ノンフィクション
随筆・日記
喜劇人の孤独 (本音を申せば 第447回)
小林信彦 (週刊文春 2007.3.8)
まあまあ(10点)
2007年3月6日
伊集院光のラジオ対談番組から入り、西田敏行との対談で出てきた森繁久弥のいじわるなエピソードの紹介から、この作者がかつてインタビューしたときに感じた森繁久弥の孤独でナイーブなところについて述懐した話。
私の世代からすれば森繁久弥の存在の大きさとやらはさっぱり分からないのだけど、あの西田敏行をいじったというこの大御所が、今から三十年前のまだ若かった作者の書いた「日本の喜劇人」という評論本(?)に対して真剣に食いついてきたときのことを印象深く語っている。
たぶん作者の小林信彦は当時びっくりしたと思う。はっきりとは書かれていないが、この大御所は自分みたいな評論家なんて真剣に相手になんてしないだろうと、あるいは余裕の態度でたしなめて語ってくるだろうと思っていたに違いない。
なんでも第一線に立つような人はこのくらいナイーブで神経質なんだということがよく分かる良い例だ。このぐらい神経質じゃないと不断の努力なんて出来ない。
でもってもう一つ思うのは、インターネットで自分の作品について検索する作家って結構いるはずだ。そして私たちが思う以上に気にしている人が多いんじゃないかなと思う。中には一部の悪評書き込みに本気で腹を立ててブログやホームページで不満を書き立てる人もいるが、そうじゃない人でも陰でヘコんでいたり気になったりしている人は多そうだ。
それはそうと、作者の小林信彦はラジオが好きで、特に伊集院光が日曜日にやってる四時間の番組が一番好きみたいだ。私は深夜番組とかで出てくる伊集院光はよく見てるけど、ラジオでどんなのをやっているのかとても興味を持ったのだが、今に至るまで聞いてない。新しいものに手を出す気力の減退を感じた。
私の世代からすれば森繁久弥の存在の大きさとやらはさっぱり分からないのだけど、あの西田敏行をいじったというこの大御所が、今から三十年前のまだ若かった作者の書いた「日本の喜劇人」という評論本(?)に対して真剣に食いついてきたときのことを印象深く語っている。
たぶん作者の小林信彦は当時びっくりしたと思う。はっきりとは書かれていないが、この大御所は自分みたいな評論家なんて真剣に相手になんてしないだろうと、あるいは余裕の態度でたしなめて語ってくるだろうと思っていたに違いない。
なんでも第一線に立つような人はこのくらいナイーブで神経質なんだということがよく分かる良い例だ。このぐらい神経質じゃないと不断の努力なんて出来ない。
でもってもう一つ思うのは、インターネットで自分の作品について検索する作家って結構いるはずだ。そして私たちが思う以上に気にしている人が多いんじゃないかなと思う。中には一部の悪評書き込みに本気で腹を立ててブログやホームページで不満を書き立てる人もいるが、そうじゃない人でも陰でヘコんでいたり気になったりしている人は多そうだ。
それはそうと、作者の小林信彦はラジオが好きで、特に伊集院光が日曜日にやってる四時間の番組が一番好きみたいだ。私は深夜番組とかで出てくる伊集院光はよく見てるけど、ラジオでどんなのをやっているのかとても興味を持ったのだが、今に至るまで聞いてない。新しいものに手を出す気力の減退を感じた。