


史上最強オークさんの楽しい異世界ハーレムづくり コミカライズ版 11巻まで
原作: 月夜涙, キャラクター原案: みわべさくら, 漫画: 月見隆士
いまいち(-10点)
2025年9月17日
人間の女を暴行するモンスターの代名詞であるオークに転生した主人公オルクは、母親が女勇者なせいかほぼ見た目人間で弱かった。母親から檄を受けた彼は発奮し、強くなるための修行を経て自分のハーレムを作ろうとする。ファンタジー小説が原作のコミカライズ版。
アニメ化された「回復術士のやり直し」「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」と同じ原作者の作品だった。おもしろいところもあったので読み進めたけど、やっぱりなんか世界観とかキャラやストーリーが好きになれず途中で読むのをやめてしまった。
主人公の男の子オルクはオークの族長と人間の女勇者との間に生まれたハーフオークなんだけど、オークに敗れた女勇者が無理やり産まされた子供というわけじゃなくて、オークの強さとやさしさに惚れた女勇者がオークを愛して生まれたらしい。
だから彼女はオルクに対して強くなりなさいと説く。女の子は強い男に屈服させられたいのだとw まあ元々は小説投稿サイトに書かれた作品だし、オークネタで導入部をキャッチーにして読者を引きつけようとしたんだと思う。
やる気になったオルクに対して母親は各方面で世界最高の教師たちを呼んできて英才教育を施す。剣技だけでなく魔法や商才まで身に着けた彼は、いい女を求めて世界中を放浪して自分のハーレムを作ろうとする。
まず主人公が真面目すぎると思う。こいつの頭のネジが狂ってるのは複数の女の子を同時に愛したいというただ一点だけで、あとは母親が呼んできた師匠たちのことを尊敬しているし、ちゃんと教えを守って身につけている。囲った女の子たちに不自由させないよう甲斐性まで当然と思っている。まあ時々子供っぽいところも見せて危ない目にもあうのだけど。
女の子も無理やり屈服させるのではなくて、ちゃんと自分を好きになってから抱こうとする。オルクは行く先々でまず最初に女の子を救ってあげるのだけど、その段階ではまだ救われたからだとか恩返しだとかの感情が先だってしまうだろうからといったん踏みとどまる。そして時間を置いて本当に自分のことを好きになったことを確認した上で、かつ自分が一人の女にだけ愛情を注ぐわけではないことを納得させた上で、双方合意のもとにハーレム入りとなる。うーん、鬼畜w
そんなオルクの生きざまをかっこいいと思う人もいるんだろうけど、自分は年をとったせいかあまり好きになれなかった。人間ってもっと身勝手なものだし、そんな中にもやさしさとか気配りがあって愛情がにじみでてくるものだと思う。まあそう思い込みたい人が幻視している部分も含めてなんだけどw 愛とか恋って突き詰めると幻想なんだから。
師匠たちの教えに忠実で尊敬しているところにも子供っぽさを感じずにはいられなかった。彼らが超一流で本当に尊敬すべき人々であるからなんだろうけど、なんか浅く感じてしまう。オルクのことを利用しようとする人だっていそうなものなのに。
ヒロインたちにも引かれなかった。最初のヒロインはエルフの少女ティータで、奴隷として売られようとしているところを助ける。二番目がキツネ獣人の鍛冶師の女の子クルルで獣耳少女。この二人はキャラ的に区別がつきにくかった。三人目が義理の妹で王女にして剣士の女の子ルリネで、こいつは政治力があって腹黒いのがちょっとおもしろかったけど、オルクがそれを全部お見通しなのがつまらなかった。ちなみにオルクは母親が王族なので自分も王子だという盛りすぎな設定にも萎えた。
四人目の候補として父親のことが好きだったという年上の女リリスが出てくるんだけど、こいつのことは自分に父親を重ねているだけだと言って拒絶する(真面目か!)。断るときもちゃんと彼女に寄り添ったことを言っていて良かったんだけど、なんだかんだで彼女はオルクのほうを向きそうな感じ。
オルクはオークだけど正確にはエヴォル・オークという上位種で、こいつらはその名の通り色んなことを学んで進化していく。めっちゃ強い。さらにオルクは暴走しかねない強大な潜在力を持っていて、普段はその力を封印している設定になっている。この力を解放すると自我が崩壊して暴走してもとに戻れなくなるリスクを抱えている。まあなんだかんだで強敵とあたるときにはうまいこと解放するんだけどw
