コンピュータソフト
サブノーティカ
Unknown Worlds Entertainment
傑作(30点)
2024年11月24日
アルテラコーポレーションに属する宇宙船オーロラ号は、フェーズゲート建設に向かう途中、惑星4546Bにて救出任務を行おうとして墜落する。脱出ポットで脱出した主人公は、地表のほとんどを海に覆われたこの惑星で、生き残るために自給自足の生活をしつつ、この惑星の謎を解き明かそうとする。アメリカのUnknown Worldsが開発・販売している海洋クラフトサバイバル謎解きゲーム。
大手VTuber事務所ホロライブの宝鍾マリンがこのゲームをプレイしている配信を初回だけ見て自分でプレイしたくなったのでSteamのセール時に数百円で買った。とてもおもしろかった。
【Subnautica】初見の深海…恐怖が待ってるらしい【ホロライブ/宝鐘マリン】
https://www.youtube.com/
watch?v=lJ1f9ItZ4io&list=PLK
o9UD3uKyyH25_B6z_lhR-suOWAK-aEC&
amp;index=1&t=6s&pp=iAQB
その後、プレステ4とEpic Games Launcherのライブラリを見たらタダで手に入れたものが入っていたので悶絶した。まあおもしろかったし、売り上げに貢献できたのでよかったと思う。でもそれだったら次回作を発売直後に定価で買うほうがよかったかも。
オープニングは墜落する宇宙船オーロラ号からまさに脱出するシーンのムービーから始まる。すごい速度で飛ぶ脱出ポッドの中で、跳ね回る破片が頭にぶつかって意識を失い、目が覚めたときには周囲に火が燃え広がっていた。急いで消火器で火を消さなくてはならない。
落ち着いて外に出てみると、脱出ポッドが海に浮いている状態であることがわかる。遠方には壊れて燃え続けるオーロラ号の姿が見える。周辺にはおだやかな浅瀬に独特の生態系を持ったサンゴ礁が広がっている。
脱出ポッドの中には最低限の食料と水と、様々な加工のできるファブリケーターと呼ばれる万能3Dプリンターっぽい機械がある。無線機は故障して沈黙したままだった。このファブリケーターというのは本当に万能で、魚を調理したり、船の残骸の金属片や海に落ちている鉱石などから道具を作ったりできる。
といってもデータベースの多くが破損しているため、スキャナーを作って海底のあちこちに落ちている残骸から設計図を作り直さないと作れないものが多い。このゲームの基本サイクルは、周囲を探索して材料を集め、スキャンした設計図をもとに装備や道具を揃えて、行動範囲を広げていくのを繰り返すようになっている。
無線機を修理すると主人公と同様に脱出した仲間から無線が入る。彼らの位置がビーコンで送信されてくる。でも海底100m以上のところに沈んでいたり、オーロラ号の壊れたエンジンが起こす放射能漏れにより近づけないエリアがあったりするので、深く潜れる装備やら放射能を防ぐスーツやらを作らなければならない。
ゲームが進むにつれてどんどん装備が充実していくけれど、周囲には危険な海洋生物も生息している。あんまりネタバレしないほうがいいと思うけれど、そのうち乗り物を作ったり基地を建てたりできるようになる。
このゲームには広域マップがない。こんだけ技術の進んだ空想未来世界なのにナビゲーションシステムがないのは逆に違和感がある。でもこれはゲームデザイン上の意図にもとづいているらしい。コンパスがあれば方位がわかるし、ビーコンやトランスポンダーが位置情報を発信しているのでそれらを頼りにする。一応ミニマップ的なものを表示できる道具や設備もあるのだけど、見にくいので大して実用にならない。
手探りで進めていくのは楽しいのだけど、落ちているものを見落とすことが多かった。特にPDAつまり携帯情報端末。なぜか画面がついた状態で海中などに転がっているので、うっすらと光が投射されているのだけど、そういう形の環境光に見えることもあるのでスルーしてしまう。
また、壊れたビーコンをスキャンするとビーコンの設計図が手に入るのだけど、ビーコンが思ったより小さくてスキャン対象に見えず、本来最初の方で手に入るはずなのに自分はだいぶあとになってこの重要アイテムが使えるようになった。なので自分は序盤をこえたあたりから攻略サイトの世話になった。
標準的なゲームモードを「サバイバル」にすると、水と酸素と食料の残りを気にする必要がある。現代の技術でも酸素ボンベ一本あれば30分ぐらいは潜っていられるはずなのだけど、この世界のボンベは最大でも3分ぐらいしか潜っていられない。その代わり水から出るとすぐに酸素が充填される。海底で入り組んだ洞窟や船の残骸の中を探検しているうちに出口が分からなくなって溺死しそうになる。っていうか何回か死んだ。死んでも一部アイテムがロストするだけですぐ復活できる(ゲームモードを一番難しくするとセーブデータごと消される)。
水と食料は海中を泳いでいる魚を捕まえれば問題ないのだけど意外と面倒くさい。ちょこまかと逃げ回る。おとなしくなる夜に狙うといい。そのうちクラブスフィアという小魚を捕まえるのが容易になる道具が手に入る。捕まえた魚はそのまま食べてもあまり回復しないので、ファブリケーターで調理したほうがいい。
グラフィックスとサウンドが素晴らしい。本当に海に潜っている感じがする。海の表現と言えば任天堂の「ゼルダの伝説 風のタクト」で一度感動したのだけど、あれはアニメ調の絵だったのに対して、本作ではそこそこリアルに描かれている。割と無秩序に生育したサンゴや、ゆらゆらとゆれる海藻類。ときおり気泡がはじける音や、大きい生物の発する謎の鳴き声が響く。深く潜れば潜るほど光が届かなくなって暗くなっていくが、一方で妖しく発光する海中植物があたりを照らす。
一見文明の影もない原生生物だけがいる星のようであるが…。
ストーリーがよかった。もともとオーロラ号が行う予定だった、この星で約十年前に消息を絶ったデゴシ号の乗務員の救出任務がある。どうやら彼らは生き延びて住居を転々としているようだったのだが…。
不意にテレパシーかなにかでコンタクトをとってくる謎の生命体の正体とは?
