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ロックは淑女の嗜みでして 5巻まで
母親の再婚により即席のお嬢様となった鈴ノ宮りりさは、名門女子高の中で場違いにすごいドラムを叩く黒鉄音羽と出会う。麗しい見た目とは裏腹に明らかな挑発を受けたりりさは、エレキギターをかき鳴らして音羽とセッションをする。普段は上品にふるまうお嬢様たちがインストバンドを組んでロック音楽に全力を掛ける。少年マンガ。

なにかのニュースフィードでバンドもののマンガがいくつか紹介されていた中にこの作品があって、バンドものだということに加えてなにやら百合っぽいので気になって読んでみた。正直いろんな意味で読みにくかったけど、それなりにおもしろかった。アニメ化されるらしい。なお、同性愛の描写はなく、百合ものではなかったw

ドラムとギターでセッションつまり即興演奏をして、ビートに乗って興奮したあとで互いに口ぎたなくののしり合うというシーンにびっくりした。え?ロックってこういうものなの?ここまでののしり合うほどのこと?と思った。中指をおったてて卑猥な言葉を口にするシーンまである。

絵はとてもエネルギッシュなんだけど、彼女たちの情熱がすごすぎてついていけなかった。ただただ圧倒されるというか、勢いとか表情とかがほとばしりすぎていてそんなに魅力を感じなかった。唐突に現れるSM描写も冷めた目で見てしまった。

それでも既刊全部読んでしまったのは、独特の世界観に飲まれてこれはこれでいいんじゃないかと思うほどの説得力と熱量に押し切られたからだと思う。画力がすごい。ちょっとごちゃついていて見てて疲れるんだけど。

ロックなのにボーカルがいないってことにもびっくりする。なのでインストバンドつまり歌がないインストゥルメンタルな曲ばかり演奏する。自分はプログレッシブロックが好きなのでまだわかる方だと思うんだけど、ついてこれない人の方が圧倒的に多いんじゃないだろうか。いったい作者はどういう思いでこの選択をしたんだろうか。ボーカルがいると全部そっちにもっていかれるからだろうか。

かきふらい「けいおん!」も、はまじあき「ぼっち・ざ・ろっく!」も、どちらもギタリストがヒロインだけど、交代でボーカルをやったりギターボーカルがいたりして普通の曲をやっている。ひょっとしたら作者がインストバンド大好きで、そこスタートでストーリーを考えていったのだろうか。

キーボードの女の子がロックを勉強したいとか言って貸し切り(!)のレコード屋に行く場面があるんだけど、そのときは二人からニルヴァーナを勧められている。え?ニルヴァーナって技巧に走りすぎたロックをパンク寄りに引き戻したバンドだよね?インストバンドとは真逆すぎる…。

主人公の鈴ノ宮りりさは名家の中にあって完璧なお嬢様となるべく庶民の一面を隠して上品に振舞っている。そんな彼女のことを家に突然やってきた異物として排除したい義妹の鈴ノ宮愛莉珠は、義姉の秘密を探ろうとする。といった人間模様の描写もあるのだけど、音楽の描写に熱が入りすぎていて、いまいちこっちが気持ちよくなれる展開になってくれなかった。

たまにギャグがおもしろくて何回か声に出して笑ってしまった。

ネットで調べてみたら作者の福田宏という人は以前アニメ化された「ムシブギョー」という作品の作者でもあることにびっくりした。自分はタイトルしか覚えていないので途中で見るのをやめたんだと思うけど、ここまでタイプの異なる二つの作品をヒットさせたのはすごい。

アニメ化されたら音楽がどうなるのかとても楽しみ。一方で、演奏のシーンは描けるんだろうか。最近は3DCGで結構それっぽくできるみたいなんだけど、紙芝居でそれっぽく見せる可能性も考えられるので、こっちのほうもどうなるか気になる。

繰り返すけれど、正直あまりおもしろい作品ではなかった。話の筋はそこまで突き詰められておらず中途半端だし、キャラもやたら情熱的なだけでそんなに魅力的でもなく、音楽もなにが描きたかったのか方向性が理解不能だった。よくわからない勢いのせいでここまで読んでしまったけれど、本来ならばすぐに読むのをやめてしまうような作品だった思う。マンガにおける音楽表現ぐらいだろうか。どういう人がどういう点でこの作品を楽しんでいるのか知りたい。
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