作中修行パートなんかもあって、王道バトルものっぽいところもある。しかもこいつの場合は魔法も自由自在だし、勇者でもあるので勇者としての特殊能力も使えるという完璧超人だった。
商才もすごい。硬貨の顔になっているような師匠から教えを受けている。だからといって一人でなんでもやって無双するのではなくて、大商人に近づいてコツコツとパートナーシップを築いて商売を大きくしていく。ここまで如才ないと憎らしくなるw
異世界ものにありがちな現代の知識も使う。こいつは料理もうまい。愛する女と一夜を過ごしたあとの朝にコーヒーを飲みたいからと無から合成する。たまたま本物のコーヒーを広く扱おうとしていた大商人と一触即発になるかと思ったらうまいこと言いくるめて協業する。でもってティラミスを作って広めようとするんだけど、しっかりと作り方や歴史の描写があって読んでいた自分も食べたくなってしまった。
彼にも弱いところがあるとしたらやさしさ(笑)だろうか。強敵と戦って自分の体の中にある魔力回路が焼き切れたときに、治すにはスライムを材料にして自分をもとに作った人造人間の少女を取り込む必要があると言われたときに、そんなことはできないからと第二の道を模索しようとする。
そんなわけで、話はどんどん展開していってそれなりに楽しめていたつもりだったのだけど、なんかおもしろくないなあと思って読むのをやめてしまった。
主人公が強すぎて万能な作品は割と多いと思うんだけど、そういう作品は周辺キャラが魅力的であったり、気になるストーリー展開があったりする。しかしこの作品はあまり周辺キャラに魅力を感じないし、世界を破滅させようとする正体不明の巨大な敵を倒すのがメインストーリーなので息が詰まる。あとはハーレムに入れる女の子探しとサブイベントぐらいなので引きが弱いと思う。
絵はいろんなタイプの女の子がかわいいし主人公もルルーシュ系でかっこいいんだけど、脇役男キャラがちょっといまいちかなと思った。マンガ表現的には読みやすくてよかった。リリスがオルクのデリカシーない発言にキレるところなんかコミカルでおもしろかった。
自分はそこまで楽しめなかったけど、王道の少年マンガが好きでなおかつハーレムを堂々と作ろうとする下衆さ(?)を楽しめそうなら読んでみるといいと思う。
アニメ化された「回復術士のやり直し」「世界最高の暗殺者、異世界貴族に転生する」と同じ原作者の作品だった。おもしろいところもあったので読み進めたけど、やっぱりなんか世界観とかキャラやストーリーが好きになれず途中で読むのをやめてしまった。
主人公の男の子オルクはオークの族長と人間の女勇者との間に生まれたハーフオークなんだけど、オークに敗れた女勇者が無理やり産まされた子供というわけじゃなくて、オークの強さとやさしさに惚れた女勇者がオークを愛して生まれたらしい。
だから彼女はオルクに対して強くなりなさいと説く。女の子は強い男に屈服させられたいのだとw まあ元々は小説投稿サイトに書かれた作品だし、オークネタで導入部をキャッチーにして読者を引きつけようとしたんだと思う。
やる気になったオルクに対して母親は各方面で世界最高の教師たちを呼んできて英才教育を施す。剣技だけでなく魔法や商才まで身に着けた彼は、いい女を求めて世界中を放浪して自分のハーレムを作ろうとする。
まず主人公が真面目すぎると思う。こいつの頭のネジが狂ってるのは複数の女の子を同時に愛したいというただ一点だけで、あとは母親が呼んできた師匠たちのことを尊敬しているし、ちゃんと教えを守って身につけている。囲った女の子たちに不自由させないよう甲斐性まで当然と思っている。まあ時々子供っぽいところも見せて危ない目にもあうのだけど。
女の子も無理やり屈服させるのではなくて、ちゃんと自分を好きになってから抱こうとする。オルクは行く先々でまず最初に女の子を救ってあげるのだけど、その段階ではまだ救われたからだとか恩返しだとかの感情が先だってしまうだろうからといったん踏みとどまる。そして時間を置いて本当に自分のことを好きになったことを確認した上で、かつ自分が一人の女にだけ愛情を注ぐわけではないことを納得させた上で、双方合意のもとにハーレム入りとなる。うーん、鬼畜w
