| 花より男子 32〜36巻 |  
    数々のドラマ化やアニメ化などの展開を見せたマーガレット系少女漫画の大作が完結するまでの五冊。道明寺が財閥に恨みを持った男に刺されて重体、意識不明になり、目を覚ますと主人公つくしのことだけをきれいさっぱり忘れていた。 
 
この作品の真骨頂は、前にも書いたように3巻ぐらいまでの怒涛の展開なのだろうけど、その後も新たな展開をどんどん続け、ついに連載は単行本にして36巻までいってしまった。間延びした展開はなく、高いクオリティをたもったまま話をここまで続けていった作者に、プロの作家の凄さを感じた。 
 
この作品は、毎回毎回魅力的なライバルを配して主人公つくしと戦わせてくれる。最後の最後でもそれは変わらず、作品中最悪最強のキャラを出してくる。素晴らしい。 
 
この作品がこれから名作として語り継がれるかどうかというのは、私たちの世代の読者がこの作品にどのような評価を与えるかで決まるのだなと思う。ガラスの仮面だとか王家の紋章なんかと比較しなければならなくなる。そう考えると、ちょっとこの作品は優等生すぎるんじゃないかと思う。最初の三巻までなら間違いなく肩を並べると思うが、そこから先は無難な感じがする。 
 
道明寺と花沢類との間で揺れるつくし、という構図が読者にとっても作者にとっても飽きてきた。よく考えると、全36巻ものあいだ一つ二つの恋愛を引っ張るのにはさすがに無理があったというか、今まで誰もたどり着かなかった場所なのだ。先に挙げた二つの作品は恋愛以外のテーマがあるからこそ続いた。 
 
この作品の最大の欠点は、ニューヨークとかLAなどの海外に価値を置きすぎる気恥ずかしさだと私は思う。いまどきニューヨークはないっしょ。作者の世界観の限界か、果てまた読者の持っているであろうイメージに合わせた結果か。この恥ずかしさと比較すると、主要登場人物が大財閥の子息という設定はまだかわいい。 
 
主人公つくしの親友優紀と西門のエピソードはどうも好きになれなかった。とても感傷的ながらうまいことそれらしく話を語るところはとてもいいのだが、話を要約してみると訳分からなくなりバカらしくなる。 
 
というわけで、恋愛マンガのドラゴンボールがここに完結したわけで、私はこの作品に大きな拍手を送りたい。 
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