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iPhone 5 (au)
アメリカのコンピュータ会社アップルを時価総額世界一に押し上げたと言える携帯電話iPhoneの2012年秋モデル。第4世代高速通信LTEに対応し、前のモデルよりも主にCPUが圧倒的に早くなったほか、画面も若干縦に長くなった。

2013年4月が私のこれまで使っていた携帯電話の二年縛りの更新月だったため、年度末商戦を過ぎて安くなっていたのと、前年にiPod touchを買って軽く感動していたこともあり、MNP一括9,800円でauと契約した。

このモデルについては、創業者の一人にして同社のカリスマデザイナーであるスティーブ・ジョブズが現場を離れて残された人々の手によって作られたせいか、賛否両論巻き起こった。目新しさがなかったこと、新しいデータ通信方式LTEに通信費やバッテリー消費の問題があったこともあるが、画面の大きさが少し縦長になったことにより、片手で操作するのに多少不便になったのがこの世代のiPhoneの最大の問題だとマニアの間では言われている。ジョブズが健在であればこのサイズはありえなかったのではないかということだった。

一方で全体に目を向けてみると、韓国SamsungがAndroid携帯でかなりのシェアを獲得し、AppleのiPhoneは徐々にシェアを減らしている。その一番の理由は価格にあると言われているが、Samsungのモデルの画面の大きさが需要にマッチしたことも大きい。ジョブズは3.5インチの画面にこだわっていたらしいが、一部の先進国を除いた一般庶民は安くて大きい画面の携帯を選んだ。

このiPhone 5は1136×640という奇妙な画面解像度になっている。縦横の比率が16:9らしいのでハイビジョンには適合しているが、なぜ1280x720という標準的な大きさにしなかったのだろうか。たぶん横640のままにすることで下位互換性を持たせることを優先したのだろうが、その判断は正しかったのだろうか。また、ジョブズは3:2の比率にこだわっていて、iPhoneは960x640とか640x480に、iPadは1024x768や2048x1536にしていた。

とまあいろいろケチがついたけれど、よく売れた。

実際に使ってみると、自分にとっては初めてのiPhoneということもあり、この小さいボディに機能や性能が詰め込まれていて感動しきりだった。これまで使っていたAndroid携帯のHTC Ariaと比べて圧倒的に速くてアプリケーションがキビキビと動いた。さすがに二年前の機種と比べると当然なのだけど、どこを切り取っても素晴らしかった。

iPhoneがiPodから進化したこともあり、携帯音楽プレイヤーとしても申し分なかった。iPod touchよりも明らかに音がよくなっており、このiPhone 5を持ち歩くようになったことでソニーのWALKMANは使わなくなってしまった。といっても音楽管理ソフトはまだiTunesに完全に乗り換えておらず、ソニーのxアプリにいったん入れてからiTunesに入れるようにしている。iTunesは評判どおり柔軟に曲を管理してくれるけれど、細かい挙動はxアプリのほうが分かりやすい。

と申し分のないデバイスだったのだけど、結局自分はたった三か月で解約した。理由は大きく二つあって、携帯電話会社auの電波が悪かったのと、画面が小さくて操作しづらかったから。

au(KDDI)は首都圏の高速通信網をかなり整備していて、LTEではdocomoやsoftbankよりもリードしていたのだけど、なんとiPhone 5はその中の一部の電波しか掴むことができなかった。そのせいかどうなのか知らないけれど、新宿や渋谷などで使うと、よく言われる「パケ詰まり」状態になり、ネットがろくに使えなかった。特に決定的だったのは、渋谷のApple Storeがどこにあるのかネットで地図を見ながら探していたときに、地図が表示しきらず途中で止まったことがあった。auはLTE用にいくつか電波帯を持っていて基地局を整備しているのだけど、iPhone 5はそのうちのごく狭い一部の基地局にしかつなげないのだった。しかもそれを誇大広告でごまかし、のちに総務省から指導を食らった。そして2013年7月、auは連続で大規模障害を起こし、日中LTEにまったくつながらない日が続いたことで、ついに客に一部返金することとなった。返金の案内を7月下旬までに送ると言っていたのになかなかメールが来なかったので、しびれをきらした自分はdocomoに乗り換えたのだった。

画面の大きさについては、iPhone 5を買った同じ月にSamsungがdocomoから出しているGalaxy S3αを一括0円で契約してデータ通信契約は結ばずにWi-fi運用していたのだけど、この機種の画面の大きさと鮮やかさに感動し、このくらい画面が大きいとなにをするにも便利だということに気付いたからだった。でも逆にiPhone 5のあの小ささで高性能だという点は改めて素晴らしいと感じた。

iPhone 5は途中で予想より売れなくなったのか、それともAppleが携帯電話会社に契約上課していると言われている販売ノルマが厳しいのか、私が契約したときは容量16GBのモデルが9,800円だったがその後まもなく0円になり、それからも値下がりを続けて、2013年9月頃にはなんと一部の携帯ショップでキャッシュバック五万円をつけるようにもなった。五万円あげるからどうか契約してくださいという状態だ。二年間契約するとなんだかんだで十万以上掛かるので元は取れるのだろうけれど、途中で解約して端末だけゲットして転売して儲けるいわゆる「(携帯)古事記(乞食)」と呼ばれる人々が群がり、週刊誌に記事が載るまでになった。まあこれまでにガラケーで同様の現象はあったのだけど。

携帯情報機器としての完成度は申し分なかったのだけど、製品のコンセプトと通信インフラの問題があり、使い続けることができなかった。なんだかiPad第三世代と同じような評価になってしまうけれど、この機器を操作すること自体には喜びを感じるのだけど、実際に使って何かをすることに支障を感じるようになっていった。

そして今年2013年9月に新しいiPhone 5s/5cが発売された。大きく言うと、au(KDDI)についてはLTEの問題はクリアされてすべてのバンドで接続できるようになりパケ詰まりはほぼ解決したが、機能的に5cは5とほとんど変わらず、5sはCPUパワーが飛躍的に向上したほかは指紋認証できるようになったぐらいの地味な進化に留まった。5cは5とほとんど変わらない廉価版なのにあまり安くなく、そのうえ中国では発売されなかったせいであまり売れず生産が止まっているらしいのだけど、5sは順調に売れているらしい。

iPhone 5はまだ在庫が残っている。それ自体は例年どおりなので何の不思議もない。安いけれど、au(KDDI)のはやめておいたほうがいい。Softbankのほうならアリだろうけれど、Softbankは動画を見続けると通信速度がだんだん落ちていくらしいし、つながりやすさNo.1へ(断定じゃないところが卑怯)とか言っておきながら首都圏の一部の場所だけだし全国的な電波のカバー率も他社に劣っているので、そこを割り切れるかどうか考えたほうがよい。
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