もしも首輪がはずせたならば 1巻のみ |
両親が離婚して家にたった一人で置いてけぼりにされた少女タニアは、やむにやまれずワンコインで投げ売りされていたおっさん獣人奴隷ウィリアムを買い、保護者のフリをさせて一緒に暮らすのだった。少年マンガ。
題からちょっとハートウォーミングなファンタジー作品だと思ったので読んでみた。いまいちだった。
突然少女タニアに買われた売れ残りおっさん獣人奴隷ウィリアムは、戸惑いながら彼女の家に行くと、家が荒れに荒れており、両親の姿はなく彼女が一人であることに気づく。小さい頃から奴隷として生きてきたウィリアムは、そこでも奴隷として彼女に尽くそうとするが、彼女は奴隷ではなく家族になってほしいと言う。
ひとりぼっちだった少女が家族を求めておっさん奴隷と交流していくという筋書自体はなんだかおもしろそうだし心温まる話になりそうだったんだけど、ウィリアムの性格がただただ卑屈すぎるので見ていてイヤになった。ウィリアムは歳をくって捨てられた奴隷なんだから、なにか思いを抱えていないんだろうか。この作品はいろいろと強引で不自然な設定が多いんだけど、この点だけでもなんとかしてもらえていたら自分は読み続けられたと思う。
両親が自分の娘を家において出ていくなんてことありえるんだろうか。どっちも別々の浮気相手を見つけて出ていったそうなので娘がいらなくなったんだろうけど、まだ小さい女の子を放置するものだろうか。資産価値のある家もそのままにしてるし。まあ考えられる筋書きとしては、お互いに向こうが家と娘を確保するだろうと思って双方とも衝動的に家を出ていったのかもしれない。
たとえ家族が欲しいからといって、見知らぬ小汚いおっさんを家に迎え入れるだろうか。もしこれがイケオジだとしても、奴隷の時点で魅力がないので論外だし、かわいい男の子だったら作品がまったく別方向に行ってしまう。家に一人でいるのがよっぽど寂しかったんだろうか。まずは両親の行方を探させるとかしているうちに仲良くなるんだったらまだわかるんだけど。
少女がやけに元気なのも不自然に感じた。ちょっと病んでたら怖くて心温まらないんだけどw
ウィリアムは別に父親の代わりというわけでもないようだった。漠然とただ「家族」らしい。よっぽど父親のことが嫌いなのか、このぐらいの年の子供には、まだ親が嫌いという発想そのものがないと思う。父親とはあまり交流がなかったんだろうけど、せめて父親みたいなものを求める少女という要素があれば共感できる人も増えたろうにと思う。
絵は最初ちょっとごちゃついているようにも感じたけれどうまいと思う。背景はよく描きこまれており、少女は表情豊かでかわいく、おっさんもちゃんとおっさんっぽい。獣耳がついたちょっと等身低めのおっさんはちょっと気持ち悪いところもあるけど、かっこいい表情も見せるし照れるところも伝わってきた。
少女とおっさんというカップリングはおっさん読者層を狙ってるはずなので、おっさんをもっと読者の感情移入しやすいようにしたほうがよかったと思う。ここまで卑屈にするんだったら少女の方を圧倒的に魅力的にしてひざまずきたくなるようなキャラにするか、そうでないならおっさんを腹に一物ある感じにするべきだったと思う。逆に女性読者を狙うならやっぱりかわいい男の子の奴隷がよかっただろうし。ひょっとして、へたれおじ専の女性読者狙い?
というわけでどういう読者を狙ったのかよくわからない作品なので広くは勧められないけれど、こういう設定の作品を読んでみたいという人になら需要を満たせそうなので読んでみるといいと思う。
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