そんなオルクの生きざまをかっこいいと思う人もいるんだろうけど、自分は年をとったせいかあまり好きになれなかった。人間ってもっと身勝手なものだし、そんな中にもやさしさとか気配りがあって愛情がにじみでてくるものだと思う。まあそう思い込みたい人が幻視している部分も含めてなんだけどw 愛とか恋って突き詰めると幻想なんだから。
師匠たちの教えに忠実で尊敬しているところにも子供っぽさを感じずにはいられなかった。彼らが超一流で本当に尊敬すべき人々であるからなんだろうけど、なんか浅く感じてしまう。オルクのことを利用しようとする人だっていそうなものなのに。
ヒロインたちにも引かれなかった。最初のヒロインはエルフの少女ティータで、奴隷として売られようとしているところを助ける。二番目がキツネ獣人の鍛冶師の女の子クルルで獣耳少女。この二人はキャラ的に区別がつきにくかった。三人目が義理の妹で王女にして剣士の女の子ルリネで、こいつは政治力があって腹黒いのがちょっとおもしろかったけど、オルクがそれを全部お見通しなのがつまらなかった。ちなみにオルクは母親が王族なので自分も王子だという盛りすぎな設定にも萎えた。
四人目の候補として父親のことが好きだったという年上の女リリスが出てくるんだけど、こいつのことは自分に父親を重ねているだけだと言って拒絶する(真面目か!)。断るときもちゃんと彼女に寄り添ったことを言っていて良かったんだけど、なんだかんだで彼女はオルクのほうを向きそうな感じ。
オルクはオークだけど正確にはエヴォル・オークという上位種で、こいつらはその名の通り色んなことを学んで進化していく。めっちゃ強い。さらにオルクは暴走しかねない強大な潜在力を持っていて、普段はその力を封印している設定になっている。この力を解放すると自我が崩壊して暴走してもとに戻れなくなるリスクを抱えている。まあなんだかんだで強敵とあたるときにはうまいこと解放するんだけどw
作中修行パートなんかもあって、王道バトルものっぽいところもある。しかもこいつの場合は魔法も自由自在だし、勇者でもあるので勇者としての特殊能力も使えるという完璧超人だった。
商才もすごい。硬貨の顔になっているような師匠から教えを受けている。だからといって一人でなんでもやって無双するのではなくて、大商人に近づいてコツコツとパートナーシップを築いて商売を大きくしていく。ここまで如才ないと憎らしくなるw
異世界ものにありがちな現代の知識も使う。こいつは料理もうまい。愛する女と一夜を過ごしたあとの朝にコーヒーを飲みたいからと無から合成する。たまたま本物のコーヒーを広く扱おうとしていた大商人と一触即発になるかと思ったらうまいこと言いくるめて協業する。でもってティラミスを作って広めようとするんだけど、しっかりと作り方や歴史の描写があって読んでいた自分も食べたくなってしまった。
彼にも弱いところがあるとしたらやさしさ(笑)だろうか。強敵と戦って自分の体の中にある魔力回路が焼き切れたときに、治すにはスライムを材料にして自分をもとに作った人造人間の少女を取り込む必要があると言われたときに、そんなことはできないからと第二の道を模索しようとする。
そんなわけで、話はどんどん展開していってそれなりに楽しめていたつもりだったのだけど、なんかおもしろくないなあと思って読むのをやめてしまった。
主人公が強すぎて万能な作品は割と多いと思うんだけど、そういう作品は周辺キャラが魅力的であったり、気になるストーリー展開があったりする。しかしこの作品はあまり周辺キャラに魅力を感じないし、世界を破滅させようとする正体不明の巨大な敵を倒すのがメインストーリーなので息が詰まる。あとはハーレムに入れる女の子探しとサブイベントぐらいなので引きが弱いと思う。
絵はいろんなタイプの女の子がかわいいし主人公もルルーシュ系でかっこいいんだけど、脇役男キャラがちょっといまいちかなと思った。マンガ表現的には読みやすくてよかった。リリスがオルクのデリカシーない発言にキレるところなんかコミカルでおもしろかった。
自分はそこまで楽しめなかったけど、王道の少年マンガが好きでなおかつハーレムを堂々と作ろうとする下衆さ(?)を楽しめそうなら読んでみるといいと思う。