音楽、音
Falling Into Infinity
DREAM THEATER
まあまあ(10点)
2002年6月8日
俗にプログレハードと呼ばれる音楽をやる DREAM THEATER の四枚目のフルアルバム。発売は 1997年だからもう古い。
まずプログレハードについて簡単に説明しよう。ゲーム音楽で言えば、ファイナルファンタジー6 の最後のボスとの戦闘の音楽がまさにプログレハードだろう。基本がメタルなのだが、交響曲やバロック音楽やフュージョンのような構成になっている。おおざっぱに言えば、クラシック音楽やジャズからプログレッシブロックが生まれ、それにメタル系を取り込んだのがプログレハードである。
DREAM THEATER は、プログレハードの旗手にして、Pink Floyd の正統な後継者だと私は思う。まあ正統な後継者かどうかはいいとして、Pink Floyd を強く意識したコンセプトアルバムを出している。
圧倒的な評価を得た 2nd アルバム Images And Words 以降、3rd の Awake はヘヴィさを重点に置いたのと、音楽性の相違からキーボードの Kevin Moore がこのアルバムまでで脱退し、新たなキーボードを迎えて作られたのがこの 4th アルバム Falling Into Infinity であった。
私は、Kevin Moore が脱退したあとの音、そしてそのあとの彼らの活動を見て、Kevin Moore こそが DREAM THEATER 最大のキーパーソンであったと確信した。だからこそ、彼があまり前面に出てこなくなった 3rd から、去ったあとの 4th を聞いて、DREAM THEATER がだんだんつまらなくなっていったように思う。
特に、この 4th は、ニューアルバムが発売されたと小躍りして手に入れてから、数回聞いただけでラックの奥に入ってしまった。音楽は確かに DREAM THEATER なのだが、なにか物足りなさを感じていた。結局いまにいたるまで、確かなことはよくわからない。
先日あらためて 4th を聞く気になり、じっくりと聞いてみた。すると、だんだん答えが見えてきたような気がした。構成がメジャーなロック音楽に近くなってきたのだ。エアロスミスやボンジョビを聞いて感じるものと似ている。曲調がどっしりしていて、じわじわとあおる。ミドルテンポのバラード調の曲が多いことからも言える。
視聴層の少ないハードロックの中で、Mr.BIG がメジャーヒットした。その流れに似たものを DREAM THEATER も狙っていたのではないか。プログレハードいやプログレの中で確固たる位置を築いていた彼らが、メジャーを狙うというのは自然な考え方である。
以下は先の仮説を前提に話すが、DREAM THEATER のすごいところは、メジャーを狙いつつ、妥協があまり見られない点である。この 4th には、確かに彼らの突出した演奏と作編曲がある。しかし、なんだろう、こういう言葉はどうかと思うが、スリル、を感じないのだ。
メンバーのうち、ギターとベースとドラムの三人組が、ほかのメンバーとインストバンドを組んだ。それが Liquid Tension Experiment である。この三人がやりたいことをやるために作ったグループなのだろう。これを聞いて私は、Kevin Moore が脱退した理由、そして DREAM THEATER が私にとってつまらなくなった理由が分かった気がした。
あげく、Liquid Tension Experiment のキーボードを DREAM THEATER に入れて、現在にいたる。まあキーボードはいろいろ変わったので私はよく覚えていないが、壮大な曲想を思い浮かべるタイプのキーボードは皆無だった。いかにもハードロックの小手先屋だとか、ジャズ系の気まぐれ屋たちだった。
ところが不思議なことに、5th や 6th になると、これはこれでいいかなと思えてくる。2nd や 3rd とは違い、つぎはぎのパッチワークのような曲にはいまでも愛着が持てないのだが、聞いていて面白いなと思えるようにはなった。
だから、この 4th だけが、いまだに私にとっては不思議な一枚なのである。
まずプログレハードについて簡単に説明しよう。ゲーム音楽で言えば、ファイナルファンタジー6 の最後のボスとの戦闘の音楽がまさにプログレハードだろう。基本がメタルなのだが、交響曲やバロック音楽やフュージョンのような構成になっている。おおざっぱに言えば、クラシック音楽やジャズからプログレッシブロックが生まれ、それにメタル系を取り込んだのがプログレハードである。
DREAM THEATER は、プログレハードの旗手にして、Pink Floyd の正統な後継者だと私は思う。まあ正統な後継者かどうかはいいとして、Pink Floyd を強く意識したコンセプトアルバムを出している。
圧倒的な評価を得た 2nd アルバム Images And Words 以降、3rd の Awake はヘヴィさを重点に置いたのと、音楽性の相違からキーボードの Kevin Moore がこのアルバムまでで脱退し、新たなキーボードを迎えて作られたのがこの 4th アルバム Falling Into Infinity であった。
私は、Kevin Moore が脱退したあとの音、そしてそのあとの彼らの活動を見て、Kevin Moore こそが DREAM THEATER 最大のキーパーソンであったと確信した。だからこそ、彼があまり前面に出てこなくなった 3rd から、去ったあとの 4th を聞いて、DREAM THEATER がだんだんつまらなくなっていったように思う。
特に、この 4th は、ニューアルバムが発売されたと小躍りして手に入れてから、数回聞いただけでラックの奥に入ってしまった。音楽は確かに DREAM THEATER なのだが、なにか物足りなさを感じていた。結局いまにいたるまで、確かなことはよくわからない。
先日あらためて 4th を聞く気になり、じっくりと聞いてみた。すると、だんだん答えが見えてきたような気がした。構成がメジャーなロック音楽に近くなってきたのだ。エアロスミスやボンジョビを聞いて感じるものと似ている。曲調がどっしりしていて、じわじわとあおる。ミドルテンポのバラード調の曲が多いことからも言える。
視聴層の少ないハードロックの中で、Mr.BIG がメジャーヒットした。その流れに似たものを DREAM THEATER も狙っていたのではないか。プログレハードいやプログレの中で確固たる位置を築いていた彼らが、メジャーを狙うというのは自然な考え方である。
以下は先の仮説を前提に話すが、DREAM THEATER のすごいところは、メジャーを狙いつつ、妥協があまり見られない点である。この 4th には、確かに彼らの突出した演奏と作編曲がある。しかし、なんだろう、こういう言葉はどうかと思うが、スリル、を感じないのだ。
メンバーのうち、ギターとベースとドラムの三人組が、ほかのメンバーとインストバンドを組んだ。それが Liquid Tension Experiment である。この三人がやりたいことをやるために作ったグループなのだろう。これを聞いて私は、Kevin Moore が脱退した理由、そして DREAM THEATER が私にとってつまらなくなった理由が分かった気がした。
あげく、Liquid Tension Experiment のキーボードを DREAM THEATER に入れて、現在にいたる。まあキーボードはいろいろ変わったので私はよく覚えていないが、壮大な曲想を思い浮かべるタイプのキーボードは皆無だった。いかにもハードロックの小手先屋だとか、ジャズ系の気まぐれ屋たちだった。
ところが不思議なことに、5th や 6th になると、これはこれでいいかなと思えてくる。2nd や 3rd とは違い、つぎはぎのパッチワークのような曲にはいまでも愛着が持てないのだが、聞いていて面白いなと思えるようにはなった。
だから、この 4th だけが、いまだに私にとっては不思議な一枚なのである。
[参考]
http://www.dreamtheater.net/
(最終更新日: 2010年11月10日 by ひっちぃ)