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苺ましまろ 5巻まで
小学生四人組と高校生の姉一人のなにげない日常生活を描いたマンガ。舞台のほとんどが家で、子供同士の馬鹿らしくもおかしいやりとりが延々続く。キャラクタもの。

作者は元々イラストレーターで、ちょっとしたきっかけからマンガを描くことになってこの作品が初めてらしい。

この作品の系譜を考えるとどうしてもあずまきよひこの「あずまんが大王」に行き着く。

小学生の女の子四人組と女子高生と聞くとオタク臭さが漂うが、萌えとか狙った人工臭はあまりしない。

まず女子高生の姉・伊藤伸恵は未成年なのにタバコを吸っていて学校もしょっちゅうさぼる。男が気に入る記号は意図的に外されており、むしろ妹の友人のうちの年下の二人をかわいがっているので男役のようでもある。そして兄弟姉妹にありがちなように妹の存在をうざがってもいる。このへんがリアルでいい。

そしてその妹・伊藤千佳は、姉の奔放さが反面教師となったのかちょっと真面目なところがあり、窓の外からやってくる迷惑な友人・松岡美羽にいつも振り回されている。おかし作りが得意で、結構しっかりしている。

松岡美羽はひたすら暴れまわるキャラで、作品をグイグイ引っ張っていく役を持っている。みんなから嫌がられているが、寂しがりやでもあり、特に友人の姉の伊藤伸恵が実は大好き。

松岡美羽にいじられるのが一学年下の茉莉ちゃんで、とろくておとなしいメガネっ子。頼りない存在なのでみんなから心配されているが、学校では親友の支えとなっている。

その茉莉ちゃんに支えられているのが英国人の少女・アナで、英語が話せず日本語ペラペラなのにわざと学校では英語しかしゃべれないよう装っている。コッポラという変わった苗字にコンプレックスを持っている。

私はこういう魅力的なキャラクタがなにげない日常を過ごしているタイプの作品にとても弱く、この作品も読んですぐに大好きになった。森下裕美「少年アシベ」が私の中ではこの手の作品の最初だったかも。

イラストレータをルーツとしているせいか、マンガの文法はそれなりに使われているが、動きの少ない絵が多い。それを作風として演出しており、たとえば美羽がふざけすぎて突っ込まれるシーンなんかでは、突っ込み前と突っ込み後の絵だけで表現され、突っ込まれ中の様子をわざとカットしていたりする。コミカルさに若干のシュールさが感じられ、この作品に独特の空気を与えている。

この作品の宿命的な欠点として、ほとんど大したことが起きないので、何か面白い物語とか展開を期待している人からするとまったくもって退屈な作品だと思う。

私はこの作品をアニメから入った。アニメでは姉が短大生になっている。さすがにタバコと無免許運転はよくないということになったのだろう。アニメは長いこと見返していないのでもう忘れたけど、この原作マンガを読んだときになるほどアニメは原作の雰囲気をよく表現していたんだなと感心した。アニメは概してやたらテンションが高いものなので、このアニメ化はちゃんと原作のことが分かっている人がやってくれたんだなと思った。

にしても小学生四人組と一緒に遊ぶ姉というシチュエーションは妙に懐かしい。私も弟の友人たちと小中学生の頃よく遊んだ。泣かしたりもした。作者にもそういう体験があるのか、それとも少女大好きな作者が自然に感情移入するためにこういう姉キャラを用意したのか、どちらかだろう。
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