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ダンジョンの中のひと 6巻まで
冒険者の女の子クレイはもともと孤児で、自分を拾って育ててくれた養父が一人でダンジョンに潜って行方不明になったことから、せめてその痕跡ぐらいは残っているだろうと同じダンジョンに挑み続けて3年たったが、あるときそのダンジョンの裏側に気づき、スタッフとして働くことになる。ファンタジーマンガ。

2024年にアニメ化されてとてもおもしろかったので、アニメが終わってしばらくしたらぜひ原作マンガを読んでみようと思っていたもののすっかり忘れ、鬼影スパナ「絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで」のレビューを書いていたら急に思い出したので読んでみた。とてもおもしろかった。

ヒロインの女の子クレイがかわいい。シーフ(盗賊)なので(?)全身黒ずくめのぴっちりした服に質素な皮の鎧を着ており、髪は若干伸ばしているけれど髪留めでシンプルにまとめていて、女の子らしいしぐさはなく愛用の短剣とともにストイックに探索を続けている。全然萌えキャラらしくないんだけどすごくいい。

あるときダンジョン内の中ボスと戦っていたときに、ダンジョンの壁にそいつの大きな斧が当たって壊れ、その奥にバックヤードめいた部屋が現れる。中ボスは急に慌て出し、まさかの人語をしゃべって一時休戦となる。奥から謎の少女が現れ、ここで働いてくれないかと言われる。

一言でいえばこの作品はダンジョンを運営する側から描いたパロディものだと思う。運営側はダンジョンを徘徊しているモンスターたちに裏で指示を送ったり、配置転換やシフトを組んでいたり、冒険者が漁ったあとの宝箱に中身を定期的に補充したり、新しいモンスターを雇用するための面接をしたりしている。

この作品の一番おもしろいところは、そんな割と誰でも考えそうな平凡なネタを丁寧に織り上げていることだと思う。主人公の女の子クレイはありえない事態に遭遇しても真剣に探索者としてダンジョンと向き合い、こんなことがあるのか?と警戒しながら徐々に現実を受け入れていく。やっぱりこういういい加減なものと向き合う作品ってのは視点がしっかりしてこそ落差で笑いが取れるのだと思う。

ダンジョンマスターの謎の少女ベルもかわいい。おかっぱロングヘアー(?)の真面目な天然ボケ少女で、先代のやりかたを踏襲しつつ多少のアレンジを加えてダンジョンを運営していっている。めっちゃ強い。でもわりとズボラで部屋が汚い。クレイを雇おうと思ったのは同年代の友達が欲しかったかららしい。

クレイはシーフといっても割と戦闘狂で(!)、短剣を片手あるいは両手で持って戦う。短剣を手の延長線上の武器として扱っているのか格闘も少したしなむ。父親の影響が強いみたいだった。また、魔力もあるらしく、ベルの手ほどきで魔力を使った戦い方も身に着けていく。そしてなにやら出生の秘密もあるらしかった。

ダンジョンにはベルとクレイのほかにドワーフのランガドさんという先代のころからいる凄腕の鍛冶師のおっさんがいる。武器や防具を作るだけでなく、ゴーレムたちに指示して鉱物を採掘させたり土木工事させたりしている。ゴーレムが小さくてかわいい。いっぱいいて少し知能があって個性まであるという。クレイのマネをして剣の鍛錬をしているやつもいてウケた。

クレイがダンジョンのモンスターたちと仲良くなっていくのがおもしろかった。彼女は父親の足跡を追っているので、モンスターたちの中に知っているやつがいないか待機所で聞き込みをしているうちに親しくなっていく。モンスターたちにも知能があってそれぞれの生活をしている。彼らと模擬戦をしたり扱う武器のアドバイスをしてみたり狩りに付き添ったりする。

このダンジョンは国からは特殊な扱いを受けているというか強力な力で独立していて、近くの町アントムルグで独自のシーフギルドを運営しているほか、数年に一度だけ国の代表と戦って自治を守っている。シーフギルドの長がすだれハゲの実力者でかっこいい。勢力的には小さくとも規格外の力を持っている。

アニメの出来もよくて、この原作マンガを読んだあとでまたアニメを見たくなった。まあもうちょっと時間を空けるけど。

絵のタッチがシンプルな4コママンガっぽくていいんだよなあ。なにげに画力高いと思う。

そういえば昔、深沢美潮「フォーチュン・クエスト」シリーズの中で、冒険者が探索し終わったダンジョンをまた別の冒険者の手で未探索の状態に戻させる趣向のダンジョンがあってちょっとおもしろかったのを思い出した。

シーフが戦闘で活躍する作品として十文字青「灰と幻想のグリムガル」を思い出した。相手の急所を潰そうとするえげつない戦い方をする点はどっちにもあると思う。

かわいい女の子たちがかわいいことをする作品が好きな人とか、リアルなファンタジーが好きな人には大して刺さらないかもしれないけど、ファンタジー世界全般が大好きな人や、かわいい女の子が一生懸命になっている作品が好きな人ならすごく楽しめると思うのでぜひ勧める。
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