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ボクのセカイをまもるヒト
平凡な高校一年生の少年・朝凪巽が、突然やってきた異界の美少女や幼女に守られ、八つの世界の勢力がせめぎ合うようになり、戦いが繰り広げられる話。

「涼宮ハルヒの憂鬱」「学校を出よう!」シリーズと谷川流の作品を熱心に読んできたが、本作は落差が大きすぎてほとんど楽しめなかった。担当編集がなんでもやらせてくれる人に変わったというから、作者が本当に書きたかったのはこういう話なのだろうか。

いきなり出てくる幼女ロボットはまあ一種の添え物と考えればいいだろう。ベッタベタのひらがなで甘ったるく書かれる台詞を読んでいると頭が痛くなってきそうになるが、これはこれでそれなりに魅力的かもしれない。

ヒロイン格の綾羽という美少女は、この世界に来る前に受けた言語学習のせいで古風で堅苦しい言葉遣いをし、やたらと自分の使命を重んじるまるで武士のようなキャラ設定になっている。ツンツンキャラ。ごくたまに相好を崩す。少なくとも一巻では主人公の少年との心のやりとりはほとんどない。唯一ウケたのは、寝てたのに寝てないと言い張るところだろうか。

ほかにいくつかの勢力からやれ美少女だの陰のある青年だの出てきて戦いが繰り広げられるのだが、どれも露骨に狙ったキャラばかりなのにそんなに狙いが成功しているとは思えないし、一巻では世界設定や筋書きがほとんど見えてこないので話も全然面白くない。状況に押し流される主人公たちの様子が描かれるだけ。主人公の男の友達は綾羽に吹っ飛ばされるだけだし、姉やクラスの女友達は訳知り顔や達観で受け流すだけ。今後学校の描写はどうするつもりだろうか。

好意的に解釈すると、作者は綾羽というキャラを大事にしすぎて、安易にデレや弱みを見せないよう気を使いすぎているんじゃなかろうか。なぜ彼女が頑ななのかが設定上の理由から語られているが、その設定がまだピンとこないので彼女のキャラ自体が地に足ついていないように思う。それに多分彼女がツンなのは他に理由があるからなのだろうが、それがまだ語られていないのでただただ硬いキャラにしか見えない。

主人公のいい加減な姉が世界史の教師をやっているのだが、教科書そっちのけでポエニ戦争の戦史の話ばかりしていて、しかも具体的な参考書として松村劭「戦争学」(文春新書)と具体的な書名と出版社名まで挙げて紹介しているのには笑った。「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズでは作品に登場する本の書名がほのめかされるだけで、一部の読者のあいだで書名当てが流行ったのと落差が大きい。ついでに言うと同書では世界戦史上最高の将軍として東ローマ帝国のベリサリウスを挙げており、「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズの「射手座の日」で長門有希のことをベリサリウスに喩えていたのは同書の影響があったものと思われる。

で結論は、本シリーズの続刊を買おうとは思わない。
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