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DEATH NOTE 1〜7巻

原作:大場 つぐみ 作画:小畑 健

傑作(30点)
2005年7月16日
ひっちぃ

気まぐれな死神リュークの手により、余興として人間界に落とされたデスノートは、名前を書いた人間を殺すことが出来る力を持っている。デスノートを偶然手にした高校生・夜神明(ライト)は、重犯罪者を殺して世の中を良くしようとする。重犯罪者たちの謎の大量死に気づいた国際警察機構ICPOは、世界最高の探偵Lに犯人探しを託す。かくしてライトとLの対決が始まった。

読んでいて息が詰まるほどの頭脳戦が描かれる。週刊少年ジャンプに連載されているらしいが、この少年誌のレベルを超えている。ストーリーをもっと紹介したいが、まだ読んだことのない人の興をそいでしまうので難しい。

原作付きだけあって内容がしっかりしている。逃げるライトと追うLの両方が描かれるので、ミステリーの要素は少ない。これはサスペンスなのだろう。

現在単行本が7巻まで出ている。3巻までがサシの対決編、4巻までが第二のキラ編、6巻の途中までが雌伏編、現在は第二部に入っている。

この作品はとても素晴らしいので、何か言うとしたら小言でしかないのかもしれない。それでも言わせてもらうと、まずライトとLとが接近しすぎていて、ネチネチした印象がある。とは言っても、それが雌伏編へと見事に活かされているので、作者の狙いどおりなのかもしれない。にしても、二人の天才同士の会話には、少々イラつかされることが多かった。一流の学者同士の対談で互いに誉めあっているのを見るような感じ。

原作者はよくストーリーを組み立てていると思うが、マニアックな読者たちが綿密に考証しだすとアラが沢山出てくる可能性がある。これはもうしょうがないと思う。逆に、そういう楽しみ方もできるというように開き直ったほうがいい。もちろん、普通に読めばほとんど気にならない程度だ。

私の職場の同僚もこの作品を読んでいて、知り合いから4巻までは面白いと勧められたそうだ。それを聞くと私は5巻までは最低でも読まないとダメだろうと思って読んでみたが、大した落差は無かったように思う。むしろ7巻からの展開に不安を覚える。が、この原作者に対しては期待のほうが大きい。

この作品にはいくつかの新展開が用意されている。大小数えるとキリがないので大きなものだけを取り上げると、第二のキラとしてこんな人物を配したのにはちょっと感動した。天才同士の対決は見ごたえがあるが、そこへ愚鈍な味方が加わることでさらにスリリングになるとは。しかもキャラクター的に少年誌向けとして最高だ。

物語を進めるにつれて、デスノートや悪魔についてのルールを少しずつ決めていっているのは、気にならなくはないが、大したことではないだろう。場当たり的な設定追加による複雑な謎解きや、ちょっと露骨すぎる伏線は、読む人によっては稚拙に感じられるのかもしれないが、私は楽しめた。

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