アクション要素があるので、そういうのが苦手な人はストレスを感じると思う。工夫すればそんなに難しくはない。逆にアクションが得意な人はうまく立ち回ることで少し優位にゲームを進めることができる。
手探りでのゲームプレイを勧めるわりに多少不親切なところがあると思う。ゲームが大好きな自分でさえ途中で攻略サイトを見た方がいいやとなった。せっかちすぎた面もあると思う。十分時間のある人は多少プレイが停滞してもじっくりやったほうがいいかもしれない。自分は60時間弱でクリアできた。攻略サイトを見なかったら100時間以上かかったかも。
クリア後にもう一度今度は効率プレイをやってみたくなったので最初から途中まで遊んでしまった。プレステ4版でやったら起動時の読み込みがやたらと遅く感じた。ハードディスクだからだと思う。その代わり、一度起動してしまえばあとはプレイを中断したくなったときにスリープすればいいのでプレイの再開はPCより早い。
はるか昔にプレイした「無人島物語」を思い出した。もう三十年近く前のゲームで、クラフト要素があって無人島からの脱出を目指すエロゲー(!)だった。プレイしたのはスーパーファミコン版なので全年齢版だったけど。良作だと思うのにもう忘れ去られていて惜しい。
ちょっとでも面倒くさい要素のあるゲームが苦手な人でなければぜひ遊んでみてほしい。
大手VTuber事務所ホロライブの宝鍾マリンがこのゲームをプレイしている配信を初回だけ見て自分でプレイしたくなったのでSteamのセール時に数百円で買った。とてもおもしろかった。
【Subnautica】初見の深海…恐怖が待ってるらしい【ホロライブ/宝鐘マリン】
https://www.youtube.com/
watch?v=lJ1f9ItZ4io&list=PLK
o9UD3uKyyH25_B6z_lhR-suOWAK-aEC&
amp;index=1&t=6s&pp=iAQB
その後、プレステ4とEpic Games Launcherのライブラリを見たらタダで手に入れたものが入っていたので悶絶した。まあおもしろかったし、売り上げに貢献できたのでよかったと思う。でもそれだったら次回作を発売直後に定価で買うほうがよかったかも。
オープニングは墜落する宇宙船オーロラ号からまさに脱出するシーンのムービーから始まる。すごい速度で飛ぶ脱出ポッドの中で、跳ね回る破片が頭にぶつかって意識を失い、目が覚めたときには周囲に火が燃え広がっていた。急いで消火器で火を消さなくてはならない。
落ち着いて外に出てみると、脱出ポッドが海に浮いている状態であることがわかる。遠方には壊れて燃え続けるオーロラ号の姿が見える。周辺にはおだやかな浅瀬に独特の生態系を持ったサンゴ礁が広がっている。
脱出ポッドの中には最低限の食料と水と、様々な加工のできるファブリケーターと呼ばれる万能3Dプリンターっぽい機械がある。無線機は故障して沈黙したままだった。このファブリケーターというのは本当に万能で、魚を調理したり、船の残骸の金属片や海に落ちている鉱石などから道具を作ったりできる。
といってもデータベースの多くが破損しているため、スキャナーを作って海底のあちこちに落ちている残骸から設計図を作り直さないと作れないものが多い。このゲームの基本サイクルは、周囲を探索して材料を集め、スキャンした設計図をもとに装備や道具を揃えて、行動範囲を広げていくのを繰り返すようになっている。
無線機を修理すると主人公と同様に脱出した仲間から無線が入る。彼らの位置がビーコンで送信されてくる。でも海底100m以上のところに沈んでいたり、オーロラ号の壊れたエンジンが起こす放射能漏れにより近づけないエリアがあったりするので、深く潜れる装備やら放射能を防ぐスーツやらを作らなければならない。
ゲームが進むにつれてどんどん装備が充実していくけれど、周囲には危険な海洋生物も生息している。あんまりネタバレしないほうがいいと思うけれど、そのうち乗り物を作ったり基地を建てたりできるようになる。
