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靖国有事
靖国神社が A級戦犯を合祀していることが、のちにアメリカとの共同作戦で日本人の死者が出たときに、アメリカ大統領が参拝するかどうかという話が出てきて、日米同盟を危うくしかねないと主張している。

この視点には正直驚いた。こんな分析ができることに敬意を持った。日米同盟を強く支持する保守派への痛烈な批判となっている。

というのは、保守派の多くは第二次世界大戦後に日本の指導者たちを裁判の名のもとに裁いた東京裁判を認めていないからだ。認めていないのに、アメリカとの関係を清算せずに日米同盟をこのままの流れで強化しようとしている。

その虚構が暴かれるヒントが、アメリカのアーリントン墓地にある。あの田中真紀子も参拝したというアメリカの靖国神社だ。ベトナム戦争を含めて、創立以来百万人もの民間人を殺してきたアメリカ軍の幹部や兵士たちが眠っている墓地である。

日本とアメリカが共同作戦を取ったとき、アメリカ軍の後方支援をしていた日本の自衛隊の兵士が殉職したとしよう。するとその兵士は今のままだと靖国神社に埋葬されることになる。となると、アメリカ軍最高司令官でもあるアメリカ大統領は、アメリカ軍を助けて亡くなったその兵士のために、何かの区切りに靖国神社に参拝しなければならなくなる。

しかしそうなると、アメリカ(と日本)が虚構で塗り固めてきた戦後の秩序の中心となっている東京裁判、とその裁判で裁かれて靖国神社に合祀されている A級戦犯とされている人々、が障害になってくるのだという。なにしろ靖国に参拝するということは、A級戦犯とされている人々にも参拝することになるからだ。

アメリカは戦後自らが主導して開いた国際裁判を秩序としている。ところが、現在アメリカが進めていることは自分たちの歴史を否定しているのだ。アメリカは国際的な法廷にアメリカ人が引き出されるのを拒否しているし、アメリカ人を戦犯として引き渡さないよう二国間の条約を個々の国に対して結ぼうとしている(産経新聞 2002.8.22)。こんな欺瞞はあってよいのだろうか。

作者は、靖国神社関係者を責めている。いつ自衛官が殉職するか分からないから、さっさと A級戦犯を追放するなり分祀するなりしろと言っている。作者の本当の論点は、親米保守を強く批判するところにあるのだろうが、このあまりに情けない結論が出てしまうのは仕方がないのだろうか。米大統領が困る、だなんて冗談にしか聞こえない。

作者のこの視点はとても新鮮なのだが、実際にそのときが来てみると何の問題もなく大統領がそのままの靖国に参拝してしまうかもしれない。中国や韓国が騒いだところで、マスコミが取り上げなければニュースにならないし、田中真紀子などの有力な国内反米政治家が失脚していったので、何事もなく終わってしまうかもしれない。作者の「予言」が当たるかどうかも注視していこう。
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