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チェンソーマン 第1部 公安編
多額の借金を残して死んだ親の代わりにやくざの言いなりになって相棒の悪魔ポチタとともに悪魔退治の仕事をしていたデンジだったが、使い捨てにされたところを公安の女性マキマに拾われ、自分の幸せのために戦う。人気少年マンガ。

アニメを読んで途中で飽き、そのあと人気作だからと単行本を3巻ぐらいまで読んでから放り出したんだけど、最近になって「自認リゼ」なるネットミームが流行ったことや、その元になったリゼという女性キャラが変態的な海外の動画に出てくる女性をモデルにしているんじゃないかと言われていることを知り、とりあえずそのリゼが出てくる話までは読んでみることにした。まあまあおもしろかった。

主人公の少年デンジは廃屋に住みパンにジャムも塗れないほどの極貧生活を送っていた。そもそも幸せというものを知らなかった彼からしたら、やくざにいいように使われているのが当たり前の日常であり、人並みの幸せを想像することすら難しかった。

そこへ現れたのが公安所属の女性デビルハンターのマキマだった。彼女はボロ雑巾のようになっていたデンジに人並みの生活を送れることを約束し、ついてくるよう言うのだった。

まずデンジは女性の胸をもんでみたい(!)と願う。

だからこの作品はデンジという乾いた青年が自らの欲望の芽を育てることで生き方を探していく物語なんだと思う。

ただそのためにはマキマさんに従ってデビルハンターとしての仕事を全うするしかなかった。この世界では悪魔という存在が絶えず人間社会を脅かしており、そのためには悪魔の力を借りて悪魔に対抗するしかなかった。なんか石田スイ「東京喰種トーキョーグール」に似てると思った。

いままで人と協力したりしたことがなかったデンジは、公安という組織の中で秩序に従わず好き勝手しようとする。彼が従うのは基本的にマキマだけだった。じゃあなんでやくざの言うことには従ってたんだと思わなくもないけど。

ちなみに日本で「公安」というと公安調査庁やら国家公安委員会やらあるけれど、おそらく公安警察の方がモデルなんだと思う。

悪魔の力を借りるには、悪魔というだけあって契約により対価を求めてくる。強い悪魔ほど多くの対価を要求してくる。なのでデビルハンターは片目がなくて眼帯をしていたり体に傷が刻まれていたりする。悪魔は狡猾だけど約束は守るなど、こういった世界設定が地味によかった。まあ騙しにくるんだけど。

自分がこの作品を読む目的だったリゼは、デンジを誘惑してくるキャラだった。デンジは女をどうこうしようと思うのではなく、純粋に(?)憧れをもって接しようとするのに、その感情をもてあそぼうとするようなキャラが好きで自認しようとする女って…。いまの週刊少年ジャンプは女性読者が結構多いみたいなのでこうなるんだろうなあ。

王道バトルもの作品として悪魔との戦いを描きつつ、デンジが生きる道を見つけていく話なのかと思ったら、終盤になって怒涛の展開で全部うっちゃって終わってしまった。特に、チェンソーマンが得体の知れないヒーローみたいに描かれだすところはひどかった。

なぜチェーンソーなのか。たぶんホラー映画なんかでのイメージが元になっているんだと思う。本来木を切る電動工具に過ぎないんだけど、人間の体を解体してしまうイメージが凶悪だからだろう。その名のとおりチェーンで刃が動くので、チェーンを飛ばしたりもできるみたいだった。

悪魔は恐れられるものほど強い設定になっている。だから銃の悪魔が最強最悪で世界中に災厄をもたらしており、公安もそいつを倒すのが大きな目標になっている。銃の悪魔は神出鬼没なのでそのゆくえをたどるためにそいつの破片を集めていて、その破片もまた他の悪魔を強くしてしまうらしい。

直接的なモノではなく特定の概念の悪魔もいてそっちもかなり強力でその概念にもとづいた特別な能力を持っている。

デンジの相方としてパワーという「魔人」の女が出てくる。人間のまま悪魔の力を使えるデンジと違い、魔人は半分悪魔みたいな人間で、悪魔に殺された人間の一部が生まれ変わったものだった。大抵の場合知能も低くて言葉も怪しいんだけど、パワーの場合はまだ理性がそこそこあるほうらしい。といいつつ結構バカでいつも無茶苦茶なことを言う。自分は結構こいつが好きで、デンジと仲良くなっていくのが楽しかったんだけどなあ。

デンジとアキを束ねるリーダーのような役割を担うアキ先輩という男も、デンジと最初モメながら徐々に絆が深まっていく(?)のがよかったんだけど、うーんって感じ。

そしてデンジが最後まで求め続けたマキマという女性の正体が明かされるんだけど、そうくるかあって感じ。ネタバレを避けるとこういうバカっぽい感想しか書けないw

デンジの存在が特別な理由がよくわからなかった。まあ多分物語の序盤で語られるように悪魔とはなにやら特別な契約を結んでいるみたいなんだけど、その意味が語られることもなかった。

そして物語は単行本12巻から突然第2部へと移り、陰キャ女性二人が登場する学園ものになるのだった。

若い頃の自分だったらふざけんなって思って本を処分(!)したかもしれないけど、途中まではいい感じだったので割と楽しめたかなあと思う。

というわけで、話題作を楽しむという意味でもいい作品だと思うので、気になったら読んでみるといいと思う。
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