このゲームには広域マップがない。こんだけ技術の進んだ空想未来世界なのにナビゲーションシステムがないのは逆に違和感がある。でもこれはゲームデザイン上の意図にもとづいているらしい。コンパスがあれば方位がわかるし、ビーコンやトランスポンダーが位置情報を発信しているのでそれらを頼りにする。一応ミニマップ的なものを表示できる道具や設備もあるのだけど、見にくいので大して実用にならない。
手探りで進めていくのは楽しいのだけど、落ちているものを見落とすことが多かった。特にPDAつまり携帯情報端末。なぜか画面がついた状態で海中などに転がっているので、うっすらと光が投射されているのだけど、そういう形の環境光に見えることもあるのでスルーしてしまう。
また、壊れたビーコンをスキャンするとビーコンの設計図が手に入るのだけど、ビーコンが思ったより小さくてスキャン対象に見えず、本来最初の方で手に入るはずなのに自分はだいぶあとになってこの重要アイテムが使えるようになった。なので自分は序盤をこえたあたりから攻略サイトの世話になった。
標準的なゲームモードを「サバイバル」にすると、水と酸素と食料の残りを気にする必要がある。現代の技術でも酸素ボンベ一本あれば30分ぐらいは潜っていられるはずなのだけど、この世界のボンベは最大でも3分ぐらいしか潜っていられない。その代わり水から出るとすぐに酸素が充填される。海底で入り組んだ洞窟や船の残骸の中を探検しているうちに出口が分からなくなって溺死しそうになる。っていうか何回か死んだ。死んでも一部アイテムがロストするだけですぐ復活できる(ゲームモードを一番難しくするとセーブデータごと消される)。
水と食料は海中を泳いでいる魚を捕まえれば問題ないのだけど意外と面倒くさい。ちょこまかと逃げ回る。おとなしくなる夜に狙うといい。そのうちクラブスフィアという小魚を捕まえるのが容易になる道具が手に入る。捕まえた魚はそのまま食べてもあまり回復しないので、ファブリケーターで調理したほうがいい。
グラフィックスとサウンドが素晴らしい。本当に海に潜っている感じがする。海の表現と言えば任天堂の「ゼルダの伝説 風のタクト」で一度感動したのだけど、あれはアニメ調の絵だったのに対して、本作ではそこそこリアルに描かれている。割と無秩序に生育したサンゴや、ゆらゆらとゆれる海藻類。ときおり気泡がはじける音や、大きい生物の発する謎の鳴き声が響く。深く潜れば潜るほど光が届かなくなって暗くなっていくが、一方で妖しく発光する海中植物があたりを照らす。
一見文明の影もない原生生物だけがいる星のようであるが…。
ストーリーがよかった。もともとオーロラ号が行う予定だった、この星で約十年前に消息を絶ったデゴシ号の乗務員の救出任務がある。どうやら彼らは生き延びて住居を転々としているようだったのだが…。
不意にテレパシーかなにかでコンタクトをとってくる謎の生命体の正体とは?
アクション要素があるので、そういうのが苦手な人はストレスを感じると思う。工夫すればそんなに難しくはない。逆にアクションが得意な人はうまく立ち回ることで少し優位にゲームを進めることができる。
手探りでのゲームプレイを勧めるわりに多少不親切なところがあると思う。ゲームが大好きな自分でさえ途中で攻略サイトを見た方がいいやとなった。せっかちすぎた面もあると思う。十分時間のある人は多少プレイが停滞してもじっくりやったほうがいいかもしれない。自分は60時間弱でクリアできた。攻略サイトを見なかったら100時間以上かかったかも。
クリア後にもう一度今度は効率プレイをやってみたくなったので最初から途中まで遊んでしまった。プレステ4版でやったら起動時の読み込みがやたらと遅く感じた。ハードディスクだからだと思う。その代わり、一度起動してしまえばあとはプレイを中断したくなったときにスリープすればいいのでプレイの再開はPCより早い。
はるか昔にプレイした「無人島物語」を思い出した。もう三十年近く前のゲームで、クラフト要素があって無人島からの脱出を目指すエロゲー(!)だった。プレイしたのはスーパーファミコン版なので全年齢版だったけど。良作だと思うのにもう忘れ去られていて惜しい。
ちょっとでも面倒くさい要素のあるゲームが苦手な人でなければぜひ遊んでみてほしい。