんど受けないとのことだった。
ちなみにこの動画は重力について解説してはいるものの、なぜ重力が発生するのかまでは触れていない。そりゃまだ解明されていないから。
以前読んだ仮説の一つに、宇宙には全方位から物体を押す重力波みたいなものが働いており、唯一質量のみがその重力波を遮断するため、質量のある物体同士が引き寄せられていくというのがあった。
宇宙は非常に細かい格子状に分割されていて、隣り合ったマス目同士の相互作用が働く反応速度がそのまま光の速さであるという、シミュレーション仮説のようなセル・オートマトンという宇宙論もあっておもしろかった。この動画とは関係ないけど。
動画でアニメーションさせた説明がすごく分かりやすかった。これは本やマンガでは到底無理なので、動画の圧倒的な優位性を思い知った。もうこの手の学習は動画一択とすら思えた。義務教育でタブレットを取り入れたのは必然だと思った。
やっぱり重力の説明は難しくて、この動画もわかった気にさせているだけなのかもしれないけれど、少なくとも相対性理論の説明まではすごくわかりやすくて納得できたし、そもそも人間が時空を直感的に理解することなんてできないんだから、一般人が興味を満たすにはこのあたりの説明が最適解なのかもしれない。
[参考]
https://www.youtube.com/
watch?v=AmQbqydOF9s
(最終更新日: 2024年1月6日 by ひっちぃ)